そよ風つうしん

小さな自然の発見をご紹介してきましたが、転居で環境が激変。内容を一部変更し日々の雑感を綴ったりもしています

忘れ雪

2008年02月11日 | 霜・氷・雪
2月9日は朝から冷たい風が吹いて、天気予報も雪が降ると言っていました。

朝、台所のカーテンを開けると、隣の棟のひさしの上に、たくさんのスズメが止まっていました。

ひとひら、ふたひら、落ち始めた雪を見ながら「寒いねえ~ 今日は積もるかもね」とでも話しているように、羽根を膨らませています。

< 雪の来る 予感に羽根をふくらませ >



やがて降りだしました。

見る間に積もり始めて、あたりが白くなっていきます。

これ、何の木だと思われますか?
ちょっと変わった枝振りでしょう?

真上からご覧になる機会はあまり無いと思うのですが、エゴノキです。



ベランダの手すりの上に、黒いマフラーを敷いて、風に乗って舞い込んでくる雪を受けました。

ふわっと飛んできたのは、仲間とはぐれた一片でした。


< 天からの手紙か ひとつ六花降る >

「雪は天からの手紙」と言われますが、この形はどんな空の様子を語っているのでしょうか?

こんな手紙も届きました。

幾つのも結晶が複雑にかさなっていますが、細い針状の部分などが壊れずに落ちてきた不思議に、見とれてしまいました。




やがて、そのまま夕方になりました。
雪が降ったままに日暮れてゆくのは「雪暮れ」で、大阪のような暖かい地方では珍しいことです。


< わが窓の 向こうの小山 雪暮れて >
< 雪暮れの 今宵は鍋の支度する >



一夜明けて

陽が射しはじめると、積もった雪が、はやく天に還らなくてはとでもいうように、融け急いで氷のようになっていきます。

その中にきれいなものがありました。
例えば、これです。

薄暗い所で、ひさしのようにせり出したのへ、わずかに光が当たっているのです。


こんなのも

ガラスの橋がかかっているのが、見えますでしょうか?


< 消えるまで 輝いている 雪の精 >



すっかり明るくなりました。
木の根元に丸く、雪解けの穴が見えています。

吹雪のような降り方だったので、根元の所までしっかり白くなっていたのです。
でも、こんなわずかな積雪でも、根っこの周りは先に解け始めるのですね。

この現象は「根回り穴」とか「根開き」とか呼ばれています。

「根開き」の方は、寒い地方で、ブナの木の根元から深い雪が解け始めるときに、地元の方々が春の来る喜びを感じつつ、こんな名前で呼ぶそうです。

これが出来る理由は、様々に説明されていますが、私には、木の命の息吹が感じられてなりません。


< 根まわりの穴に樹命のあたたかさ >


長々とご覧くださって、ありがとうございました。



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コメント (13)
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