そよ風つうしん

小さな自然の発見をご紹介してきましたが、転居で環境が激変。内容を一部変更し日々の雑感を綴ったりもしています

坪倉優介さんのこと

2011年03月07日 | 本の紹介・その他いろいろ
みなさん、坪倉優介さんという人を、ご存知でしょうか?

10年ほど前に『ぼくらはみんな生きている』という本が出版されて、テレビなどで取り上げられたので、覚えてる人もいらっしゃるでしょう?
私はそのときからのファンなんです!

ご存じない方のために、ちょっとご紹介させていただきますね。

大学生時代、18歳の時に事故で記憶喪失になりました。
病院のベッドで意識が戻ったら、一切の過去がきれいさっぱりと消えていたのです。

記憶喪失ってとにかく一切がっさい全てのことを忘れてしまうのですね(色んな種類があるようですが)。
親のことも彼女のこともわからない。
お風呂って?
お風呂に入るとき服をぬぐってなんで?
風呂場で何をすればいいの?
目の前にご飯が湯気を立てているけど、これはなにするもの?
・・・・・・そんな世界らしいです。

周囲の方々の困惑も想像に難くありません。

とにかくどうしていいかわからない・・・


たくさんのご苦労がありましたが、長い、長い、時間かかって、ご自分はもとより周囲の方々の努力の甲斐あって、少しずつ少しずつ状態が良くなって、
彼は草木染を始めます。  


余談ですが、染色のための液を作るには、花びらではなく、木の小枝や皮などを煮るのだと私が知ったのは、この坪倉さんのお話からでした。
サクラや梅のあの色が、小枝から出来るなんて、想像もできませんでした。


苦労に苦労を重ねて、
そして、今はたくさんのファンがいる立派な染色家!!
こちらにブログがありますので、どうかご覧下さい。


生きている、命があるということは、やっぱり素晴らしい!
日ごろはなんとも思っていない「記憶がある、記憶できる」ということのありがたさ!
一生懸命ってことの、すばらしさ!!


数日前に新しい本の広告が目に止まりました。
この写真が表紙です。
朝日文庫・588円  安くて申し訳ないようなお値段ですが、読まれたらきっと生きることの素晴らしさを感じて、元気が出ると思います。

私の、心からのおすすめの一冊です。




早春の空に、ゆったりと形の良い雲が流れています。
坪倉さんは、今日も冷たい水と格闘なさりながら、染物に精をだしておられるのでしょうか・・・



私のブログのお友達すももさんのところにも、この本に関する記事があります。

どうぞお立ち寄りください。

コメント (6)
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