モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

上原ひろみ&チック・コリア

2006-10-02 | BABYMETAL・LOVEBITES・XG・宮本佳林・ジャズ・クラシック
1995年12月 上京の際に、16歳でチック・コリアの公演でステージに呼ばれて初共演。チック・コリアとはバークリーの先輩後輩。初めて彼女の演奏を聴いたときは、なんて速弾き、まるでピアノの軽業師のようと思ったものです。10年ぐらいしたらいいジャズピアニストになるかもしれない、なんて思っていました。速弾きだけでは人の心は打ちませんからね。

しかし、ツアーを通じて彼女の音はものすごい速さで確実に熟成したようです。先日のチック・コリアとの共演は最高でした。「サマータイム」の軽妙なやりとり。彼の定番中の定番「Spain」は、絶妙のインプロビゼーション(即興演奏)のやりとりが絡み合って昇華してゆくわけです。親子ほども違うデュオですが、息も詰まるようなやりとりは、山下洋輔トリオ以来の緊迫感といったら叱られるでしょうか。

ジャズに限らず音楽は生演奏に限るのですが、そうも言っていられないしがない身。せめて「SPIRAL]でも買いましょう。今秋の東京ジャズフェスのCDも出るのでせうか。欲しいです。そして家族でコンサートに行きたいものです。そういえば、昔バイトしていた村上春樹の「ピーター・キャット」には、キース・ジャレットは無かったけれど、チック・コリアの「Return To Forever」はあったような気がします。私は、ゲイリー・バートンとの共演「Crystal Silence」を持っていますが、湘南や信州の高原を走るときによく聴いたものです。

フュージョン・ジャズなんていうと、ちょっとちょっとちょっと軽いんじゃな~いなんてイメージもあろうかと思いますが、確かに当時はコアで保守的なファンからは堕落したなんて言われましたが、ジャズアルバムとしては驚異的な売り上げを記録しました。ジャズのすそ野を広げたのは確かですね。チック・コリアは、彼自身のルーツでもあるスパニッシュな情熱に満ちた、華麗なる指さばきを身上としているわけで、時に静かにクールに見えて実は並々ならぬパッションを秘めているわけです。
そういう意味では、パッションをあっけらかんと打ち出してくる上原ひろみとは相性がいいのかもしれません。しばらく彼女からは目が離せません。

あっ、それから同じ中学出身で信州の高速を走るときには必ず流す、わが家が大好きなコバの新作『super mania coba』 もおすすめです。でも歌は歌わないで欲しいというのが家族みんなの意見。ジャケットデザインも何とかして欲しい。でもいいアルバム。
関係ないけれど、大菩薩の源流の苔むした森を歩いているときには、「もののけ姫」ではなく、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が頭の中を流れてきました。なんででしょう。
コメント (2)
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