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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

森の貴婦人、ムラサキシメジ(妻女山里山通信)

2010-11-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 ムラサキシメジがたくさん採れだすと、信州の秋も終わりに近いと感じます。枯れ葉が舞い散る錦秋の森で、この美しい紫色の傘を見つけると本当に心が躍ります。時には何本も輪になって生えている事もありますが、落葉が盛んになると写真のように落ち葉の下に隠れてしまい、シロの場所を知らないと、なかなか見つけにくいものです。

 落ち葉を白色腐朽する落葉分解菌のキノコなので、主に広葉樹林の林内に出ますが、杉林や赤松、落葉松の混合林にも出る事があります。竹林に出る事もあるそうです。尾根筋よりは、落ち葉が積もる半日陰の沢筋の方を好むキノコです。なんでも南米を除く世界中にあるキノコだそうです。なぜ南米にだけないのでしょう。

 若い時の美しい紫色は、まさに森の貴婦人のようですが、この淑女はほとんどの場合お腹にウジ虫を飼っています。いわゆるキノコ虫ですが、丸く膨らんだ石突きの部分にいることが多いので、採取にははさみを持ってその部分から切り取ります。すると三つ四つの穴があいていて、中にウジ虫がつまっています。その場でとるのも面倒なので、帰ってから塩水に浸けて虫を追い出します。もっともキノコを食べている虫ですから、誤って食べてもまったく問題はありません。

 さて、このムラサキシメジですが、豆腐とすまし汁、味噌汁、鍋の具、きのこうどん、バターソテー、グラタン、クリームパスタなど色々合いますが、新信州郷土料理としておすすめしたいのが、ムラサキシメジのおやきです。作り方は、丸ナスのおやきと同様にムラサキシメジを刻んで油と味噌で和え、小麦粉の皮で包み、油で焼いてから蒸します。ムラサキシメジの香りと旨味が閉じ込められて、それは美味しいおやきができあがります。辛党は豆板醤を入れてもいいでしょう。フランスでは、ピエ・ブルーといって高級食材です。青い足という意味ですが、日本のムラサキシメジのように傘まできれいな紫ではないですね。厳密にいうと別種なのでしょうか。

 写真の真ん中にあるザルに入ったキノコは、ムキタケです。たった30分のキノコ狩りで2.5キロのムキタケをゲットしました。去年目をつけたおいたシロです。地元の人も絶対に入らない場所なので、当分荒らされる事もなく収穫できるでしょう。ムキタケの一部は、ムラサキシメジ、クリタケと一緒に手羽元と里芋で煮物にしましたが、いい出汁がでて後ひきの美味しい料理になりました。

 秋のキノコのシーズンはこれで終わりですが、まだシモフリシメジや冬には天然のエノキダケも出てきます。

★虫倉山のトレッキングルポは、フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】にアップします。北アルプスの大パノラマや山座同定を掲載する予定です。現在製作中。

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★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。ムラサキシメジ、ムキタケなどキノコ、変形菌(粘菌)の写真はこちらで。
コメント (3)
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