今までのアニマル・トラッキングで、晴天のときは午後の時間にほぼ同じ場所に現れることが分かったので、タイミングを見て出かけました。まだ現れる時間には少し早いので妻女山から陣場平へと登ります。途中の林道は、狩猟の四駆の轍や散歩の人や犬の足跡で、野生動物のいい状態での足跡が観察できません。陣場平は冬場は訪れる人がいないので、比較的足跡がきれいに残っています。
早速見つけたのはノウサギ(ニホンノウサギ)の足跡です。秋には足下の薮から飛び出してきて驚かされたこともありましたが、比較的数は少ない様に思います。里山が放置され、生息に適したこの陣場平のような草地の減少も一因でしょう。足跡は、陣場平を真っすぐに横切る様についていました。ノウサギもニホンカモシカも冬芽を食べますが、ノウサギは低い位置で食痕がスパッと切ったようになっていますが、ニホンカモシカのそれは引き千切ったようになっています。ニホンカモシカは上顎に歯がないためです。
ノウサギの足跡の近くにはテンの足跡もありました。ノウサギにとっては天敵です。この二匹の足跡は食物連鎖の厳しい営みが行われている事を静かに語っています。以前はノウサギの天敵であるキツネの巣穴もあり、一直線に続く足跡も各所に見られたのですが、最近は見られなくなりました。すぐ近くの千曲川の河川敷にはいます。ここのところ大きな洪水もないので、餌になるノネズミ(アカネズミやヒメネズミ)やモグラ、ヒミズなどの多い河川敷に移ったのでしょうか。
そろそろニホンカモシカがやって来る時間なので、山を下ります。東風越の峠でオオカマキリ(大螳螂・大蟷螂)の卵鞘(らんしょう)を見つけました。オオカマキリのオスは、交尾の前後にメスに食べられてしまうことで有名ですが、必ずそうなるということではないようです。逃げ仰せるオスも少なからずいるようです。そのメスも卵を産むと越冬することなく死んでしまいます。前脚を持ち上げて待ち伏せする祈るような姿から、俗に拝み虫とも呼ばれますが、レンズを向けると必ず威嚇してくるほど好戦的な性質です。傷つけることもあるので、小さな子供には持たせない方がいい昆虫です。
そのオオカマキリの卵があったのがガマズミの小枝でした。卵は地上から2m近くと非常に高いところにありました。俗説の「積雪が多い年は高い所に生む」というのは誤りのようですが、しかしなんでこんなに高いところに生んだのでしょう。始めて見ました。なにかそうぜざるを得ない要因があったのでしょうか。この木のすぐ近くにはオオスズメバチの集まるクヌギの木がありますが、昨年はそのオオスズメバチが全く見られませんでした。それも一因でしょうか。ちなみにオオカマキリとオオスズメバチは、互いに捕食し合うという間柄(関係)です。
旧道を大急ぎで下り、件(くだん)の場所に行くとニホンカモシカは既にいました。いわゆるマタギの人達が「アオの寒立ち」という状態です。何度も出会っているのでこちらの顔も覚えているはずですが、ゆっくりと近づきます。ただずっと見つめていると緊張が高まるので、ファインダーを覗いて顔を隠したり、アングルファインダーに目を落として直に見ない様にもします。シャッターを切りながら少しずつ間合いを詰めていきます。ジッとこちらを見ていますが、時々緊張から逃れたいのかわざと横を向いたりしますが、片方の目でしっかりとこちらを見ています。正面から見ると角が短く見えますが、後ろに寝ているので実際は10センチ以上あります。ただ老カモシカのように角の付け根前部が角研ぎによってえぐれていないので若年であることが分かります。
もう少しと思って踏み出した時です。足下の枯れ枝を踏んで大きな音を立ててしまいました。それに驚いたのか、反転しました。そしてゆっくりとイバラのトンネルへと入って行きました。呼び止めるといつもの様に振り返ります。反芻中なので、これ以上追いかけるのは止めにしました。ゆっくりと崖を下りて去って行きました。おそらくもう一カ所の林道の崖上にある休息場所へと向かったのでしょう。
最後の写真は、妻女山展望台で、茶臼山、虫倉山や川中島を望むパノラマ写真です。ちょうど千葉からスキーに来た帰りに立ち寄ったという男性がいたので、川中島合戦の伝説の場所の説明などをしました。偶然居合わせた場合は、なるべく話しかけるようにしています。もし、立ち寄った場合にE-330をぶら下げている私を見かけたら、気軽に声をかけてください。のっぴきならない事情がないかぎり説明させていただきます。
妻女山のニホンカモシカ 1は、ひとつ前の記事で。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。ニホンカモシカの写真もこちらで。
早速見つけたのはノウサギ(ニホンノウサギ)の足跡です。秋には足下の薮から飛び出してきて驚かされたこともありましたが、比較的数は少ない様に思います。里山が放置され、生息に適したこの陣場平のような草地の減少も一因でしょう。足跡は、陣場平を真っすぐに横切る様についていました。ノウサギもニホンカモシカも冬芽を食べますが、ノウサギは低い位置で食痕がスパッと切ったようになっていますが、ニホンカモシカのそれは引き千切ったようになっています。ニホンカモシカは上顎に歯がないためです。
ノウサギの足跡の近くにはテンの足跡もありました。ノウサギにとっては天敵です。この二匹の足跡は食物連鎖の厳しい営みが行われている事を静かに語っています。以前はノウサギの天敵であるキツネの巣穴もあり、一直線に続く足跡も各所に見られたのですが、最近は見られなくなりました。すぐ近くの千曲川の河川敷にはいます。ここのところ大きな洪水もないので、餌になるノネズミ(アカネズミやヒメネズミ)やモグラ、ヒミズなどの多い河川敷に移ったのでしょうか。
そろそろニホンカモシカがやって来る時間なので、山を下ります。東風越の峠でオオカマキリ(大螳螂・大蟷螂)の卵鞘(らんしょう)を見つけました。オオカマキリのオスは、交尾の前後にメスに食べられてしまうことで有名ですが、必ずそうなるということではないようです。逃げ仰せるオスも少なからずいるようです。そのメスも卵を産むと越冬することなく死んでしまいます。前脚を持ち上げて待ち伏せする祈るような姿から、俗に拝み虫とも呼ばれますが、レンズを向けると必ず威嚇してくるほど好戦的な性質です。傷つけることもあるので、小さな子供には持たせない方がいい昆虫です。
そのオオカマキリの卵があったのがガマズミの小枝でした。卵は地上から2m近くと非常に高いところにありました。俗説の「積雪が多い年は高い所に生む」というのは誤りのようですが、しかしなんでこんなに高いところに生んだのでしょう。始めて見ました。なにかそうぜざるを得ない要因があったのでしょうか。この木のすぐ近くにはオオスズメバチの集まるクヌギの木がありますが、昨年はそのオオスズメバチが全く見られませんでした。それも一因でしょうか。ちなみにオオカマキリとオオスズメバチは、互いに捕食し合うという間柄(関係)です。
旧道を大急ぎで下り、件(くだん)の場所に行くとニホンカモシカは既にいました。いわゆるマタギの人達が「アオの寒立ち」という状態です。何度も出会っているのでこちらの顔も覚えているはずですが、ゆっくりと近づきます。ただずっと見つめていると緊張が高まるので、ファインダーを覗いて顔を隠したり、アングルファインダーに目を落として直に見ない様にもします。シャッターを切りながら少しずつ間合いを詰めていきます。ジッとこちらを見ていますが、時々緊張から逃れたいのかわざと横を向いたりしますが、片方の目でしっかりとこちらを見ています。正面から見ると角が短く見えますが、後ろに寝ているので実際は10センチ以上あります。ただ老カモシカのように角の付け根前部が角研ぎによってえぐれていないので若年であることが分かります。
もう少しと思って踏み出した時です。足下の枯れ枝を踏んで大きな音を立ててしまいました。それに驚いたのか、反転しました。そしてゆっくりとイバラのトンネルへと入って行きました。呼び止めるといつもの様に振り返ります。反芻中なので、これ以上追いかけるのは止めにしました。ゆっくりと崖を下りて去って行きました。おそらくもう一カ所の林道の崖上にある休息場所へと向かったのでしょう。
最後の写真は、妻女山展望台で、茶臼山、虫倉山や川中島を望むパノラマ写真です。ちょうど千葉からスキーに来た帰りに立ち寄ったという男性がいたので、川中島合戦の伝説の場所の説明などをしました。偶然居合わせた場合は、なるべく話しかけるようにしています。もし、立ち寄った場合にE-330をぶら下げている私を見かけたら、気軽に声をかけてください。のっぴきならない事情がないかぎり説明させていただきます。
妻女山のニホンカモシカ 1は、ひとつ前の記事で。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。ニホンカモシカの写真もこちらで。