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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

松本城・芥子坊主山・扉温泉(筑摩漫遊記)

2011-01-05 | 歴史・地理・雑学
 息子が下宿に戻るのを送るついでに久しぶりに松本周辺を廻ってみることにしました。最初はのんびりと旧善光寺道に沿って山を越えて行こうと思いましたが、当日の朝がかなり冷え込んだため、峠道が凍結しているだろうと高速を使いました。松本辺りは、信濃国の筑摩郡(つかまごおり)と呼ばれていたところです。明治までは「つかま」と呼んでいたのですが、発語しにくいということで「ちくま」と呼ばれるようになりました。それが千曲とも混同される原因になってしまったのは残念なことです。筑摩川は千曲川のことではなく、犀川水系の川(犀川・梓川・奈良井川・薄川など筑摩郡を流れる川)のことです。

 まず芥子坊主山(891.5m)に行ってみました。頂上は農村公園となっていて高い展望台があり、キャンプ場の施設もあります。ただ、すぐ南に大きな駐車場のあるアルプス公園があるためか、ここはいつも閑散としていると息子は言っていました。彼はよく自転車に乗ってここに登るそうです。展望台に登ると、北川は樹木に遮られていますが、それ以外は大展望が広がります。西側には雲を頂いた常念岳と横通岳が大きくそびえています。西には松本平と北アルプスの展望の良さがあるものの、地味で忘れられがちな戸谷峰(1629m)の大きな山容が間近に迫ります。さらに右へ目を向けると美ヶ原高原の大きな山塊が見えます。松本で東山というと、やはり美ヶ原になってしまうのでしょう。雪をかぶった王ヶ頭の鼻先が見えます。さらに右へ目をやると鉢伏山、高ボッチ山が。

 展望を楽しんだ後は、街へ下りて松本城近くの食堂で昼食。なかなか美味しいレトロなラーメンを食して松本城へ。外国人観光客が大勢訪れていました。松本城は、信濃守護家の小笠原氏の里山辺にある林城の支城として築かれた深志城が起源とされています。松本城は何度か消滅の危機がありましたが、明治時代に競売にかけられて取り壊されそうになったのが、最大の危機だったでしょうか。お堀端は植え込みや柵がないので、歩きながら撮影していて落ちない様に注意が必要ですね。

 息子の下宿に荷物を降ろして温泉に行こうとなりました。すぐ近くには浅間温泉と美ヶ原温泉が。もっと近くには横田温泉なんていうのもありますが、ちょっと脚を伸ばしてみようということで、松本で西の白骨、東の扉と呼ばれる扉温泉に行く事にしました。この温泉は、天の岩戸を開いた天手力雄命が戸を戸隠に運ぶ(天照大神が二度と隠れられないように扉を隠すため)途中で休息したという神話に由来するこの上にある扉峠に因んだ温泉ですが、温泉の発見は以外に新しく明治初期だそうです。

 前日にテレビで放映されたためか、いつものことか、山奥の温泉にはたくさんの人が訪れていました。日帰り温泉は「桧の湯」のみです。入浴料は300円と格安(休憩室利用料300円)。隣に小さな食堂もあります。内湯に露天風呂があり、もちろんかけ流しです。泉質は単純炭酸泉、アルカリ性単純温泉で、湯温はぬるめ。少し硫黄の臭いがします。湯船にはたくさんのリンゴが浮かんでいていい香りがしました。露天風呂の岩の上には、だれかがかじったリンゴが三個並んでいました(笑)。美味しそうと思わずかじってしまったのでしょう。でも温泉につかった生温いリンゴが美味しいわけがありません。

 風呂を出て松本に戻ります。途中「まんぼう食堂」という手打ちラーメンのお店がありました。なんとなく気になって帰ってから調べてみると、妻夫木聡主演の「さよなら、クロ」のロケに使われたというなかなか美味しいラーメン屋さんだということが分かりました。林城にも寄りたかったのですが、せっかく温泉で温まった体を冷やしてはと次の機会に譲り、息子を下ろして高速に乗りました。夕方の川中島を撮ろうと姨捨SAに寄りましたが、ここは障害物がたくさんあって撮影には少々不向きでした。やはりこの上の403号線にある千曲川展望台が一番かとETC専用のスマートインターチェンジから出ました。ここは、出入とも相当急坂なので注意が必要です。この後、千曲川展望台へ行こうかと思いましたが、東側の斜面は陽が陰ってしまい激寒。とても夕方まで待てそうにないと諦めて帰りました。

 千曲川展望台からのパノラマはこちらです。パノラマ撮影には、ここと姨捨駅の展望台がおすすめです。
 
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コメント (1)
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