GWのある日、信州の妻女山山中にむくつけき男達が朝から5人集まりました。4WDの軽トラ2台に1トン車1台。グラップル装備の重機が1台。チェーンソー4台。シメラーやワイヤーも装備。なにをするかといえば、国蝶オオムラサキの保護のための除伐作業。もちろんボランティアです。
これは、私がうちの山から始めた里山再生と活用の「妻女山里山デザイン・プロジェクト(妻女山SDP)」の一環です。除伐から初めて、里山の保全だけでなく、植生や動物、菌類の調査と保護から、山菜やキノコ栽培、アウトドアスポーツから歴史探索までと、里山に関するありとあらゆることを総合的にデザインしていこうという試みです。加えて私は、マクロ写真を中心としたネイチャーフォトを撮影して当ブログやホームページ■MORI MORI KIDS Nature Photograph Galleryにアップしています。
◉追記=この里山保全の活動も、トップページの目次の一番下にこの4年間の記事が15本列挙してあります(2016年現在)。御覧ください。今後も増えていきます。里山は、基本的に全て私有地です。この除伐に関しては、当時存命していた集落の世話人をしていた父に除伐する旨を伝えてもらい了承を得ました。昭和30年台以降、養蚕の衰退とプロパンガスの普及で、里山は放棄され自分の山の正確なエリアを知らない人がほとんどなのです。森林法というのは特殊で、必要とあらば隣接する人の山林でも立ち枯れや灌木の除伐、下草の刈払などはできることとなっています。森林組合の獣害駆除の除伐や、松枯れ病の伐倒、燻蒸も、個々の所有者に許可を得るのではなく、集落の区長から回覧板を回してもらって事実上の認証を得る形になっています。そうでなければ里山保全など不可能なのです。ほとんどの人は無関心ですから。
◉『信州の里山トレッキング東北信編』川辺書林が発売中。平安堂やAmazonで。カラー668枚の写真とコースの説明と地図。魅力的な信州の里山をもっと知ってほしい!
この近くには、オオムラサキの幼虫の餌となるエノキや成虫が樹液を吸うコナラやクヌギの森があるのですが、株立ちしたカラコギカエデやダンコウバイが繁茂して森を塞いでしまったのです。昔は定期的に切って薪として燃料にしたのですが、プロパンガスが普及した昭和30年代から放置林となり、荒れ放題となっていました。
オオムラサキは、信州の里山ならどこにでもいるありふれた蝶ですが、真夏に出現することと、山にいて里には下りて来ないことから、以外とその棲息を知らない人が多いのも事実です。山村に住んでいる人は知っていると思いますが。
カエデは、そのままだと真っすぐ上に伸びて扇型に枝が開くのですが、株立ちするとお互いが複雑に絡み、空を塞いで、日の当たらない枝は枯れてしまいます。そこにミツバアケビやヤマフジが絡んで繁茂すると、森は暗く鳥や蝶は入れなくなってしまいます。
そこで、適度に除伐してギャップを作り、彼らが飛び回れる空間を作ろうというわけです。
私が予め伐採しておいた木に加え、状況を見て伐採するのですが、複雑に絡み合っているため、根元を切っても倒れません。そこで重機の登場。グラップルで幹を掴んで強引に引きずり落とします。それを次々と玉切りしてトラックに積み込みます。皆自分がなにをすればいいのか分かっていて黙々とこなすので、順調に進み、作業は午前中で終了しました。
昼は、山菜の天ぷらと、乾麺の信州蕎麦に松代名産のとろろと信州辛味大根と中国青大根のおろしぶっかけ蕎麦。山菜は、来る時に採ってきたコゴミとコシアブラ、それに採りたてのタラの芽。これらの揚げたてを岩塩で。
話題は、里山保全の話から放射能の話、この辺りの昔話やお互いのちょっと恥ずかしい話などと尽きませんでした。
林間からは眼下に蛇行する千曲川と里山、その向こうに北アルプス。仁科三山と白馬三山が。時折五月の爽涼な風が緩く撫でる様に通り過ぎて行きます。樹冠からは色々な小鳥のさえずりが。
一番下のカットは、翌日撮影に訪れた茶臼山のアルプス展望台からの仁科三山。稜線は雲に隠れていました。
次回は、梅雨の晴れ間に、椎茸駒打ちプロジェクトをする予定です。その前に私は、作業とハイカーの安全の為にオオスズメバチのトラップも仕掛けなければなりません。短い春が終わったと思ったら、もう積乱雲が湧いて、クサボケの赤い花が咲き、夏の匂いが漂い始めた信州です。

最後に、放射性物質は長野にも降り注いでいます。長野市の信州大学教育学部のグラウンドから1000ベクレル/キログラム弱のセシウムが検出され、汚泥からも基準値越えが検出されています。一般にもその恐怖が広まりつつありますが、個人差が極端に大きい。放射能は、見えない、匂わない、感じないので、知識だけではだめ。想像力を働かせ、尚かつそれを維持しないと対応できないのです。内部被曝は外部被曝の200~600倍の害をもたらすことを忘れてはならないのです。エビデンスを待っていたら死にます。飲食物には最大の注意を。マスコミ(テレビや大新聞)を信じていたら命を守れません。
原発関連情報や大地震情報はツイッターで呟いています。トップの常設記事のtwitterボタンをクリックしてご覧ください。
■2011年3月12、14、15、20、21、22、23、25、30日SPEEDIを用いたCs137大気降下状況試算 東北太平洋岸と関東の酷い被曝が分かる。長野県の状況試算も。
これは、私がうちの山から始めた里山再生と活用の「妻女山里山デザイン・プロジェクト(妻女山SDP)」の一環です。除伐から初めて、里山の保全だけでなく、植生や動物、菌類の調査と保護から、山菜やキノコ栽培、アウトドアスポーツから歴史探索までと、里山に関するありとあらゆることを総合的にデザインしていこうという試みです。加えて私は、マクロ写真を中心としたネイチャーフォトを撮影して当ブログやホームページ■MORI MORI KIDS Nature Photograph Galleryにアップしています。
◉追記=この里山保全の活動も、トップページの目次の一番下にこの4年間の記事が15本列挙してあります(2016年現在)。御覧ください。今後も増えていきます。里山は、基本的に全て私有地です。この除伐に関しては、当時存命していた集落の世話人をしていた父に除伐する旨を伝えてもらい了承を得ました。昭和30年台以降、養蚕の衰退とプロパンガスの普及で、里山は放棄され自分の山の正確なエリアを知らない人がほとんどなのです。森林法というのは特殊で、必要とあらば隣接する人の山林でも立ち枯れや灌木の除伐、下草の刈払などはできることとなっています。森林組合の獣害駆除の除伐や、松枯れ病の伐倒、燻蒸も、個々の所有者に許可を得るのではなく、集落の区長から回覧板を回してもらって事実上の認証を得る形になっています。そうでなければ里山保全など不可能なのです。ほとんどの人は無関心ですから。
◉『信州の里山トレッキング東北信編』川辺書林が発売中。平安堂やAmazonで。カラー668枚の写真とコースの説明と地図。魅力的な信州の里山をもっと知ってほしい!
この近くには、オオムラサキの幼虫の餌となるエノキや成虫が樹液を吸うコナラやクヌギの森があるのですが、株立ちしたカラコギカエデやダンコウバイが繁茂して森を塞いでしまったのです。昔は定期的に切って薪として燃料にしたのですが、プロパンガスが普及した昭和30年代から放置林となり、荒れ放題となっていました。
オオムラサキは、信州の里山ならどこにでもいるありふれた蝶ですが、真夏に出現することと、山にいて里には下りて来ないことから、以外とその棲息を知らない人が多いのも事実です。山村に住んでいる人は知っていると思いますが。
カエデは、そのままだと真っすぐ上に伸びて扇型に枝が開くのですが、株立ちするとお互いが複雑に絡み、空を塞いで、日の当たらない枝は枯れてしまいます。そこにミツバアケビやヤマフジが絡んで繁茂すると、森は暗く鳥や蝶は入れなくなってしまいます。
そこで、適度に除伐してギャップを作り、彼らが飛び回れる空間を作ろうというわけです。
私が予め伐採しておいた木に加え、状況を見て伐採するのですが、複雑に絡み合っているため、根元を切っても倒れません。そこで重機の登場。グラップルで幹を掴んで強引に引きずり落とします。それを次々と玉切りしてトラックに積み込みます。皆自分がなにをすればいいのか分かっていて黙々とこなすので、順調に進み、作業は午前中で終了しました。
昼は、山菜の天ぷらと、乾麺の信州蕎麦に松代名産のとろろと信州辛味大根と中国青大根のおろしぶっかけ蕎麦。山菜は、来る時に採ってきたコゴミとコシアブラ、それに採りたてのタラの芽。これらの揚げたてを岩塩で。
話題は、里山保全の話から放射能の話、この辺りの昔話やお互いのちょっと恥ずかしい話などと尽きませんでした。
林間からは眼下に蛇行する千曲川と里山、その向こうに北アルプス。仁科三山と白馬三山が。時折五月の爽涼な風が緩く撫でる様に通り過ぎて行きます。樹冠からは色々な小鳥のさえずりが。
一番下のカットは、翌日撮影に訪れた茶臼山のアルプス展望台からの仁科三山。稜線は雲に隠れていました。
次回は、梅雨の晴れ間に、椎茸駒打ちプロジェクトをする予定です。その前に私は、作業とハイカーの安全の為にオオスズメバチのトラップも仕掛けなければなりません。短い春が終わったと思ったら、もう積乱雲が湧いて、クサボケの赤い花が咲き、夏の匂いが漂い始めた信州です。






最後に、放射性物質は長野にも降り注いでいます。長野市の信州大学教育学部のグラウンドから1000ベクレル/キログラム弱のセシウムが検出され、汚泥からも基準値越えが検出されています。一般にもその恐怖が広まりつつありますが、個人差が極端に大きい。放射能は、見えない、匂わない、感じないので、知識だけではだめ。想像力を働かせ、尚かつそれを維持しないと対応できないのです。内部被曝は外部被曝の200~600倍の害をもたらすことを忘れてはならないのです。エビデンスを待っていたら死にます。飲食物には最大の注意を。マスコミ(テレビや大新聞)を信じていたら命を守れません。
原発関連情報や大地震情報はツイッターで呟いています。トップの常設記事のtwitterボタンをクリックしてご覧ください。
■2011年3月12、14、15、20、21、22、23、25、30日SPEEDIを用いたCs137大気降下状況試算 東北太平洋岸と関東の酷い被曝が分かる。長野県の状況試算も。