
久しぶりに陣場平へ。林道から落葉松林と山椒の林を抜けて陣場平の広いギャップに出ると、草熱れの匂いが充満していました。信州の北部は、梅雨前線が南岸にかかって東京や南信が雨でも、この様に晴れていることも多いのです。ハルゼミが鳴いています。サンコウチョウがこの間より上手に鳴いています。しかし、樹冠で鳴いているので姿は見えません。

絶滅させなければならない帰化植物オオブタクサの葉にウラナミアカシジミが留まっていました。わりと羽化したてなのか、ふらふらしていました。この後地面に落ちてしまいました。ゼフの発生が少ないので案じています。撮影を終えて歩き出すと、ヒョイヒョイと追い越して葉に留まったのはヒメウラナミジャノメ。今回は単眼マクロを持ってこなかったので、これ以上寄れませんでしたが、頭部はヒゲモジャで、可愛い模様の割にはおっさんくさい蝶なんです。

ヤマトシリアゲが三匹、蕗の葉の上の毛虫を襲っていました。体液を吸っているのです。一番左の個体には、朱色のダニが付いていますね。よくセミに付くタカラダニでしょうか。
貝母(編笠百合)の果も少し枯れてきました。種が弾けるのはもう少し先です。

ニワトコの赤い実が眩しい。この時期、妻女山山系で見られる赤い実は、ニワトコとヤブヘビイチゴとミヤマウグイスカグラです。食べられるのはミヤマウグイスカグラだけ。ヤブヘビイチゴは食べられますが、無味無臭で不味い。但し薬草です。ニワトコは、4月、弥生の茶花ですね。赤い実はニワトコ酒になります。便秘や皮膚炎、風邪に効くようです。春、ニワトコの蕾が膨らむ頃、朱色のニワトコフクレアブラムシがたくさん付くことがあります。
陣場平から戻ろうとすると、亡きKさんのログハウス方面から煙が立ち上っているのが見えたので行ってみました。ご家族が集まっていました。所有する山の検地をしに来たのだそうです。お茶を頂いて先日、ホダ木の際にここをお借りしたことと、次回の除草作業で偲ぶ会に出られなかったメンバーとでまたBBQをしたいとお願いしました。ログハウスから見える仁科三山の谷の残雪も、随分と少なくなって来ました。

帰ろうとすると、男性が二人登ってきました。東京から斎場山を見に来たそうで、持っている資料は、なんと私のブログの記事で、「妻女山」「妻女山 行き方」「妻女山 地図」「斎場山」「さいじょざん」「さいじょうざん」をプリントアウトしたものでした。私も驚きましたが、先方もまさか本人に会えるとは思いもしなかったようで、驚いていました。これも何かの縁と斎場山と陣場平をご案内しました。陣場平へ行くと上から初老の男性が下りてきました。鞍骨城ですかと聞くと、そうでした。とりあえずお二人を案内して、堂平大塚古墳へ降りると、謙信の陣用水の泉がありますよと教えて私は山を下りました。
そして、アナログの200ミリの望遠レンズを持ってきていたので、試し撮りと妻女山展望台へ行き、爺ヶ岳を撮影しました。テレコンバーターを付けているので、デジタルで800ミリ相当の望遠になりますが、谷の水の流れた跡などがくっきりと写っていて、なかなかの迫力です。すると先ほど陣場平で鞍骨城跡から下りてきた男性が登ってきました。ひとしきり川中島合戦の地元ならではの地理的な解説をしました。妻女山は歴史マニアや歴女がけっこう訪れます。そういう方々と出会い、色々お話できるのは本当に楽しいことです。

実は今回、陣場平に行ったのは、実山椒を採るためでもありました。私の大好物のちりめん山椒を作るためです。京都の土産物屋で買うと、小さな袋で1000円ぐらいしますね。でも、山椒のピリッとした味が薄いんです。私のは佃煮ではなく、一度だけしか茹でこぼしをしないので、食べると口中がジーン!と痺れるのです。砂糖も使いません。わりと薄味で煮上げます。現在W杯が行われているブラジルのアマゾンには、タカカという飲むと口中が痺れる酸っぱいスープがあるのですが、山椒はそれとよく似ています。実の採取は結構面倒くさいのですが、白飯に乗せて頂くあの味は、蒸し暑い梅雨時の最良のおかずなのです。今回は、放射能汚染されていないだろうジャコを探すのに苦労しました。まあ、これならいいだろうというものを、やっと探し当てて買い求めましたが、一応茹でこぼして使いました。なにせジャコは丸ごと食べますから、セシウムどころかストロンチウムが恐怖です。誤って食べると白血病になる危険性があります。慎重にならざるを得ません。仙台湾や東京湾、福島沿岸のものは、絶対に避けるべきです。
本当に原発は悪そのものです。たかが電気を起こすために、人類を滅亡に導く危険極まりない核を使うなど狂気以外のなにものでもありません。狂っています。
★オリジナル「ちりめん山椒のレシピ」。今回作ったものは、色でも分かるようにかなり薄味です。ジンは入っていませんが、白ワインが入っています。淡竹が採れ始めたので、淡竹と鯖の水煮缶詰の味噌汁も作りました。鯖缶のチョイスがこれまた面倒でした。日本の食文化を根底から破壊した盗電の万死に値する大罪。






★信州でも希少な、ほぼ360度の大パノラマが堪能できる大林山の山菜天ぷら三昧トレッキング・フォトレポート。 カタクリ、ヒトリシズカ、ショウジョウバカマ、タムシバ、コブシ。
★ネイチャーフォトのスライドショーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌やオオムラサキ、ニホンカモシカのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。