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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

千曲市森のあんずの里が満開。早朝から撮影に。ひと目10万本の桃源郷ならぬ杏源郷(妻女山里山通信)

2016-04-04 | アウトドア・ネイチャーフォト

 妻女山の作業の翌日は早朝から千曲市森のあんずの里へ。平地から山麓まで満開となりました。20日過ぎに満開になる年もあったので、今年は異常に早いです。ひと目10万本といわれるのですが、実際はどれだけあるのでしょう。早朝はあちこちで農家の方が消毒作業をしています(左)。早朝に回る場合は、ゴーグルとマスクが必須です。有機リン系も危険ですが、猛毒のネオニコチノイド剤かもしれないからです。自宅のあんずは売り物ではないので消毒はしません。
 最も古い樹とされる大木(中)。快晴なら白馬三山を借景に撮ることができます。これも在来種のあんず(右)。在来種の実はやや小さく酸味が強いので干しあんずに向いています。干しあんずを入れて炊いたおこわは美味です。

 神龍山禅透院の鐘楼と鮮やかな在来種のあんずの花と黄色いサンシュユの花。禅透院は、曹洞宗佐久郡前山村貞祥寺末派で、弘治元年(1555)創建。

 その南、薬師山の北にある大城山興正寺山門の枝垂れ桜(左)。そして薬医門形式の山門にある諏訪立川流の天才、和四郎富昌作の「子持ち竜」(中)。葛飾北斎の影響を受けたともいわれる波の造形も見事です(右)。和四郎富昌は八幡の武水別神社の再建中でした。そこで、森出身の弟子・宮尾八百重を案内役に住職、世話人、名主らが建築現場に赴き建築を依頼。引き受けた富昌は三月頃から、父富棟が寛政二年(1789)に建築した善光寺大勧進の表御門形式を参考に絵図面を制作。四月には八百重の家に投宿し近くの薬師山に登って酒宴を催し、満開の杏花を愛でたといわれています。夜は篝火の下で鼓を鳴らし謡曲の「鞍馬天狗」を吟じ、見事な龍を描き上げ、村人や近郷近在の話題をさらい、村では日本一の宮大工が来たと喜んだそうです。興正寺は、浄土宗西京大谷知恩院の末派で、創立年は不詳。

 興正寺の裏手から上平展望台方面のあんず畑の眺め。拙書『信州の里山トレッキング 東北信編』では大峯山のページで、このすぐ北にある薬師山からのあんずの花の展望写真や在来種の花のアップを載せています。

 スケッチパークの見本あんずの樹から。どうも標識と木にかかった名札が違っていたり、やや怪しい感じはしますが。あんずには生食用とジャムなどの加工用とがあります。

 鮮やかな小笠原と信州大実。昭和は控えめで慎ましやか。昔のあんずの花のイメージの色です。

 あんずの開花期は短いので、満開が週末と重なるのは難しいのですが、今年はピッタリでした。天気もまあまあだったので午後になると訪れる人が増えましたが、それでも数年前と比べると賑やかさが減った気がします。以前は駐車場へ入る車が長い長い列を作っていたのを覚えています。アベノミクスの大失敗のせいでしょう。小4の漢字が書けない人がいつまで総理をやっているのでしょうか。福島で20万人近くの人がプレハブの仮設住宅にいるというのに、豪華な五輪選手村を計画。世界に国民の血税をばら撒き、都知事は欧米で法外な金を使って外遊。このままでは日本終了です。

 洗淵山観龍寺から大峯山へ登るハイカーのグループ(左)。拙書を見せてどのコースを登るのか聞きました。いい本ですね、欲しいと言ってパンフレットをたくさん持って行ってくれました。芽吹き前なので、登山途中から花盛りのあんずの里が見えたと思います。帰路は観光客がほとんど訪れない岡地集落へ。あんずの花の向こうに、左に清野氏の鞍骨城跡のある鞍骨山。右に御姫山(中)。いずれも拙書で詳しく説明しています。『真田丸』効果で、県内外から鞍骨山へ登る人が増えましたが、眺めもよく静かで本当にいい山です。ひっそりと佇む岡地天満宮(右)。

 集落の近くにある在来種のあんず。周りに障害物が多くなかなかいいカットが撮れないのですが、今回は工夫してそこそこいい写真が撮れました。在来種は畑の角や古い民家の庭などにあるので、丹念に歩いて探すといいでしょう。

 ちょっと変わった構図が欲しくて撮影した一枚。右に茶臼山、中央奥に虫倉山。快晴ならばその左奥に真っ白な白馬三山が見えます。翌日は雨でしたが、花散らしの雨にはならないと思います。開花情報は、千曲市観光課のサイトで確認できます

 毎年撮影する在来種のあんず(左)。知っている限り一番紅が濃い花を咲かせます。禅透院のサンシュユの花のアップ(中)。ダンコウバイやアブラチャンと比べると、かなり派手です。あんずの樹の下に咲くトウダイグサ(右)。小さいので気がつく人は少ないでしょう。アップにするとなかなかユニークな花です。他にはカキドオシ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、タネツケバナなどが咲いていました。その後妻女山へ行きましたが、あんずの里でも妻女山でも素敵な出会いがありました。妻女山のソメイヨシノも咲き始めました。今週末は賑わうでしょう。
 森の杏は火水が見頃ですが、7日木曜日は花散らしの雨になるかも知れません。

森のあんずのスライドショーは、私のYoutubeのページで。ハイビジョンなのでフルスクリーンで御覧ください。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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妻女山里山デザイン・プロジェクトは掛かり木処理とノイバラの除去(妻女山里山通信)

2016-04-04 | アウトドア・ネイチャーフォト

 今回の妻女山SDPは、いつ道路に倒れるか分からない展望台の立ち枯れ赤松の伐倒を二本。その後長坂峠の、やはり赤松の掛かり木を処理しました。コナラに立ち枯れて折れた赤松が掛かっているのですが、いつ落ちてもおかしくない状況で危険です。N氏が手際よくチェーンソーで切断。その後落として玉切りして片付けました。
 作業中に鞍骨山を目指すご夫婦が車で上って来ましたが、しばらく待ってもらいました。その間拙書を見せて鞍骨までの写真やコースを紹介しました。イラストマップを持参していましたが、イラストでは正確な地形や距離、方向が分かりません。迷った時にも全く役に立ちません。拙書は地形図とコースが分かりやすく書いてあるので、これとコンパスを是非用意してください。

 その後、陣馬平のノイバラの除去作業へ。酷い藪でジャングルの様になっていた頃は、高さ2m以上のノイバラのジャングルがあり、入れない場所もありました。2年ほどかかってそれらを伐倒したのですが、地下茎はしぶとく残っていたので、放っておくとまた元に戻ってしまいます。上の写真は、酷い藪だった2008年から2009年にかけてのものです。下の現在の写真と比べると、その違いに驚かれるでしょう。里山は手を入れないとすぐに藪に戻ってしまうのです。適度に除伐し、ギャップを作ったことで、鳥や昆虫も増えました。

 そこで今回は地下茎の除去をしました。これは本当に大変な作業でした。長いものでは6m以上のものも。地中にはびっしりと根がはびこる場所も。貝母が北の方へ増えていかないのも道理です。すべての除去は無理ですが、2時間半ほどで、なんとか作業が終了。白梅の咲く下を昼餉の準備へと向かいました。今回は、初参加のU氏と、久しぶりのS氏も参加。非常に助かりました。

 場所は長坂峠のつもりだったのですが、風が出てきたので予定を変更して、今は亡き山仲間の友人のログハウスの庭の一角を借りることにしました。事後承諾になりますが、すみませんKさんお借りしました。今回のメインは、K氏が用意してきたジャンボシュウマイ。分厚い皮は幻の小麦・いがちくオレゴン。ロケットストーブの調子がイマイチでやや時間が掛かりましたが、絶品でした。これは横浜中華街で売っても人気商品になるでしょう。中華街通いを極めた?私が言うので間違いありません。中華街レポと中華料理のレシピは、私のこのサイトで御覧ください

 更にS氏はやはりいがちくオレゴンで焼いてきたパン。これに私が持ってきた合鴨のロースト、イワシのペースト、のらぼう菜をオリーブ油炒めして卵とじしたものを載せてオープンサンドに。ノンアルコールビールなどを飲みながら、会話が弾みました。北アルプスは霞んでいましたが、小鳥のさえずりが絶えることなく続き、春本番を感じました。足元には水仙が咲いています。麓の集落では、あんずの花が満開。妻女山のソメイヨシノも咲き始めました。例年に比べると1周間から10日は早い感じです。

◉陣馬平の貝母は美しい花で薬草ですが、強い毒草です。決して持ち帰らないで下さい。

◉妻女山SDPの活動は、MORI MORI KIDS NATURE PHOTOGRAPH GALLERYの目次の一番下から15本がご覧いただけます。今回のものもいずれリンクします。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。

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