五月晴れという言葉が虚しく思えるほど、まるで梅雨の入りかというような今週の天気予報です。わずかな晴れ間を選んで麻績村聖湖から三峯山に登りました。拙書でも紹介している初心者向けコースで、標高差141m、所要時間25〜35分。歩き慣れていれば幼児でも登れます。
登山自粛がいわれていますが、それは富士山や北アルプスなど三密の山小屋泊を要する山や、年間300万人も登る高尾山の様な山です。拙書で紹介のほとんどの里山は、全く問題ありません。全く人に出会わないこともあります。出会っても距離を置けば大丈夫。こんな時こそ里山歩きをしましょう。
山頂から眼下に聖湖を見ます。へらぶな釣りの太公望が何人か見られます。皆すごく離れています。赤い屋根のレストランは営業中でした。ピザが美味しい。左奥の山は、先日登った聖山です。
(左)聖湖南側の駐車場から登山道が始まります。(右)登りはじめてすぐにチゴユリ(稚児百合)の群生地がありました。
(左)ウスバサイシンか?と思いましたが、葉脈が違います。マイヅルソウ(舞鶴草)ですね。6月に雪笹の様な白い花を咲かせます。その様が鶴が舞っている様だとの命名です。(右)ヒトリシズカ(一人静)。ひとりで咲いていました。
(左)登山道には、タチツボスミレ(立坪菫)の群生があちこちに見られます。(右)山頂近くのスミレ。葉はタチツボスミレに似ています。ニオイタチツボスミレ(匂立坪菫)だと思います。
(左)山頂の2階建ての展望台です。手前の所まで車で来られますが、それでは山登りになりません。(右)スカイライダーというスライダーの乗り場。息子達が小さい頃に乗りました。めっちゃ楽しいです。左奥には、前々回に登った篠山。 高齢のご夫婦がのんびりと昼食中。
1141.4mの山頂から見る五一山脈と戸神山脈。どちらも尾根歩きが楽しい歴史ある山脈で、植生も豊かです。拙書では色々なコースを載せています。私はテラスで作ってきたスタミナチャーハン卵焼きのせでゆるゆると昼食しながら景色を堪能しました。鶯の鳴き声とブンブン飛び回る熊蜂の飛行。
暫くすると結構曇ってきました。左にカメラを振って善光寺平のほぼ全景。千曲川は左の塩崎で、流れを北から東へと変わります。台風19号の時には、この塩崎が決壊寸前でした。
西方の眺め。拙書でも紹介の京ヶ倉。みなみらんぼうさんが紹介してヒカゲツツジの山として有名になりました。もちろん拙書でも紹介していますが、子供や高齢者は登ってはいけない危険な里山です。左手前は、麻績村の城山。
南の眺望。冠着山(姨捨山)。これも拙書で紹介していますが、歴史を詳しく記しています。三つのコースを紹介しています。子供でも登れるコースもあります。この三峯山からは、尾根の舗装道路を通って前の記事で触れた古峠経由で登山口まで行けます。その後は、戸倉上山田温泉にも下れます。
(左)リフト料金表。動いているかは麻績村役場にお問い合わせを。(右)リフト。小さなゲレンデなので初心者やファミリー向け。街から近いので、ファットバイクのコースなんか作ると人気が出るのではないでしょうか。ファットバイクやマウンテンバイクなら、夏も冬も楽しめそうです。
(左)山頂にはズミの樹が何本かあり咲いていました。(右)楢芽林檎五倍子(ならめりんごふし)というナラリンゴタマバチによって作られた虫コブ(虫えい・ゴール)です。ナラメリンゴタマバチ(雌)が交尾後、コナラの根に楢根玉五倍子(ナラネタマフシ)を作ります。そこから冬に羽化した雌が単性生殖でコナラの冬芽に産卵し、それがこのような五倍子(フシ)を形成するのです。
虫コブは古くから利用されてきました。マタタビはマタタビミミタマバエの作る虫コブができて初めて価値あるマタタビ酒になります。また、ヌルデ(白膠木)の若芽や若葉などにヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶ(ヌルデミミフシ)は、お歯黒、染め物、薬、インク、占いなどに使われてきました。特に染料は、空五倍子色という伝統色で、古代より(正倉院にあり)珍重されてきました。
虫コブは、物理的刺激や植物の生長を促進する物質(植物ホルモンやアミノ酸など)により形成されますが、ダニ類、線虫類、細菌、菌類によっても作られます。現在、日本では1400種以上のゴールが見つかっています。実に奥が深い世界です。
(左)帰路は、三峯山の三つの峰の真ん中の峰へ。樹間から『風林火山』のロケ地になった大池が見えます。ここからのコースも拙書では載せています。秋の紅葉シーズンは最高です。(右)何もない真ん中の峰の山頂。鶯の鳴き声。
(左)下って野球グラウンドの脇に咲いていたサクラソウ(桜草)。(右)下山の道路脇には八重桜。桜は400種類ぐらいあるので、同定は困難です。別名は牡丹桜。塩と梅酢で漬けると美味。アンパンのへそに、桜茶に、おにぎりに。
(左)八重のヤマブキ(山吹)。(右)湖畔では、ウワミズザクラ(上溝桜)が満開で爽風に揺れていました。
湖畔にはこんな公園もあるのです。戦闘機フェチではないので詳細は分かりませんが、なんでこんな物があるのかというと、知人によると、昔麻績村が自衛隊の演習場の誘致を計画したそうで、聖山に登る三和峠への道は自衛隊が作ったのだとか。結局計画は頓挫したそうですが、置き土産でこんな物があるのだそうです。
(左)私が子供の頃によく描いたロッキードのF104。愛称はスターファイター (Starfighter)。少年倶楽部とかぼくらとか少年画報とかに載っていたのでしょう。小松崎茂さんの絵が大好きでした。私が美術とかデザイナーを目指したきっかけになった方です。(右)デコイチもあります。閉鎖中なので、フェンスの外から撮影しました。平和が一番です。戦争は悲劇しか生みません。個人の殺人は罰せられるのに、国家がする大量殺人はいいなんて狂っています。
聖湖の北岸から見上げる三峯山。対岸の公園では、幼子を連れた家族が芝生の上でランチをしていました。
(左)403号を下って、12号カーブ。通称アラレちゃんコーナーといって有名です。落書きもされてずいぶんと色あせました。(右)姨捨駅に下ります。ちょうど長野駅発松本駅行きの普通列車が登って来ました。停車してバックして駅に入ります。貴重なスイッチバックの駅で、善光寺平の眺めも最高で、撮り鉄垂涎の場所です。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
登山自粛がいわれていますが、それは富士山や北アルプスなど三密の山小屋泊を要する山や、年間300万人も登る高尾山の様な山です。拙書で紹介のほとんどの里山は、全く問題ありません。全く人に出会わないこともあります。出会っても距離を置けば大丈夫。こんな時こそ里山歩きをしましょう。
山頂から眼下に聖湖を見ます。へらぶな釣りの太公望が何人か見られます。皆すごく離れています。赤い屋根のレストランは営業中でした。ピザが美味しい。左奥の山は、先日登った聖山です。
(左)聖湖南側の駐車場から登山道が始まります。(右)登りはじめてすぐにチゴユリ(稚児百合)の群生地がありました。
(左)ウスバサイシンか?と思いましたが、葉脈が違います。マイヅルソウ(舞鶴草)ですね。6月に雪笹の様な白い花を咲かせます。その様が鶴が舞っている様だとの命名です。(右)ヒトリシズカ(一人静)。ひとりで咲いていました。
(左)登山道には、タチツボスミレ(立坪菫)の群生があちこちに見られます。(右)山頂近くのスミレ。葉はタチツボスミレに似ています。ニオイタチツボスミレ(匂立坪菫)だと思います。
(左)山頂の2階建ての展望台です。手前の所まで車で来られますが、それでは山登りになりません。(右)スカイライダーというスライダーの乗り場。息子達が小さい頃に乗りました。めっちゃ楽しいです。左奥には、前々回に登った篠山。 高齢のご夫婦がのんびりと昼食中。
1141.4mの山頂から見る五一山脈と戸神山脈。どちらも尾根歩きが楽しい歴史ある山脈で、植生も豊かです。拙書では色々なコースを載せています。私はテラスで作ってきたスタミナチャーハン卵焼きのせでゆるゆると昼食しながら景色を堪能しました。鶯の鳴き声とブンブン飛び回る熊蜂の飛行。
暫くすると結構曇ってきました。左にカメラを振って善光寺平のほぼ全景。千曲川は左の塩崎で、流れを北から東へと変わります。台風19号の時には、この塩崎が決壊寸前でした。
西方の眺め。拙書でも紹介の京ヶ倉。みなみらんぼうさんが紹介してヒカゲツツジの山として有名になりました。もちろん拙書でも紹介していますが、子供や高齢者は登ってはいけない危険な里山です。左手前は、麻績村の城山。
南の眺望。冠着山(姨捨山)。これも拙書で紹介していますが、歴史を詳しく記しています。三つのコースを紹介しています。子供でも登れるコースもあります。この三峯山からは、尾根の舗装道路を通って前の記事で触れた古峠経由で登山口まで行けます。その後は、戸倉上山田温泉にも下れます。
(左)リフト料金表。動いているかは麻績村役場にお問い合わせを。(右)リフト。小さなゲレンデなので初心者やファミリー向け。街から近いので、ファットバイクのコースなんか作ると人気が出るのではないでしょうか。ファットバイクやマウンテンバイクなら、夏も冬も楽しめそうです。
(左)山頂にはズミの樹が何本かあり咲いていました。(右)楢芽林檎五倍子(ならめりんごふし)というナラリンゴタマバチによって作られた虫コブ(虫えい・ゴール)です。ナラメリンゴタマバチ(雌)が交尾後、コナラの根に楢根玉五倍子(ナラネタマフシ)を作ります。そこから冬に羽化した雌が単性生殖でコナラの冬芽に産卵し、それがこのような五倍子(フシ)を形成するのです。
虫コブは古くから利用されてきました。マタタビはマタタビミミタマバエの作る虫コブができて初めて価値あるマタタビ酒になります。また、ヌルデ(白膠木)の若芽や若葉などにヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶ(ヌルデミミフシ)は、お歯黒、染め物、薬、インク、占いなどに使われてきました。特に染料は、空五倍子色という伝統色で、古代より(正倉院にあり)珍重されてきました。
虫コブは、物理的刺激や植物の生長を促進する物質(植物ホルモンやアミノ酸など)により形成されますが、ダニ類、線虫類、細菌、菌類によっても作られます。現在、日本では1400種以上のゴールが見つかっています。実に奥が深い世界です。
(左)帰路は、三峯山の三つの峰の真ん中の峰へ。樹間から『風林火山』のロケ地になった大池が見えます。ここからのコースも拙書では載せています。秋の紅葉シーズンは最高です。(右)何もない真ん中の峰の山頂。鶯の鳴き声。
(左)下って野球グラウンドの脇に咲いていたサクラソウ(桜草)。(右)下山の道路脇には八重桜。桜は400種類ぐらいあるので、同定は困難です。別名は牡丹桜。塩と梅酢で漬けると美味。アンパンのへそに、桜茶に、おにぎりに。
(左)八重のヤマブキ(山吹)。(右)湖畔では、ウワミズザクラ(上溝桜)が満開で爽風に揺れていました。
湖畔にはこんな公園もあるのです。戦闘機フェチではないので詳細は分かりませんが、なんでこんな物があるのかというと、知人によると、昔麻績村が自衛隊の演習場の誘致を計画したそうで、聖山に登る三和峠への道は自衛隊が作ったのだとか。結局計画は頓挫したそうですが、置き土産でこんな物があるのだそうです。
(左)私が子供の頃によく描いたロッキードのF104。愛称はスターファイター (Starfighter)。少年倶楽部とかぼくらとか少年画報とかに載っていたのでしょう。小松崎茂さんの絵が大好きでした。私が美術とかデザイナーを目指したきっかけになった方です。(右)デコイチもあります。閉鎖中なので、フェンスの外から撮影しました。平和が一番です。戦争は悲劇しか生みません。個人の殺人は罰せられるのに、国家がする大量殺人はいいなんて狂っています。
聖湖の北岸から見上げる三峯山。対岸の公園では、幼子を連れた家族が芝生の上でランチをしていました。
(左)403号を下って、12号カーブ。通称アラレちゃんコーナーといって有名です。落書きもされてずいぶんと色あせました。(右)姨捨駅に下ります。ちょうど長野駅発松本駅行きの普通列車が登って来ました。停車してバックして駅に入ります。貴重なスイッチバックの駅で、善光寺平の眺めも最高で、撮り鉄垂涎の場所です。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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