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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

子檀嶺岳って読めますか。真田関連の山城と北条氏の栄華を伝える霊山(妻女山里山通信)

2015-11-14 | アウトドア・ネイチャーフォト
 拙書『信州の里山トレッキング 東北信編』にも掲載の青木村にある子檀嶺岳に、確認登山をしてきました。こまゆみだけとルビがないと、こだんれいだけと読んでしまいそう。今回は、阿鳥川沿いに詰めて北尾根を登るルートの下り口を探すことや、山頂西側の1155mの見晴らし台を確認するのも目的でした。当日の天気予報は、朝方曇で日中晴れの予報だったので、出発を遅らせたのですが、予報は外れ、昼過ぎまで曇りでした。この晩秋はカラッと晴れる日が少ない信州です。本では、子檀嶺岳の山名の由来や歴史も記述しています。

 管社バス停のあるT字路に登山者休憩所があります(左)。背後には台形の子檀嶺岳。休憩所の裏の牧場では、サフォーク種の羊が餌を食べていました。左に曲がって登って行くと、栗林の右手に登山者駐車場(中)。平日にも関わらず既に5台の車が停まっていました。さすが人気の山です。県外ナンバーも2台。その駐車場からも子檀嶺岳の山頂が見えます(右)。

 駐車場から登るとすぐに獣害よけのゲート。ロックを開けて入りますが必ず閉めること。少し登るとすぐに登山口(左)。ここにも2台ほど停められます。さらに舗装路を数十メートル登った左にも駐車スペースがあります。GWなどには登山者で溢れるので地元の人に聞いて迷惑にならないように駐車してください。登山口から右へ下りて行き川を渡り竹林の道へ(中)。獣害対策の高圧電流の流れる電線があるので、誤って感電しないように注意。右へ曲がって尾根に取り付きます(右)。秋はキノコの留山で、テープが張られています。

 尾根を右左と交互につづら折れで登って行くと畳石公園(左)。板状節理の岩が現れます。登山道に畳石(中)。公園といっても何か特別な施設があるわけではありません。強清水(右)。枯葉が積もっていて音は聞こえど水の流れは見えず。里山の水場は涸れることも多いので基本あてにしないことです。赤松の間から山頂が見え隠れします。

 尾根を登って林道出合い(左)。昼でもちょっと薄暗い檜の植林地を歩きます。この右手に阿鳥川から登ってくる尾根があるのですが、見たところ明瞭な登山道や山道はありませんでした。下からは尾根の高みをひたすら登るのでしょうか。平坦な林道を進んでベンチのある場所(中)。ここから左手へ山頂への最後の登りが始まります。登るとすぐに子檀嶺岳の鳥居(右)。斜めに登って植林地を抜けるとつづら折れの急登が始まります。

 登山道を横切るように、昔の牛馬道の窪みが横切っています(左)。北面はホウノキがたくさん自生し、大きな枯れ葉が地面を覆っていました。ある場所で山葡萄の実がたくさん落ちていました(中)。一粒食べてみると、甘酸っぱい味。山頂に近づくとコイワカガミの群生(右)。花の時期は綺麗でしょう。

 かなりの急坂を登ると主稜線の鞍部にのります(左)。山頂は山城なので、これは堀切でしょう。山頂は右ですが、左へ少し登ると見張り台の少ピーク(中)。その少ピークの東側は木が横に生えている様な絶壁。鏡台山や四阿山、浅間山方面が見えます。1時間40分ほどで山頂。途中、下りてきた何組もの人達と出合い、その度に拙書をお見せしてパンフレットを渡しましたが、女性は花やパノラマの写真が綺麗と、男性は地形図が載っている里山の本は珍しい、分かりやすいという意見でした。地形図もその度に買うと結構高いしという意見。それに国土地理院は、ネットでの無料ダウンロードやプリントアウト地図の販売に切り替えてきています。いずれ印刷の地形図はなくなるでしょう。古い地形図を持っている人は大切にした方がいいです。
 山頂には、厳しい急登の村松西洞コースを登ってこられた80歳の男性が。昔、渓流釣りをしていたという共通の話題もあり、色々楽しい話ができました。

 始めは雲にすっかり隠れていた北アルプスですが、午後一時頃になると、やっと姿を現してくれました。中央に白馬鑓ヶ岳が白く光っています。手前の台形の山は、拙書でも紹介している聖山。ここも360度の大展望が見事な山です。

 山城だった狭い山頂には、青木村の田沢、村松、当郷の里宮の奥宮が鎮座(左)。地元の霊山として尊崇を集めています。山頂の南面は、200m以上の断崖なので要注意。北方には大林山が見えます(中)。山頂の縁には、秋の七草のひとつ、カワラナデシコが数輪咲いていました(右)。開花期の全草を瞿麦(くばく)、種子を乾燥したものを瞿麦子(くばくし)といい、利尿作用や通経作用がある薬草です。

 山頂の南側へは、何本もの尾根が延びています。右は夫神岳。左奥にノコギリ状の独鈷山。その手前に女神岳。麓には清少納言が好ましいと言った七久里湯という別所温泉。今回は寄れませんでしたが、そのあまりの美しさに「見返りの塔」と呼ばれる大法寺の三重塔安楽寺の八角三重塔へ寄るのもお勧めです。別所温泉の三つの外湯も超お勧め。

 北西には鹿島槍ヶ岳が雲の上に姿を現しました。諦めて早めに下山された方が多かったのですが、当日は午後から晴れるという予報だったので遅めに登り始めたのが功を奏しました。

 山頂から当郷の登山口を見下ろしたカット(左)。中央右に登山者休憩所の青い屋根とその手前にサフォーク牧場、左下に登山者駐車場が見えます(左)。下山途中の紅葉(中)。ソヨゴの赤い実(右)。

 下山後は、「道の駅あおき」に寄りました。拙書で表紙に使ったカットとほぼおなじ位置での撮影です。事務所の方に本のパンフレットを置いてもらえないかとお願いしました。快く了承していただきました。左側手前に延びる尾根が、村松西洞コースですが、非常に厳しい登りで、主稜線手前は木につかまらないと登れないほどの急登ですが、なんと地元の小学生が遠足で登るコースだそうです。駐車場はこちらの方が広くゆったりしています。是非一度挑戦してみてください。車が2台あればループコースを組めますし、この日は道の駅を起点としてループコースを組んだ人達もいました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。その山の名前の由来や歴史をまず書いているので、歴史マニアにもお勧めします。
 本の概要は、こちらの記事を御覧ください
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