各地で月の輪熊が出没し、被害が出ています。その上、クサウラベニタケ、ツキヨタケ、ニガクリタケの事故も頻発。おまけにこの夏の異常気象でキノコの季節が半月以上遅れ気味。そんなこんなでキノコ狩りもなかなか厳しい状況ですが、姥捨山からの鑑月で有名な鏡台山へキノコ狩りに出かけました。鏡台山といっても山塊が大きく、松代町、千曲市、坂城町、上田市に跨がっています。しかも、鳥獣保護区があり月の輪熊の大生息地です。
昨年は、鏡台山の登山道で排泄したばかりの大きな 熊の糞を発見、その後には前方を横切る熊と遭遇という経験をしました。今年はヤマグリやドングリが異常に不作で、鏡台山の熊が里まで下りてきています。松代町西条、千曲市の土口で目撃例があり、倉科では猪の檻にかかった一頭が駆除されました。また、最近では千曲市森の岡地で親子連れの熊が目撃されています。山に入れば、いつどこで遭遇してもおかしくない状況です。
熊鈴と笛を携行して山に入りました。キノコの出方は今年の異常気象を象徴するかのように極めて異常です。10月中旬になるというのに9月のムラサキアブラシメジモドキが大量発生。このキノコはいい出汁がでるのですが、なぜか地元の人は知らないのか昔から採らないようです。そして、最盛期であるはずの時候坊(ハナイグチ)は、わずかしかなくしかも朽ちている有様。さらに晩秋のキノコともいえるムラサキシメジとクリタケが出ていました。遅れて出てきた松茸は一転して豊作の様ですが、秋が短いためかキノコ全体を見ると不作といっていいようです。
熊の通り道になっている笹の尾根を超えると一面にムラサキアブラシメジモドキが生えていました。新しいものを選んで採ります。小さくてぬめぬめしているので結構面倒です。はさみで切っていきます。こうすると石突きが残り、菌糸を持ち帰ってしまうことがありません。帰ってからの掃除も簡単です。去年は大量に発生した時候坊のシロにはほとんど発生していませんでした。
そして、初めて入る赤松と広葉樹の混合林。毎年食菌のウラベニホテイシメジと間違える事故が発生するクサウラベニタケが大量に出ていました。そして、あまり見た事がない灰緑褐色のキノコをたくさん発見。ミネシメジに似ていますが、近縁種のミドリシメジのようでもあります。どちらも食菌とありますが、臭いもよくなくあたる人もいるらしいので採りませんでした。その他、サクラシメジモドキ、クリタケ、ハナビラニカワタケ、出始めのムラサキシメジなどが採れました。幸い熊には遭遇しませんでしたが、緊張のキノコ狩りでした。
帰りにオオカサモチの群生がある場所へ。時期は遅れていますが咲いていました。しかし、大量に咲き乱れていた昨年と比べるとあまりに寂しいこと。セリ科なので熊やニホンカモシカによって花のいくつかが食べられていました。去年はあれだけ咲き乱れていてもほとんど食べられていなかったことを思うと、やはり餌が圧倒的に少ないのでしょう。栗のみを食べた熊の糞は灰色、栃の実を食べた糞は黄色ですが、その栃の実もほとんど落ちていませんでした。ドングリもほとんど見られません。これでは里に下りてくるはずです。
帰りの林道の崖面にリュウノウギクが秋の陽射しをいっぱいに受けて咲いていました。去年の同じ頃の山の色を見るとまったく違います。コバノガマズミがたくさん実をつけているところがありましたが、たった一カ所だけでした。冬は早いということですから、今年の秋は異常に短くなりそうです。森の昆虫や動物にとっては近年前例のないほどの苦難の冬になるかもしれません。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、地衣類、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
★【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】夏の信州のトレッキングに、四阿山カルデラ周回トレッキングをアップしました。米子大瀑布とカルデラのパノラマ写真、蝶や高山植物の写真がご覧いただけます。
昨年は、鏡台山の登山道で排泄したばかりの大きな 熊の糞を発見、その後には前方を横切る熊と遭遇という経験をしました。今年はヤマグリやドングリが異常に不作で、鏡台山の熊が里まで下りてきています。松代町西条、千曲市の土口で目撃例があり、倉科では猪の檻にかかった一頭が駆除されました。また、最近では千曲市森の岡地で親子連れの熊が目撃されています。山に入れば、いつどこで遭遇してもおかしくない状況です。
熊鈴と笛を携行して山に入りました。キノコの出方は今年の異常気象を象徴するかのように極めて異常です。10月中旬になるというのに9月のムラサキアブラシメジモドキが大量発生。このキノコはいい出汁がでるのですが、なぜか地元の人は知らないのか昔から採らないようです。そして、最盛期であるはずの時候坊(ハナイグチ)は、わずかしかなくしかも朽ちている有様。さらに晩秋のキノコともいえるムラサキシメジとクリタケが出ていました。遅れて出てきた松茸は一転して豊作の様ですが、秋が短いためかキノコ全体を見ると不作といっていいようです。
熊の通り道になっている笹の尾根を超えると一面にムラサキアブラシメジモドキが生えていました。新しいものを選んで採ります。小さくてぬめぬめしているので結構面倒です。はさみで切っていきます。こうすると石突きが残り、菌糸を持ち帰ってしまうことがありません。帰ってからの掃除も簡単です。去年は大量に発生した時候坊のシロにはほとんど発生していませんでした。
そして、初めて入る赤松と広葉樹の混合林。毎年食菌のウラベニホテイシメジと間違える事故が発生するクサウラベニタケが大量に出ていました。そして、あまり見た事がない灰緑褐色のキノコをたくさん発見。ミネシメジに似ていますが、近縁種のミドリシメジのようでもあります。どちらも食菌とありますが、臭いもよくなくあたる人もいるらしいので採りませんでした。その他、サクラシメジモドキ、クリタケ、ハナビラニカワタケ、出始めのムラサキシメジなどが採れました。幸い熊には遭遇しませんでしたが、緊張のキノコ狩りでした。
帰りにオオカサモチの群生がある場所へ。時期は遅れていますが咲いていました。しかし、大量に咲き乱れていた昨年と比べるとあまりに寂しいこと。セリ科なので熊やニホンカモシカによって花のいくつかが食べられていました。去年はあれだけ咲き乱れていてもほとんど食べられていなかったことを思うと、やはり餌が圧倒的に少ないのでしょう。栗のみを食べた熊の糞は灰色、栃の実を食べた糞は黄色ですが、その栃の実もほとんど落ちていませんでした。ドングリもほとんど見られません。これでは里に下りてくるはずです。
帰りの林道の崖面にリュウノウギクが秋の陽射しをいっぱいに受けて咲いていました。去年の同じ頃の山の色を見るとまったく違います。コバノガマズミがたくさん実をつけているところがありましたが、たった一カ所だけでした。冬は早いということですから、今年の秋は異常に短くなりそうです。森の昆虫や動物にとっては近年前例のないほどの苦難の冬になるかもしれません。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、地衣類、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
★【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】夏の信州のトレッキングに、四阿山カルデラ周回トレッキングをアップしました。米子大瀑布とカルデラのパノラマ写真、蝶や高山植物の写真がご覧いただけます。