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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ハタケシメジを大量にゲット。ホンシメジに最も近いという美味しいキノコ。秋の里山。銀嶺の北アルプス(妻女山里山通信)

2023-10-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 一昨日雨が降ったので出ているかもとハタケシメジのシロへ。はじめは草に覆われて出ていないかなと思ったのですが、よく見るとあちこちに出ていました。ハタケシメジは毎年同じ場所に出るので、シロを知っていれば畑で採る様に収穫できるのです。近年の研究によって、10ミクロンほどのきのこの胞子が、大気中で雨の核(氷晶核)となり、降雨の主要な要因となっている可能性が示されています。 また、樹木はリグニン、セルロースとそれらを結びつけるヘミセルロースからできています。セルロースを分解するのは菌類や昆虫などですが、極めて硬いリグニンを分解できるのはある種の腐朽菌や細菌だけです。よってキノコがなかった古代ではリグニンが分解されず堆積しました。それが石炭です。ついでに石油は生物由来であと40年で無くなるを繰り返してきましたが、近年は地球深部(上部マントルや地殻深所)で無機的な反応により炭化水素を形成し続けていて、ガスや石油はほとんど無限になるという無機起源説が主流になりつつあります。

 苔むした岩の陰にハタケシメジ。周囲を見るとあちこちに出ていました。ハタケシメジは、非常に美味で栄養も豊富、βカロテンも豊富です。ハタケシメジは腐生菌ですが、菌根菌のホンシメジに最も近いキノコです。その気になれば栽培も可能です。

 コムラサキ(小紫)の実。ムラサキシキブ(紫式部)の実より小さいのですが、たくさんなります。有毒ではないのですが美味しくなく、鳥や昆虫もあまり食べません。

 日溜まりでヤマトシジミが何頭か舞っていました。秋に出現したものはやや小型です。

 ハナニガナは終わっているのでヤクシソウでしょう。キク科オニタビラコ属の二年草で、葉などを傷付けると乳液が出るためウサギノチチ(兎の乳)などの別名があります。

 堂平大塚古墳へ。昔ここに怪我をした子鹿が隠れていたことがあったと聞いたことがあります。横穴式の古墳時代後期のリユースできる古墳です。

 古墳の斜面に柿。これを求めて月の輪熊がやって来ます。この辺りで熊には何度も遭遇しています。いつどういう目的でどのルートを来るのかも分かっています。突然の出会いが最も危険なので大きな音や熊の嫌がる煙などで知らせます。3月上旬、5月上旬から6月は淡竹の筍目当て、クリスマスの頃。ここから8キロ山奥の鏡台山から食料を求めて出てきます。月の輪熊の行動半径は15キロほど。山の凶作だけでなく、人を恐れない熊が増殖しているのが問題なのです。当地では獣害駆除でイノシシ狩りが行われているので、熊はまだ人を見ると逃げます。人と熊は共存はできません。棲み分けが大事なのです。私は鏡台山、聖山、根子岳で藪を近づいてくる熊に気づいて追い払ったことがあります。普通の人は気づかないでしょうし追い払う術も知らないと思います。難しい問題です。

 セイタカアワダチソウ。環境省が要注意外来生物リストに載せている植物で、都会の空き地から里山や耕作放棄地で見られますアレロパシーを持ち、根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出しますが、最後は自分の出したそれで消えていきます。デトックス効果が高いので、薬草としても用いられます。花は天ぷらで食用に、オリーブ油に漬けるとデトックスオイルに。ただ成分が非常に強力なのでしっかり勉強してから利用を。

 陣場平へ。入り口に妻女山里山デザイン・プロジェクトで作ったインセクト・ホテル。冬になるとテントウムシなど色々な昆虫が棲家とします。カリバチやベニヒラタムシを確認しています。

 陣場平。中央にクマノミズキ。ヤマグワ、キリ、クサギ、ヤマザクラ、カスミザクラ、オオヤマザクラ、サンショウ、カラマツ、アカマツ、イボタノキ、ノイバラ、オニグルミ、シナノガキ、ゴヨウアケビなどが自生します。妻女山SDPが貝母(編笠百合)の保全活動をしている場所です。そして、川中島の戦いで上杉謙信が陣城を築いた場所です。貝母の群生地は日本でここだけです。当ブログやマスコミで知られて、毎年訪れる人が増えています。県外からも。見頃は4月10日から20日頃です。開花状況はこのブログでお知らせしています。

 ノコンギク(野紺菊)の群生。秋の里山でもっともありふれた野菊ですが、もっとも好きな花です。

 菱形基線測点の手前にはエノコログサ(猫じゃらし)の群生があったのですが、全部こいで貝母の球根を植えました。ところがチカラシバが生えてしまいました。これは厄介です。貝母が芽吹く頃には枯れるので様子を見ますが、また全部掘り起こさなければならないかも知れません。

 キシメジ科のキノコ。いくつか候補はあるのですが、確実な同定はできません。

 倒木に多孔菌科のキノコ。サカズキカワラタケかと思ったのですが、傘の根本にサカズキのお椀がない。なんでしょうね。まあ日本のキノコは10000以上あるといわれていて、同定できているのは4割もないのですから。

 サンショウの森で山椒の実を見つけました。色づいています。父はこれで七味唐辛子を作っていました。

 妻女山松代招魂社のソメイヨシノやヌルデの紅葉。低山なのでまだ色付き始め。

 長らく工事中だった妻女山展望台が完成しました。北アルプス、戸隠連峰、信越トレイル、志賀高原、菅平の四阿山などの大展望が見られます。

 そこから北アルプスの白馬三山。一昨日の雨は北アでは雪となり一気に銀嶺に変わりました。右に虫倉山、手前に丸い茶臼山。今年はスーパー・エルニーニョが発生で暖冬とか。2015〜2016の冬の様になるとか。当時は雪が降らずスキー場が開業できない事態に。当地では1月に1センチ、月末に10センチのしかも上雪という有様。2月上旬には梅が咲き、貝母も芽吹きました。この冬もそうなるかも知れません。

 北には左に戸隠連峰と戸隠富士と呼ばれる高妻山、右に飯縄権現の飯縄山。遠目でも紅葉が見頃だと分かる色合いです。千曲川河川敷では長芋のつる落としが始まり、枯れると焼却します。それが終わると長芋堀りが始まります。

 クマノミズキの紺色の実は鳥や昆虫の大好物。赤い小枝は森の珊瑚の様です。

 ハタケシメジ。写真ではよく分かりませんがかなり厚みがあり、100本以上はあります。洗って掃除には小一時間かかりました。

 友人が作った幻の小麦、伊賀筑後オレゴンをメインにホームランをブレンドして手打ちうどんを作ります。小野式の製麺機で。信州の家庭には昔は普通にありました。

 昨年採って冷凍しておいたジコ坊(ハナイグチ)と採ってきたハタケシメジ、豚バラでキノコうどん。天然キノコは味が強いので出汁は強めに。塩皮鯨、鰹、炒り粉、アゴ、貝柱、昆布で。本味醂と醤油で味付け。馬鹿旨です。

 カニカマとハタケシメジ、野良坊菜と幻の小麦伊賀筑後オレゴンの手打ちうどんで小田巻蒸し(苧環蒸し)。うどんの入った茶碗蒸し。大阪船場の商家のハレの日の御馳走料理だったもの。つゆは白出汁で。具は蟹、海老、帆立、蒲鉾など自由に。舞茸は卵が固まらないので茹でてから。寒い夜にはぴったりの料理です。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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