名峰登山と草花

春から秋にかけて、登山と草花探索等を掲載。植物観察、世界歴史遺産巡り、庭園観賞、素人農業にもチャレンジ中。

印象に残る北海道の山  - 4.幌尻岳 -

2021-02-06 11:13:40 | 登山_北海道の山

幌尻岳へ登る    -記録:2010.7.22-

 随分、年月が経ってしまったが、印象に残る山だった。登山は2010年7月21日、22日で
あったが、印象に残るのは余り経験したことがない渡渉が多くあったこと、また花畑が素晴
らしかったからである。稜線に近い登山道脇にはいろいろな高山植物が咲き、花の宝庫の
ような感じだった。ここでは、北海道に来て始めて、リンネソウを見ることができた。リンネソウ
はこの後登った羊蹄山でも見ることができた。
 豊糠小学校跡の校舎が「とよぬか山荘」となり、登山者を泊めるようになっていたが、レンタ
カーで出かけてきた私達は学校跡の校庭に駐車して車中泊して翌朝に幌尻山荘に向けて
出発した。林道仮ゲートに車を駐め(一般車はここでストップ)、林道を額平川に沿って2時間
ほど歩くと取水口に到着した。ここで昼食を取り、英気を養った。ついで、地下足袋に
わらじを履いて、渡渉スタイルとなり登山靴をリュックに結んだ。
 (「とよぬか山荘」宿泊者はシャトルバスで林道ゲートまで運んでくれるので、約1時間分を
節約できることを後で知って悔しい思いをした)

 取水口から30分ほど進むと渡渉が始まった。数えてみると本流(額平川)渡渉を19回、
支流を数回渡渉した。水深は膝くらいだったが、石から滑ったら腰まで水に浸かった。この
水が冷たくて(10度位か?)、タマタマが震え上がった。一番水量の多いところには長さ
3m位の丸太(竿)が置いてあり、これで水流に対抗し、下流側にこの竿をついて膝上まで
水に浸かって、石の上を渡るのだが、滑って地面に落ちると腰まで浸かることになる。雨が
降って水量が増えると、即、通行禁止となるようだった。

 途中の休憩が長くなり、幌尻山荘到着は計画より少し遅れて、16時頃にやっと山荘に着く
ことができた。この山荘は無人の小屋ということになっているが、ハイシーズンのこの時期
には管理人が常駐していた。宿泊登録をして、急いで自炊の食事を準備して、登山初日の
予定を完了することができた。時計を見るとこの山荘の標高は960mを指していた。

 翌22日は日帰りで車まで戻る必要があるため、早朝に起き、4:45に山荘を出発したが、
天気は曇り空で、帰りには雨が心配された。標高1550m辺りに「命の水」の標識があり、
稜線にでた。1750m辺りからは道路脇には高山植物が沢山現れた。ガスっていて遠くまで
見通せないのが残念だ。1900m位のカールの斜面は一面の花畑だが、見渡せないのが
残念である。それでも近場の花を沢山撮ることができた。9:40には山頂に到達できたが、
付近は強風のため、立っているのも難しく、写真だけ撮って、岩陰に退散した。山頂からの
写真はガスばかりで、何も撮れないのが残念であった。

 

 山頂近くの岩陰で、急いで昼食を取り10時過ぎに下山を開始した。小雨混じりのため、
川の水位が上がるのではないかと心配しながら、下山を急いだ。1900~2000mの花畑
では登りで撮り漏らした草花の写真を再度沢山撮った。その後、順調に下山し13:20には
幌尻山荘に下山した。
 14時に山荘を出て帰りを急いだが、取水口へは16時30分、林道ゲートへ18時、車を
駐めた仮ゲートには18:50にやっと到着した。19:00にはここを出発し、今晩の宿泊地に
向けて出発した。長い一日であった。 

 (曇天&霧&小雨のため、登山中の写真は殆ど撮れなかった。悪しからず)
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<参考1> 額平川では我々の登山の1年後に、名古屋の女性グループが水に流され遭難
する事故や早稲田の学生が増水した水に流され遭難するなど事故が続いた。また、ガイド
付き登山グループが川の増水で渡渉ができず、ヘリコプターに救助を依頼するなどの事故も
発生した。

 <参考2> 草花を撮る・北から南へ4   -幌尻岳-

 ブログアドレス:    (クリックすると、草花編へ飛びます) https://blog.goo.ne.jp/ms_blog_trecking120/e/dc2e36a40e024a08709550a1b01df9eb

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印象に残る北海道の山   - 3.トムラウシ山 -

2021-01-24 20:38:36 | 登山_北海道の山

 この登山ではトムラウシ山(2141m)への登山が第一目的であり、難関だと意識
していた。平成18年7月17日に国民宿舎・東大雪荘に前泊し、翌18日には、3時
40分に起床し、満を持して4時半には出発した。が、3時半に出発したグループが
あり、遅れを取ったと若干、不安がよぎった。天気は曇りがちで時々薄日はさしたが、
不安定な天気がやや心配であった。10時頃までは快調に進み雪渓を登りきるあたり
から雨が降り出した。10時半頃には豪雨のような降り方となり、先のトムラウシ山の
集団遭難が頭をよぎったが、一時間ほどで小雨になったので、頂上を目指した。
 天気が芳しくないため、山の風景写真や花畑の綺麗な写真が撮れず残念では
あったが、雲が開けた時には急いで何枚か写真を撮った。トムラウシ公園の花畑の
中ではキタキツネが狩りをしていた。12時頃には山頂直下のトムラウシ分岐に着き
12時30分に山頂に到達した。

 約30分間休憩し、昼食をとった。13時には下山を開始したが、土砂降りのアクシ
デントで登りに8時間を要したので、下りにも相当時間を要するとみて先を急いだ。
雪渓の急坂を下り、コマドリ沢分岐で16時となった。ここから一度登り返し、その後は
なだらかな下りとなったので、今でいうトレランのように走って下った。19時にやっと
無事に東大雪荘に帰着できた。なかなかタフな山行であった。
 夕食にタラコが取り放題で食卓に並んだので、山盛りで美味しく食べた。

 さて、旭岳(大雪山・主峰)と十勝岳登山はここでは、触りだけを記す。少し詳しく
見たい方は「草花を撮る 北から南へ 3 -大雪山系-」をご覧下さい。リンク先は
以下の通りです。

https://blog.goo.ne.jp/ms_blog_trecking120/e/2862dc0d258b9a124cd5c3de94f24b93

 

 大雪山への登山は、北海道の百名山・登山の3回目で、北海道へは3回目の入島
となった。7月15日、中部空港を飛び立ち旭川空港に降り立ち、ここでレンタカーを
借りて、途中、富良野に立ち寄った。その足で大雪山の主峰(旭岳)の麓に到着した。
翌日(7月16日)に大雪山(旭岳)へ、そして翌17日には十勝岳に登山した。同日、
下山後、車で南下して、トムラウシ岳の登山口となっている国民宿舎・東大雪荘を
目指した。途中、上富良野でメロンを購入した。また、JR根室本線で有名な狩勝峠に
立ち寄り、新得町をへて、トムラウシ温泉(国民宿舎・東大雪荘)へ夕刻に到着した。

以上です。


印象に残る北海道の山   - 2.羅臼岳 -

2021-01-08 12:43:45 | 登山_北海道の山

 先に、「知床の山々」と題して投稿しているので、ここでは、羅臼岳のみを、登山の写真を
追加して投稿する。
 羅臼岳は平成17年6月18日に登山した。この日は、羅臼岳は開山日だったと思う。
天気は良く登山日和に巡り会えた。朝4時に、宿舎を出て、敷地隣の木下小屋登山口から
登山を開始した。登り始めると、所々にヒグマに注意との標識がある。やや不安を感じる。
 周囲の景色を見ながら、順調に登り、6時頃に極楽平に到着した。この辺りから残雪が多く
なった。昨年には木の枝に着いていた道しるべの赤いテープあったはずだが、木が倒れて
赤いテープは雪に埋まっているようだ。今日が開山日だが、まだ道の整備ができていない。

 踏み跡をたどって、雪渓を直登したがこれがいけなかった。登る内に踏み跡が分からなく
なり、雪の林の中を不安を抱きながら、勘を頼りに相棒と相談しながら進んだ。(下山だった
ら絶対に戻るのだが、登りで山頂も所々で見えていたので・・・)20分ほど進むと、銀冷水の
標識が出てきた。これで、ホッと一息、登山道に巡り会えた。(といっても、周囲は雪の中で、
足跡もよくわからない。)前方を見ながら、ここは登山道だと思える方向に進み、ほぼ確信を
もって歩くことができた。
 雪渓を登っていくと8時頃には、羅臼岳と思われる山頂が顔を出してきて安心をえた。8時
50分頃、羅臼平に到着したところで、一服した。ヒグマが多いらしく、テントを張る場合の荷物
の保管庫(ヒグマ対策)が用意されていた。ここから山頂まではもう少しだ。

 羅臼平では30分程休憩し、休憩後、羅臼岳に向かったが、後側(知床半島の先)を眺める
と、雪をいただく山々が連なっている。(数年後に、登ることになる)硫黄山などの知床の山々
である。途中の峠から南側(羅臼町方面)を見下ろすと国後島がハッキリ見える。これは確かに
日本の領土だと実感することができる。羅臼岳は目の前である。少し登って、山頂に到達した。

 山頂は360°の素晴らしい展望だ。快晴なのでどこまでも見ることができる。明日登る斜里岳
もすぐ近くに見える。どの山も残雪が残り、山は白と紺色のコントラストをなしていてなかなかに
美しく、見栄えがする。ここにいると天上にいる神様のような、世界を支配しているような感覚に
なる。しばらくうっとりと景色に見とれたが、我に返り下山の準備をする。10時半から都合、約1
時間、休憩、食事、目の保養をしたことになる。

 下山の雪道は登山者の足跡が残り、道は分かり易い。天気も良いので眺めが良く、体調も
快調で、順調に下山できた。下山の途中、ヒグマに注意の看板がある辺りには、登山道に
シャクトリムシのような青虫が木の枝から沢山ぶら下がっており、往生した。日中、暖かくなって
虫も活動し始めたのだろう。スティックでぶら下がった虫を払ながら、順調に下山できた。
15時には下山し、すぐ脇にある露天風呂に入り、汗を流した。16時頃におりてきた5人組
の一行は道に迷って、山頂まで行けなかったと嘆いていた。我々は運良く、登山道に出る
ことができて良かったと喜べた。

参考: タイトル: 知床の山々 (羅臼岳、斜里岳、硫黄山、等)
     アドレス: https://blog.goo.ne.jp/ms_blog_trecking120/e/b806f06c5d863fb658ebb34bb4daba16

以上で、終わります。

 


印象に残る北海道の山   - 1.利尻島、礼文島 -

2021-01-05 18:37:29 | 登山_北海道の山

 利尻岳登山は、北海道の百名山登山の最初の山として、平成16年6月20日に登山した。
 前日、利尻島入りしたが、当時は飛行機も便利な便があり、名古屋空港から千歳空港乗換
で、利尻島入りした。
 北麓野営場に前泊し、翌朝3:30に登山を開始した。何故、早朝に出発したか?というと、
午後1時の船便(鴛泊港発)で礼文島に渡るためでしたが、結果からいうと、下山して港に
着いたのは1時半頃で、出港直後でした。急いで、島の反対側にある沓形港にバスで向かい
3時半頃に出航するフェリーに乗船することができました。
 さて、早朝に登山開始したため、道路脇に咲く花も上手く写真に撮れず、素通りしましたが、
4時過ぎには周囲も明るくなり、4合目からは合目の標識を確認しながら登山を急いだ。8合目
(長官山展望所)に7時頃に到達すると一挙に視界も広がり、利尻富士の勇姿や周囲の素晴
らしい風景を写真に納めることができた。利尻富士の山頂は強風のため、微かに雲がかかり、
強風の様子を見ることとなった。9合目付近は道がガレており、注意して歩いた。思いの外時間
を要し、9時前に山頂に達したが、山頂は強風の中にあり、利尻岳・山頂社の写真などを撮って、
早々に下山を開始した。
 12時頃には下山を計画していたが、1時間ほど遅れてしまい、結末は先に書いたとおりと
なったが、別の船に乗れて良かった。フェリーの船上ではカモメがデッキや上空に群がり、人が
投げる煎餅やパン屑を上手についばんで、乗船者達の喝采を浴びていた。

 礼文島に到着すると、港近くの宿(ペンション)を探して、宿泊登録をして荷物を置き、宿の
周辺を散策した。
 翌21日は早朝に身体と小さなリュックだけの軽装で、7時台の一番のバスに乗り、最北端の
スコトン岬を目指した。7時30分にはスコトン岬に降り立ち、記念写真を撮って、今日の長丁場、
散策8時間コースを北から南へと西海岸沿いを歩いた。大部分は丘陵を歩くコースであったが、
海岸沿いの絶壁付近を崖下を見ながら歩く場所も幾つかあった。こうした海岸に滑り落ちるような
斜面は自然の花園になっていて、レブンソウやエゾカンゾウ(別名:ニッコウキスゲ)が咲き乱れ
ていた。また、通過した漁村ではウニの剥き身を食べさせてくれたが、海水で食べる生のウニは
格別に美味しかった。
 途中の丘陵からは礼文岳を眺めながら、散策することができた。朝、7時30分から15:30頃
まで正に8時間の長丁場であったが、花の写真を撮影するために1~2時間を費やしていると
思うので、実時間はもう少し短かったと思う。礼文島は草花(高山植物)観察が主目的であった
が、それは素晴らしかった。が、ここでは、撮った花の一覧を掲載するにとどめる。
 礼文島からは稚内に向けてフェリーに乗船したが、波止場では地元の青年達が激励のエール
を送ってくれて、感激した。

 高山植物に興味のある方は、別に投稿した記事、「草花をとる・北から南へ 利尻島、礼文島」
 の記事もご覧下さい。アドレスは以下の通りです。一部、重複する内容もありますが、ご容赦
 下さい。

①カテゴリー:百名山の花_北海道 タイトル:草花を撮る・北から南へ 1 利尻島
  アドレス: https://blog.goo.ne.jp/ms_blog_trecking120/e/679d3ffeeaf2ef2ae6a25fbe94f6dd31

②カテゴリー:百名山の花_北海道 タイトル:草花を撮る・北から南へ 2 礼文島
  アドレス:https://blog.goo.ne.jp/ms_blog_trecking120/e/09e3afb017756c946af44c5a985801ab

  以上です。

 


知床の山々

2015-03-13 21:08:35 | 登山_北海道の山

 知床の山には、百名山登山を目指して平成17年6月に羅臼岳(1661m)、斜里岳(1547m)に登り、
次いで、平成24年7月にシレトコスミレの花を求めて硫黄岳(1563m)に登山した。
 羅臼岳には岩尾別温泉の登山口から山開き初日(6月18日)に登山したため、登山道は雪が
深く、途中道を見失って戸惑った。ただ、好天に恵まれ素晴らしい知床の山々を見ることができ、
また羅臼の海の向こうに国後島を明瞭に眺めることができた。
 斜里岳には翌日(6/19)登った。川に積もった雪(雪渓)の上を登り、頂上に到達した。天気は
よく360度の展望を満喫できた。下山時にブヨの大群に襲われ(頭に突撃して頭髪の間に潜り込
んでくる)、手首(手袋とニットシャツの隙間)に3箇所刺されてしまった。治るのに1.5年を要した。
 硫黄岳にはシレトコスミレが咲く7月上旬に登山した。カムイワッカの湯・登山口の駐車場に車を
とめ、温泉の湯けむりを眺めながら、途中からは雪渓の中を登山した。が、その年はスミレの開花
が10日位早く、実をつけたスミレばかりで、花は一輪のみしか発見できなかった。
 この登山では登山口に向かう車で、道路を横断するヒグマの親子に遭遇した。下山時には
ヒグマの糞を幾つか跨いで下山したが、登山口近くで2m位の大きなヒグマにジロリと睨まれ、
ゾッとした。笹のヤブの中で草を食べており、6m位のところをそっと通過したが、襲われることも
なく無事下山できた。(残念ながらパニックでヒグマの写真を撮ることはできなかった)











 斜里岳標高は山のガイドブック等では1547mと記載されているが、何故か頂上には1545mと表示されていた。





硫黄山のヒグマ対策
 知床自然センターにて、ヒグマへの対応についてレクチャーを受けた。要はヒグマと人間の共生
が肝要なようだ。ヒグマも人間を襲おうと思っているわけではないので、驚かさなければ襲われない
と判断した。但し、最悪のケースを想定し、襲われそうになったら熊撃退スプレーを使うよう指導を
受け、1本レンタル(1,000円)して携帯し登山した。「3~5mに接近してきたら消火器のように噴射
してから逃げなさい。」との指導を受けた。噴射物は唐辛子の粉末のようで、熊は目と鼻が効かなく
なるので、その間に逃げよとのことでした。20から30分は大丈夫のようです。お陰様にて使う必要も
なく、返却することが出来ました。

写真: 羅臼岳へ




写真: 斜里岳へ



写真: 硫黄山へ