普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

生活保護費より安い最低賃金

2007-03-05 22:22:23 | 政策

3月5日読売新聞で[最賃法改正案]「生活保護費より低額でいいのか」と言う社説が出た。
(2007年3月5日1時24分  読売新聞)
その概要は、
1.政府は最低賃金法の改正案を今国会に提出する。

2. 政府案の最大の改正点は、地域別最低賃金を決める際の判断要素として、新たに生活保護費を加えることだ。

3.地域別最賃は、は高卒初任給やパート賃金の7割強の水準だ。1日8時間労働・週休2日で、税や社会保険料を引いた月の手取り額は10万3760円となる。

4.しかし、住宅扶助の特別基準額を含めた生活保護費と比較すると、どの都道府県でも最賃の方が低い。これでは勤労意欲を失わせ、社会全体のモラルを低下させる恐れもある。

5.地域別最賃は公労使の三者で構成する都道府県の審議会が決める。厚労省案は生活保護費も考慮するように求めるだけで、最賃の方を高くするよう義務づけるものではない。だが、生活保護費を上回るようにする圧力にはなるだろう。
と読売社説は[最賃法改正案]に賛成している。

<<働いて生活保護費より多く貰える社会>>
私もこの動きは賛成だ。

何よりも、雇用者が、従業員に生活保護費にも劣る時給約700円そこそこしか払わなくて、恥ずかしいとも、済まないとも思わないのだろうか。

従業員がそんな給料を貰って、会社や店の為に誠心誠意で働くくと思っているのだろうか。

然しこの法案にたいして、零細企業からの反発も当然あり、選挙が最大関心事である、国会議員から、抵抗も出てくるだろう。

私は、基本的に、日本国内に活動の範囲が限定されている、大小のサービス業や流通業には、民主党案の1,000円が妥当かどうかを別にして、思い切った最低賃金のアップをしてはどうかとかねがね思っている。

何故なら、これらの業種の活動は、日本国内に限られるからだ。
かりに外国の企業が入ってきても、国内の法律を適用して、同じ最低賃金を強制すれば済むことだ。

これは国際競争にさらされている、製造業を中心とする企業と明らかに違っている。
そして、雇用者は、その分は小売値やサービス料を上げれば良い。
全国一斉にすべての雇用者が上げれば済むことだ。

消費者に対しては、今までの非人道的な給与ベースの是正することを訴えれれば、彼らとしては、了承するしかないだろう。

<<私の提案の問題点>>
この事は、国民が賃金の上昇→物価上昇→国民の負担増加をサービス業等で働く人達の為に耐えることになる。

然も、サービス業その他の国内に限られる、仕事と言っても、その人達の賃金の増加は、国際競争に晒されている日本企業やその下請けで働く契約労働者の給料に何らかの影響を与えることになる。

その一方では、企業では今問題となっている、正規社員と契約労働者の給料の格差の解消への圧力がますます強くなるだろう。

その中で、現在の競争力を維持する為には、ワーク・シェアリングの道にいずれ入るしかないと思う。

つまり、契約社員の給料を上げるために、正規社員の給料を下げることを意味する。

廻りくどく書いたが、結論を言えば、
膨大かつ、安い労働力を持つ中国やインドの新興勢力の拡大に立ち向かい
且つ市場経済の恩恵を享受し、
契約労働者の生活向上
のために、日本全体の給与レベルをいずれ下げねばならぬ時期が何時かはくるのは間違いないような気がする。

一口に言えば、日本人が貧乏になる ことだ。

問題はそれだけではない。
狭い国土で今までのような経済発展政策が何時までも通用するか。
歯止めのかからない少子化、
農村と都市の経済格差の増大、
地球環境の悪化、
エネルギーの枯渇、
その唯一の逃げ道の原子力エネルギーの廃棄物処理、
どれもこれも一筋縄でいかないものばかりだ、

<<安倍さんへお願い>>
今こそ、小泉さんのアメリカの一辺倒の経済政策から脱却し、日本を取り巻く環境や、日本固有のカルチャーに適した経済政策へ道を模索する時期に来ているような気がします。
日本の経済活動の長期戦略を今こそ立てて「美しい国」の実現に向けて邁進して下さい。
そして、提言にあるように
「政府が傷だらけになる覚悟と勇気」でお願い致します。

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