<<文化人類学者がみた日本のあり方>>
3月16日のNHKの「視点論点」で東大の教授の話をたまたま聞いていると、自作の本を示しながら日本の今後のあり方を話していた。
どう見ても右翼でも左翼でもなさそうない学者が、日本が一人立ちするためには、憲法9条を改正して、日本の防衛について見直すべき だと言ったのが妙に印象に残っていたので、Googleで検索して次の事が判った。
講演者の名前は船曳建夫、東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は文化人類学。
そして、毎日新聞に彼が掲げていた本の新刊紹介もあることが判った。
文が短いのでそのまま転記する。
(毎日新聞 3月11日)
今週の本棚・新刊:『右であれ左であれ、わが祖国日本』=船曳建夫・著
(PHP新書・756円)
改憲か護憲か、親米か反米か、愛国心は是か非かなど、左右イデオロギーの対立軸で国家を論じるのは思考停止であるとして、イデオロギーに捕らわれない独創的な国家論を説いている。地政学的発想を基に、五百年の歴史を踏まえて、日本の将来像を冷静に客観的に描き出している。
日本は歴史的に国として三つのモデルがあるとして「国際日本」は信長、「大日本」は秀吉、「小日本」は家康で、分かりやすい。戦後は経済力で図らずも「大日本」になった。地政学としては中国、ロシア、西洋(講演では米国と言っていた)の三つの主勢力との関係が日本のありようを強く左右するとしている。結論として三つのモデルのバランスを持つ中庸国家を提唱しているが、その思考過程は説得力を持ち、国を案じる人必読の書である。(規)
<<日本と米国の関係の見直し>>
私は前のブログの、 「その場凌ぎの政治から抜け出すために」でシンクタンク設置の必要性と、そのテーマの一つとして、永久に米国に依存して行くのか否か を上げた。
その中で、
1.然し世界の歴史で見るように、ローマ帝国その他の世界を制覇した国々は必ず何時かは滅びるか、衰えるのは、間違いないところです。
2.米国も多くの不安要因を持っているそうです。そして世界からみれば必ずしも好感を得ていないようです。
さらに、今後何年かの歴史の中で、米国は最悪の国として描かれる可能性もあります。
3.そして、若しその様な評判の悪い米国がぽしゃった時、それに頼りきった日本の世界における立場はどうなるか。外交方針は。どうして国を護るのか等々。
と書いた。
<<変わり始めた米国の動き>>
そして、民主党優勢などの国内問題、中国の台頭などの国外の情勢の変化に応じて、米国の動きが少し変わってきているようだ。
1.死に体と言われるブッシュ政権
2.それでもイラク情勢の悪化に備えて増兵
3.北朝鮮への経済制裁解除→日本の孤立化の噂
4.慰安婦問題に見る中国系住民の影響力増大
5.米国と中国の経済的結びつきの増大
6.米国経済を支えてきた、住宅バブルの雲行きの悪化などなど
<<日本の米国への協力>>
米軍への軍事基地の提供、思いやり予算、
イラク、アフガニスタン紛争にたいする米軍への支援、
天木 直人さんのブログの「外貨準備を自由に運用できない日本の財務省」にあるように、800兆の借金を抱えている日本が米国での外貨準備の運営に手を着けぬまま、それをさらに増やすまでしての米国への協力、
小泉さんがやった、米国の規制改革および競争政策イニシアティブに基づく要望書そのままの改革による日本への米国企業参入への協力、
などにも関わらず、米国の日本に対する態度が少しずつ変わって来ているような気がしてならない。
勿論米国が今すぐにぽしゃったり、態度が180度豹変するとも思わないし、米国が自国の利益を最優先するのは当然で米国のことをとやかく言っても仕方がない。
<<日本の進む方向>>
問題は日本がどうするかだ。
小泉さんのように米国一本槍で進むか。
安倍さんのように主張する外交(多分米国に対しても)を進めるか。
それとも、米国、アジア諸国との二元外交など他の道を選ぶが。
同じ敗戦国のドイツのような方向に進むのか。
それともーーー。
そしてそれに必然的に伴ってくる日本の防衛問題は。
最初に書いた、文化人類学者の船曳建夫さんさえ憲法9条を改正し、日本の防衛の見直しを論じる時期に来ていると思う。
今まさ日本は長考一番しなければならない時だ。
いずれにしても私の主張のように、政府はシンクタンクかそれに類するものを作って、長期的、且つ緊急な、そして複雑、困難な、エネルギー問題、地球温暖化、日本の風土に適応した市場経済態勢(今のままではじり貧になるのは眼に見えている)の模索と共に、日本の防衛、日米関係のあり方について、基礎的な研究に是非取り組んで貰いたいものだ。
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