普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

金属製品盗難の激増で思うこと

2007-03-08 23:35:17 | 政策、社会情勢
<<シンガポールで訊いた話>>
私は1985年ころシンガポールに長期出張した時、現地の人に「この国の通りはいつも綺麗ですね」と褒めたことがある。

彼は答えた。
「いやー、日本は警察がいなくても綺麗ですよ。日本はこんなことに予算を使わず済むから日本の方がずっと素晴らしいですよ。」

このブログを見られる人は皆さんご存じのように、同国の通りでものを捨てたり、唾を吐いたりすると罰金を取られるので有名だ。

同国に来て間もなく、アパートの上の方からよく紙がひらひら舞い降りてくるのに気がついた。
ちり紙だ。
どうも使用後外に捨てるのが当たり前になっているらしい。
良くて出来たもので、翌朝には専属の人がアパートの周辺を掃除に来る。

その後の新聞によると、鉄アレイから果ては自転車まで上から落ちて来始めて問題になり始めた。
理由は簡単。
さすがのシンガポールでも、アパートまで警察の眼が届かないからだ。

しかし、またさすがにシンガポールだ。
政府から命令が出て、アパートからの屋外への投棄は勿論、窓辺にものを置くことさえ禁じられた。
お蔭で私たちは、アパートの窓辺に飾られていた、ブーゲンビリアなどの花を見る楽しみがなくなってしまった。
それでも、一党独裁の国だからかもしれないが、民衆から表立った批判は出て来ないままだ。

<<金属製品盗難の激増>>
さて、日本では公園の滑り台、ガードレール、道路に立つ色々なステンレスの金物、釣り鐘、新品のケーブル、定尺ものの鉄板などの盗難が相次ぎ最近新聞や、テレビを賑わしている。

そして、それらを盗んだ泥棒が捕まった話は、めったに聞かない。
多分思いもよらない犯罪の対応に警察がとまどっているのかも知れない。

まして、そのようないかにも怪しいものを買った業者が捕まった話など皆無だ。
報道によれば、回収業者には、売り手の身元を確認する義務は無いのだそうだ。
それで、報道されたような怪しい物が来ても、気がつかなかったで済むそうだ。

こんなことがもしシンガポールで起こったら、電光石火で警察官を動員し、回収業者へ買い取りの際の法律を厳しくするだろう。

<<金属製品盗難の解決策>>
勿論日本でも予算や人手をかけても直ぐに同じような手を売って貰いたい。

しかし、犯罪の偶発性や、盗品の対象物が極端に広範囲に渡っているから、その根絶は難しいかもしれない。

シンガポーリアンの言を借りれば、そんな法律がなくても、回収業者が仮にモラルがあるだけで、この種の犯罪は起こらない筈だとおもう。

なお言えば、モラル意識の高い国民だったら、公共の品物を盗むなど考えられないことだ。
これは理想論でははない。
ひと頃までの日本では、こんなこと考えつきもしなかった程のモラルがあったのだ。

世の中がこうなったのは、
1.良く言われる戦後からの教育の荒廃。
2.権利重視→義務、責任の軽視→自己中心主義。
3.市場経済主義→金儲け中心主義→(企業合併など)金が全ての考え方。

などなど、長い時間がかかってきたこれらの積み重ねや、悪循環が今のような事態になったような気がしてならない。

<<安倍さんへのお願い>>
従って今の状況から抜け出すには、揺るがない信念と、時間が必要だと思います。

そしてその対策は、
1.倫理観を持った新しい日本型企業への変換→新しい日本型社会の成立。
2.教育による国民のモラルの向上。
に尽きると思います。

それが安倍さんの言う「美しい国」と思っています。

厳しい国際競争に晒されている中での改革は、非常に難しいと思うが、安倍さんになんとか頑張って下さい。

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