普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

後期高齢者にも言わせて(2)

2008-05-19 11:04:01 | 少子高齢化

[尊厳死について]
 昨夜NHKで「安らかな最期を迎えるために~尊厳死を考える~」の放送があった。
 尊厳死をめぐってガイドライン作りや法制化が論議を呼んでいる。
 安らかな最期を迎えるために何が必要なのか。
 医療の現場を取材し、医療、法律など様々な角度から考える。

と言う内容だ。

 事故死または突然死で無い限り近い内にその当事者になるのは間違いない私に取っても避けては通れない問題だ。

 私は基本的には尊厳死には賛成だ。
 家の人達には脳死状態になって意識が判らなくなり、医師がこれ以上の治療は出来ないと言われたら、生命維持装置を外して貰うように言っている。
 
その理由は
人工で生かされている残酷さ
・義兄が脳死状態で人工呼吸で生かされていたのを見たが、残酷と言う以外の印象はなかった。
 そして彼の死の直後の家族のほっとした表情が忘れられない。
 (但し今は元気だからそう思うのかも知れないので、不治の病に倒れたときはどう変わるか自信はありませんが。)

人が生きている意味
・80歳を越すまで現役やボランティアで少しは社会のお役にたってきた(と思っている)し、今もほんの気持ちだけだが趣味のグループの裏方の役割を果たしている。
 ブログでは私の一方的な押しつけながら、そして不十分ながらも戦前、戦中派の意見を毎日、数百人の方達にも聞いて貰ってきた。
 これで充分とは思わないが自分の力の限度を考えれば、これ位でも満足しなければならないのかも知れない。
・不治の病に倒れた後は人の迷惑を掛けるだけだ。
・唯一、私が生きている意味があるのは、もし死ねば家内の受け取る年金が減ることだが、脳死状態で家計を支えられるのは数カ日か数週間の間だけだから諦めて貰うしかない。
・そして私が最後に国のために出来る事は、無用な処置をして貰うことで、ただでさえ苦しい国の医療関係の支出を減らすことだ。

 但しこれは全く私個人の考えで、その様な状態になっている本人や家族への批判では全くないのでご了承下さい。

[後期高齢者は被害者か]
 今、後期高齢者医療制度が大きな問題になっている。
 この廃止を唱える人達は、該当者たちは戦後の苦しい時期を乗り越えて、今日の繁栄をもたらした功績者だ、そんな彼らを苛める制度など即刻廃止すべきだという。
 またこれに関連して、老人グループのデモのシーンがテレビに良く出ている。

幸運だった老人
 私自身を考えて見るとどちらかと言えば、戦後から今までは大まかに言って幸運だったと思う。
 戦後は、貧乏だったが、夢があった。
 戦後暫くは社会もまだ平和だった。
 皆は国の再建に向けてそれぞれの立場で働いた。
 それを苦痛とみると今の老人は被害者とみることになるかも知れないが、楽しみと見ると、今のようなリストラ、不正規労働者、引きこもり、ニートなどはなかったことから考えると昔の多くの人達は皆幸福だったと言う事になる。
 当事者の私からみると後者の立場だ。。
 私自身の例で言えば、私のような無能なものでも、大企業で今の時世には考えられないような大きな仕事もさせて貰えた。
 退職後も80を越すまでボランティアとして働かせて貰った。

 誰かのためなお役に立つ事が出来るのは幸福だと思いませんか。

 勿論、後期高齢者医療制度の該当者の中には戦災で家族や家を失ったり、戦死者の出た家族も多くいるだろう。
 また零細企業や自営業、農業や漁業従事者で充分な社会保証制度の恩恵を受けて来なかった人達も多いだろう。

 然し全般的に言えば、後期高齢者の中では差し引きしてみて、戦後の生活は幸福だったと考える人達、まあまあと考える人達が多数を占めていると思う。

後期高齢者医療制度の本当の問題点
 年金の行方不明事件に絡んで、少ない国民年金や厚生年金から後期高齢者向け医療保険の天引きが問題になっている。

 また今までの扶養者が保険料支払いの対象者となっているのも問題になっているが、私の場合は試算をすると今度新しく発足した家内の保険料を併せても今までとほぼ同じか僅か下回っているようだ。

 本当の問題は厚生年金の対象者以外の人達の老後の生活保証は自己責任としそれを補完する形の国民年金制度の基本的なあり方の問題だ。
   つまりほんの気持ちばかりの国民年金の給付金で人々が暮らせるかと言う問題だ。

政争の具に使われている老人たち
 どうかマスコミや野党の人達は後期高齢者を被害者扱いにして世間の人達を煽ることで、問題をそらさないでもらいたい。
 被害者もいるかも知れないが、私のように少なくともそうではない人もいるのだ。

本当の問題点
 それより後期高齢者の今一番の関心事は、重病に倒れ一応の処置が終わった後の病院のたらい回し、それを安い経費で受け入れる介護付きの老人ホームが圧党的に少ない事だ。

 勿論、不備の多い後期高齢者医療制度、問題のある厚生年金、気持ちばかりの給付しかない国民年金など、そしてその根底にある少子高齢化問題、政府支出の25%を占める国債費に取られる苦しい国の財政など総合的に考えてもらいたいものだ。

 老人を被害者扱いにして政争の具にするような小さい問題でなくて、難しくて複雑な問題、しかも国の行き方を左右する大きな問題だと思いませんか。

参照: 後期高齢者医療制度について 
    
後期高齢者医療制度の本当の問題点 

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