普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

日本人の心のよりどころ

2008-05-31 07:29:16 | 教育問題

 読売新聞は30日に日本人の宗教観の世論調査の結果を発表し、概要次のように解説していた。
 読売新聞社が実施した年間連続調査「日本人」で、何かの宗教を信じている人は26%にとどまり、信じていない人が72%に上ることがわかった。
 ただ、宗派などを特定しない幅広い意識としての宗教心について聞いたところ、「日本人は宗教心が薄い」と思う人が45%、薄いとは思わない人が49%と見方が大きく割れた。また、先祖を敬う気持ちを持っている人は94%に達し、「自然の中に人間の力を超えた何かを感じることがある」という人も56%と多数を占めた。
 多くの日本人は、特定の宗派からは距離を置くものの、人知を超えた何ものかに対する敬虔(けいけん)さを大切に考える傾向が強いようだ。
参照:「年間連続調査・日本人 (6)宗教観」

 また同紙の別面で、宗教学者の山折哲雄さんは、最近の日本人のモラルの低下を宗教心が薄いと思わない人が約8割に登っていることは、日本では西洋社会のように神の言葉を行動規範とするのではなく、自らが所属する集団や組織のきまりごとや慣習を破ってはいけないという倫理観に規定されてきたのではないか と指摘していた。

[日本人のモラル低下の原因]
 私は山折さんが指摘された、最近の日本人のモラルの低下を宗教心が薄いと想わない人が約8割に登っていることについて大きな関心を引いた。
 最近の日本人のモラルの低下の問題だ。
 私はこの問題は米国の占領軍の政策に大いに関係があると思っている。

占領軍のやったこと
 占領軍は旧日本軍がそのよりどころにしていた神道を禁止した。
 そして日本人が戦前から持っている価値観を全て否定し、民主主義と日本憲法を持ち込んだ。
 日本人(私も含む)は敗戦のショックと、生来もっている自己反省の気持ちから、首を捻りながらもそれを受け入れた。
参照:「済みません」の国日本

 悪いことに日本人の大半が信仰していた仏教はその教え方が世の中の進歩から完全に遅れをとってしまい、世の中から隔絶した存在になっていた。
 占領軍やマッカーサー将軍が悪意からこの方針を取ったかどうか知らないが、もし善意でやったとしても、大きな見落としがあった。
 彼らの考え方の基本には、キリスト教があり、西洋流の騎士道やフロンティア精神などの基本的な価値観があるというバックグラウンドを見落として、日本の背景など完全に無視した儘、彼ら流の考え方を日本に持ち込んでしまったのだ。

占領軍のミスを放置した日本
 暫くして神道も解禁になったが、肝心の仏教は衰退し、日本の美徳や武士道や教育勅語などの昔の考えたかの良い所まで復活されないままになってしまった。
 そしてこれも占領軍の所為ではなく、占領終了後も日本人の一部の勢力がその復活が全て軍国主義復活に繋がるとして阻止し続けてきたのだ。
 ついでに言えば、彼らの言い分を聴いていると、彼らは憲法、特に9条を宗教のように無条件で信仰しているように見えて仕方がないのだが。
 山折さんの言葉を借りれば、日本では仏教や神道の没落で「仏や神の言葉は行動規範」とはならず、「破ってはいけない自らが所属する集団や組織のきまりごとや慣習」の可なりの範囲が否定されてしまって今日まできたのだ。
 詰まり日本人の心のよりどころが殆どないままに半世紀に渡ってここまできたのだ。
 これでは日本人のモラルが低下するのは当然だ。
 そしてその流れが今日の道徳教育復活反対だ。

[仏教や神道の復活へ]
 私は仏教や神道のアジアから発生した宗教に優れたところも大いにあると思っている。
・多神教であると言う事は、神(真理)は絶対ではなくて他にもあるかも知れない、ただそれは人間には判らないだけだ。
 だから他の宗教を信じる人にも敬意を払うと言う考え方は一神教より遥かに合理的だ。
 この考え方では神の名の元の戦争や自爆テロなど起こらない筈だ。
・人の命を含めて万物に命があるしそれを大切にすべきだと言う考え方。
 これは地球の環境問題を考える上で現代では特に大切な考え方だ。
 この考え方から「もったいない」と言う言葉が生れ、命を頂くと言う食事のときの「頂きます」に繋がっている。
 これなどや「悪いことをして人が知らなくても天の神様が見ている」などの宗教的な考え方など仏教や神道に優れたことも多いし、宗教関係者は是非再建へ向け頑張って貰いたって日本や世界に発信して貰いたいと思う。

[学校での心のよりどころの教育]
 今、学校では道徳教育の導入が問題になっている。
 私は少なくとも前に書いたような今まで日本で忘れられてきた「心のよりどころ」の教育をすべきだと思う。
 世論調査での学校で宗教についての教える内容はとの質問に対して、
・命や自然を大切にする気持ち 71%
・主な宗教の歴史 31%
・他の宗教を信じる人たちへの寛容な気持ち 21%
・教えるべきでないが 7%
との回答があったそうだ。
 私はこれらに加えて、日本で行われている神道、仏教、キリスト教の内容、有名な武士道、米百表など考え方、古来からの日本の一般的の人達の考え方をその美点と欠点を含めて教えるべきだと思う。
 それをどの活かすかは生徒に任せれば良いが、少なくとも日本人としての「心のよりどころ」の参考になることは必ず教えるべきだと思う

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