政府の中学校の新学習指導要領の解説書に竹島に関する記述の決定について、韓国に大着んな波紋を読んでいるが、この問題について大手全国紙は社説で領有権や今後の方向については次のように記している。
(尚、毎日新聞は各紙の中間的な立場で主張しているが、「私の意見]では触れていないのと紙面の関係で*注1の欄に廻している。)
読売
・タイトル: 「竹島」明記は遅いぐらいだ
・領有権:竹島は、遅くとも17世紀半ば以降、日本が領有権を確立し、1905年、閣議決定を経て島根県に編入された。ところが、サンフランシスコ講和条約が発効する直前に、当時の李承晩大統領が突然、日本海に「李承晩ライン」を設け、竹島を韓国領域内に入れて以降、不法占拠を続けている。
・今後の交渉:竹島の領有権をめぐる問題の解決は難しい。だからこそ、国民が正しく理解し、国際社会に日本の立場を明確に主張していけるようにすることが大切だ。
朝日
・タイトル:日韓は負の連鎖を防げ
・領有権:韓国にとって、竹島は単なる小さな島の問題ではない。日本が竹島を編入した1905年は、日本が韓国から外交権を奪い、併合への道筋を開いた年だ。竹島は、日本による植民地支配の象徴とされている。
3年前、島根県が編入100周年で「竹島の日」条例を制定し、韓国側が猛反発したことも記憶に新しい。
・今後の交渉:大多数の日本国民は良好な日韓関係を維持したいと望んでいる。日本政府はあらゆる機会にそのことを韓国に丁寧に説明すべきだ。
韓国側の怒りも分からぬではないが、解説書では竹島の領有権をめぐって日韓の間の主張に相違があることを客観的に明記している。
互いに主張し、違いがあればあることを認め合ったうえで、冷静に打開を図る。それ以外にない。
産経
・領有権:禍根残す外交配慮 竹島記述
・領有権:韓国は竹島に警備部隊を駐留、電話線を引くなどして自国化を図っている。であればなおのこと、日本は固有の領土であることを主張して、争うべきなのである。現に日本は国際司法裁判所に提訴をすることを韓国に提案している。しかし、韓国は「独島が韓国の領土であることは自明」として応じてない。しかし、日本にとっても「自国領であることは自明」であればこそ、国際司法裁判所で争おうとしているが、同裁判所は当事国双方の提訴の同意がなければ、裁判を受け付けないので、裁判所の判断を得られないままだ。提訴の同意をしないというのは、自国の主張に自信がないからだと思わざるを得ない。
・今後の交渉:ある韓国人外交官が私にささやいた言葉を思い出す。「領土問題は一歩でも譲ったら、取り返しのないことになりますよ。日本は経験がないでしょうが」。かつて国を奪われた民族の声は、いまわれわれの胸に響く。
[私の意見]
マスコミの主張に対する私の考え
・読売の「竹島の明記は遅いぐらいだ」の意見に賛成。
もし政府や政治家にバランス感覚があれば、北方領土が日本の固有の領土と教科書の本文や解説に入れるなら、竹島、尖閣諸島の問題も併せて入れていただろう。
そうすれば韓国の新大統領が、その事実がある状態で、ある程度の日本寄りの政策を発表できたのに、順序が反対になったのが今の現状だ。
今回は入っていないが、中国もやや日本寄り政策を取り始めたとき、尖閣諸島問題も同じような火種を抱えている。
日本は他国の融和と、日本の国益を如何にバランスを取って行くか、その態度を時期を逸せずに決定すること、そしてその態度をぶれさせない事が如何に重要かを知るべきだ。
・産経の「国際司法裁判所に提訴」戦術に賛成。(*注2)
私は竹島問題についてでも書いたが、日韓両国が国際司法裁判所に付託し双方の主張を論議しあいいずれが勝ってもそれを認め合うことにするのが、双方の利益や友好のためにも致し方なとことだし、紛争解決に武力を使えない今の日本では最良の解決方法だと思う。もし韓国が付託を拒否する場合はその事実を国際的にキャンペーンをすれば良いと思う。
・産経の「領土問題では一歩も譲らない事」に賛成。
そのためにも、今回の明記の仕方については一歩も譲らない事。
但し一歩も譲らないにしても、双方でそれを棚上げにして相互に利用し合うのも、双方が互いに譲らなくていつまでも紛争の種にするより、現実的な解決策として受け入れ無ければならぬかも知れない。
民法と同じに国際法でも、例え不法でも一定期間の領土使用の事実があれば正当化されるそうだ。
一番問題なのは、その事を知っている日本がこの問題の解決が難しいことから、それを放置する可能性が大きいこと、それを良い事にして韓国が益々規制事実化を進めることだ。
・朝日の相手国の態度ばかり気にする主張は反対
韓国は日本がどんなことがあっても、武力は使えない事を見込んで、既成事実を作るために、韓国は竹島に設備を設け、警備部隊を駐留させている。
朝日は「大多数の日本国民は良好な日韓関係を維持したい事実をあらゆる機会にそのことを韓国に丁寧に説明すべき」と言うが韓国はこの事実を知っているからこそ、竹島に既成事実作り上げるなどの無茶を仕掛けているのだ。
私は武力を背景としない外交には外交戦略と戦術に加えて世論のバックアップが必要と思う。
韓国はこと日本との交渉に関する限り、一枚岩になることは過去の歴史が物語っている。
今の大統領がいかに日韓関係の改善をしようとしても、政権基盤の弱い今の立場では世論の反発は無視できないで、今回のような発言や駐日大使の呼び戻しをせざるを得なかった。
・相手国を利するような朝日の社説に反対
そのような時に、竹島問題ではあたかも日本の方に非があると言わんばかりの社説を出す日本の新聞が売り上げ数第二位を占めている国では、初めから外交で劣勢に立つのは眼に見えている。
何故なら世論の形成にはマスコミの力が大きいからだ。
テレビなどでも政府批判をするのが進歩的と思いこんでいるコメンテーターが何を今ごろ領土問題を政府が持ち出すのかと判った様な顔をして言っている。
日本政府は世論の後押しなしで、どうして難しい外国との交渉に臨むのか。
日本独自の外交を進めるために
日本は終戦後以来独自の外交を進めたことが殆ど無かった。
僅かに小泉さんの訪朝でなんとか独自外交をし始めたとき、米国の圧力でオジャンになった。(*注3)
国連の安保理で常任理事国入りを目指したが、肝心の米国に反対されてこれもオジャン。
不勉強の私は、これらとODAのばら蒔き政策とJICAを中心とする途上国支援以外にこれと言った独自外交をした例を知らない。
後はひたすら、米国の外交政策の追随だけ。
政府も極端に言えば外交放棄、朝日を代表とする一部マスコミもこと外交に関しては日本のことなのに他人事のような報道や主張。
まるで平和ぼけ、属国ぼけのように見える。
然し情勢は大きく変わってきた。
EUや新興国の地位向上にともなう米国の地位の相対的低下。
イラク、アフガニスタン政策、その根幹にあるイスラエル政策の失敗、日本から言えば北朝鮮へ政策の変節、テロの拡散、いんちき臭いサブプライムローンのバブル崩壊、環境問題や投機資金の跋扈に対する腰の引けた態度など米国の信用もがた落ちだ。
これから否応なしに日本は日本独自の外交を進め無ければならぬ機会が増えてくると思う。
マスコミも政府批判ばかりでなく、日本の外交力の強化のために何をなすべきかも、真剣に考えて貰いたいと思う。
私はマスコミの主張に差はあるのは当然だが、武力も使えず、独自外交に不慣れな日本では、マスコミはこと外交に関する限りその、少なくとも相手国を利するような偏った報道や主張だけは避けるべきだと思う。
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*注1:毎日新聞の社説
・タイトル:領土問題は冷静さが必要だ
・領有権:竹島の領有権問題は日韓基本条約締結時にも結論を出せなかった未解決の案件である。しかし、韓国の教科書は「独島は我が国の領土」と記述している。そうしたことを考えれば、「歴史的事実に照らしても、国際法上も明らかに我が国固有の領土」との立場の日本が教科書で竹島を取り上げても不自然ではないだろう。
・今後の交渉:国民感情を刺激しやすい領土問題は、両国政府が外交の場で理性的に、粘り強く話し合っていくべき問題である。感情的な対立を繰り返しているだけでは何の解決にもつながらない
*注2:竹島問題について(竹島問題の解決のために)
領土問題を棚上げにして、双方で利用し合うか、それが出来なければ、
・日韓両国が国際司法裁判所に付託し双方の主張を論議しあいいずれが勝ってもそれを認め合う
・勿論日本はあらゆるデータと戦術を駆使して日本の主張を通すように頑張る。
・特に韓国が拒否する可能性が高いので、その事実を国際的にキャンペーンをする。
*注3:下記参照
拉致問題の今までとこれから
これからが日本の外交の出番?