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普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

政治家と官僚の比較

2008-07-15 11:59:23 | 政策、社会情勢

  政府官僚の数々の不正問題や役得の発覚、公務員制度改革などで官僚のあり方が問題になっている。
 13日のテレビ朝日の「サンデープロジェクト」でも江田けんじ衆院議員、高橋洋一  東洋大学教授、上山信一慶応大学教授、岸 博幸慶応大学院教授の所謂脱藩官僚を集めて、政治家は政治主導といいながら、実際には官僚の手のひらで踊っていること、そして官僚が如何に政治家を操縦しているかについて話させていた。

 私も政治家と官僚で政治家の官僚の関係について書いた事があるが、今日は普通のおっさん眼からみた政治家と官僚の比較をして見た。
 この中で便宜上官僚とは国家公務員試験第一種試験を合格して中央省庁に採用された人、一般職員とは同二種、もしくは三種試験を合格して採用された人を示すとこととする。

[政治家と官僚、一般職員の比較]
・立場

政治家:国民の投票で決められるので、立場は安定していない。
 極端に言えば人気商売だ。
 国民の代表ということにはなっているが、実は地域や支持母体の利益代表であることも多い。
官僚:政治家と違って自分たちは日本全体のことを考えて仕事をしていると言う自負がある。
 一度就職すれば、余程の悪事をしない限り一生その立場は保証されている。
 それで彼らは政治家のように目の前の選挙を気にせずに長期的な視野でものを考えられる。
 昇進に伴う肩たたき制度のため、それ以後の就職保証のために、種々の法人などを作る。
 人件費は固定経費として国会審議の対象外となっている大福帳式の会計システムのために、いくらさぼっても地位は安泰だ。
一般職員:
 いくら頑張っても昇進の限度が知れているので、モラルが低下する可能性がある。

・基礎的な能力
政治家:金、地盤、経験など条件が揃えば、誰でも国会議員になれるので玉石混交になりやすい。
 極端に言えば、口先一本でも旨く行けば当選する。
官僚:試験で選抜されるので少なくとも一定の学力はあるが、最近、学校教育で問題になっている自分で考える力、問題を発掘する力まであるかどうかの保証は何もない。

・専門分野の知識
政治家:僅かの学者出身か、特定分野の出身者を除いて、専門分野の職業の経験者は少ない。
 特に後期のように今の日本に必要な企業の経営者クラスからの転身者が少ない。
 官僚出身の人達は次の官僚の範囲の知識しかない。
官僚:担当範囲では専門家であるが、幹部育成のための2~3年ごとの転勤で広範囲の知識は持つが、細かいことは判らないため、社保庁の年金問題のように一般職員にまかせたりその言いなりになりかねやすい。
 政治の欄で書いたような企業現場の知識は殆どない。
一般職員:専門知識を国政に反映できないのでモラルの低下を招く。

・組織
政治家:自分達の主張や生き残りのための勢力争いなどで、ばらばらに成りやすい。
 党創立以来のデータの蓄積をする程の要員をもっていない。
 そのこと政治に関する限られたデータを個人で収集するか、官僚組織に頼るほかない。
 それで官僚に対して不利なことをすると手ひどい陰湿な反駁を食うことに成りやすいので、官僚に対して威張っている人でも内心は遠慮しやすくなる。
 野党も政府を攻撃するのに政府の役人から資料を貰わねばならない。
官僚:各省別の人事管理だから定年までの地位保証などで強い団結力がある。
 各省が出来てからの長年のデータとノウハウの蓄積がある。
 これからグルーブとしての総合力ははるかに官僚組織の方が大きい、それで今も言われているような官僚主導の政治に成りやすい。
  考え方が自分の所属する省庁の考えに固まりやすい。
 人事権を幹部に握られているので、特に若手の人達の自由な発想が活かされない。

・国民の意識の反映
政治家:選挙という試練があるので、国民の意識は無視出来ない。
 その為に中には地域や支持母体の日本全体を考えない利己的な要求に乗りやすい。
 最近の与野党のばら蒔き政策がそうだ。
官僚:転勤毎に昇任してゆくので、国民から遊離した存在に成りやすい。(*注1)
一般職員:実際に現場を持つ人達は国民の反応は知っても、身分制の障壁のために、それが政治に活かせない可能性が大きい。

・金銭、経営などの経済感覚(*注2)
政治家:企業などで経営に携わった人は殆どいない。
 国の経営に関係する金は全て税金で独りでに入って来る。金は親方日の丸だ。
官僚:企業で経営に携わった人はほぼ絶無
 税金で独りでに入ってくる。金は親方日の丸だ 

・問題意識
政治家:失敗すれば次の選挙の落選が待つので、ある程度の頬かむりはしても、問題意識を持っていなければ政治生命は終わりになる。
・官僚:前記のように、地位保全が約束されていること、現場である国民との接触が薄れるので、問題意識が薄くなる。
 国のために自分達のやりたいことを政治家の党利党略で妨げられてやる気を無くし、モラルの低下をきたす。。 
 先に述べた予算制度のための原価意識の欠如が問題意識の欠如に繋がっている。
一般職員:実際に現場を持つ人達はそれなりの問題意識はあっても、官僚とのコミュニケーションの関係でそれが旨く活かされない可能性がある。

・責任感
政治家:自分で責任を認めることは政治生命の終わりと成りかねないので、頬被りしやすい。
 政治家にとって都合の良い事にムードに弱く、忘れっぽい日本人の国民性がそれを許していることもある。
官僚:野党やマスコミから予算の無駄遣いを追求されても、内心は最終責任は自分達の上に立つ大臣に責任があることになっているので何の責任も感じない。
 責任の追求以前に、使い切りの予算制度のために、その成果の追跡もないか不十分→予算案に対する効果測定なし→従ってそれに対する官僚の評価もなし。

[民主党へ]
 私は今まで私が考えた問題点について素人なりの提案をしてきたが、政治家と官僚の問題は範囲が広過ぎて、書き切れないのでもしご興味のある方は下記の資料を参照して頂くとして、ここでは民主党に付いての提言だけをして置きたい。
 臨時国会を前にして、民主党は種々のばら蒔き政策を発表したがその財政上の裏付けは公表されていない。(どうせ与党から拒否されるので考える必要もないから、国民に気に入る様なことを言いたい放題に言えば良いと思っているのか。)
 問題の後期高齢者医療制度については、この制度廃止を唱えるだけで、その対案は内容だ。
 政府攻撃の急先鋒の長妻さんは「実は党内で既に持っているが、これを今提出すると国会が混乱するばかりなので出さないのだ」と理由にもならぬことを言っていた。
 国民は海上給油の反対で渋々出した実行不可能な対案を知っているので、仮に高齢者医療制度の対案はあるにしても録でもない対案だろうとは容易に想像出来ることだ。
 このような耳障りの良いマニフェストばかり並べて、次の衆院選で天下を取っても、それこそ一日天下で終わり、過去の村山内閣の誕生→社会党/社民党の衰退→絶滅危惧種化の道を歩くことにも成りかねない。
 そうすれば、官僚とべったりの人達も多くいる自民党の長期政権が続くことになる。
 そして冒頭に書いたように、「政治家は政治主導といいながら、実際には官僚の手のひらで踊っている」時代がまた続くことになり、官僚たちの笑いは止まらないことになるだけだ。

 何時も言う事だが、民主党は今の情勢に浮かれずに、天下を取った後のベテラン揃いの自民党の猛攻撃に耐え得るような、実行可能なマニフェストを準備しておくべきだ。

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*注1:国民の意識の反映(官僚)
 特に、補助政策中心の農林省、公共事業での地方支援政策中心の国土交通省、日教組対策に全勢力を費やしてきた文部科学技術省などは、特に国民の意識から遊離しやすく、他の政府官庁部内から軽く見られている存在らしい。

*注2:金銭、経営などの経済感覚

 政治家も官僚もこれらの感覚がないから、企業が新事業を立ち上る前のように、慎重なフィージビリティー・スタディー(収益性を考えた企業化計画)もせず瀬戸内海に橋を3本も作ったり、批判の多い道路建設をごり押ししたり、何とも知れぬ施設を作り失敗してただ同然だ叩き売ったりすることになる。

参照:困った官僚達  
      
国会議員の選び方 
       
国民から離反した政治家
       天下り問題から官僚制度を考える


これからが日本の外交の出番?

2008-07-14 07:10:48 | 国際社会

 12日に「6か国協議」は終わり日本はいよいよ難しい立場に置かれそうの気配だ。
 読売新聞
は(「6か国」閉幕、日本政府に不満と不安)のタイトルで概略次のように報じている。
 6か国協議の首席代表会合の結果は、日本政府にとって不満と不安を残した
 日本は、米国のテロ支援国指定解除が発効する8月11日までに北朝鮮の核申告の内容を検証し、そのずさんさを明らかにするというシナリオを描いていた。
 斎木局長が検証の早期実施を繰り返し訴えてきたのも、申告内容の検証が完了すれば、指定解除の手続きを「白紙」に戻さざるを得ないような欠陥が見つかると考えていたからだ。しかし、現状では「検証未了のまま指定解除となる可能性が高い」と日本政府関係者は見ている。
 日本だけが経済・エネルギー支援に条件をつけている報道発表文に関し、斎木局長は「他の参加国も日朝関係の前進を期待しているということ」と、拉致問題解決への理解があると強調したが、米韓などが日本の負担分を肩代わりすれば、逆に日本の孤立ぶりが印象づけられかねない。
 (テレビでは議長国である中国の日本の経済・エネルギー支援への期待と、韓国の代表のそれに消極的な日本へ批判の様子を放送していた。)
 「テロ支援国指定が解除され、エネルギー支援の見通しも立てば、北朝鮮は拉致問題で動かなくなる」との懸念が強まる中、「成果」を急ぐ米国を抑える道筋は描けていない。

[李英和・関西大学教授の意見]
 これに対して13日の「たかじんのそこまで言って委員会」では北朝鮮問題研究家の李英和・関西大学教授は次のようなことを言っていた。
 6ケ国合意で逆に日本は拉致問題解決のための北朝鮮との話し合いがやりやすくなった。
 その理由は、もともと小泉さんが訪朝のとき、日朝の国交改善の動きを恐れた、米国が核問題を持ち出して日本を米国主導の6ケ国協議に引き込んだ。
 彼の話によると米国は北朝鮮行きの飛行機の中で読むようにとウラン濃縮の動きを書いた文章を小泉さんに渡したそうだ。 (*注)
 詰まり小泉さんの訪朝は日本独自の外交だったが、日本は米国の圧力で変更を余儀なくされたのだ。
 今回の米国の外交方針の変更(日本から言えば変節)でテロ国家指定解除すれば、米国は日本に対する発言権もなくなるので、日本は日本独自の外交を進めることが出来ると言う訳だ。
 一方北朝鮮も非公式の交渉では、日本が上げたリスト外の4人を返すように匂わせているそうだ。
 そして李さんはもし今後の交渉でそれ以上の成果を求めるとすれば、日本は国士とも言われるような人に全権を持たせ交渉に当たらせる必要があると言った。
 国士は官僚でなく政治家で、誰とは明言しなかったが、最近、問題発言をした加藤さん以外の人と言うだけで具体的に人については口を濁していた。

 何故、国士が必要かは、番組では議論されなかったが、私の考えでは、小泉さん訪朝の時から順調に話が進んでいるのなら良いが、これだけ話が揉めた後で、しかも北朝鮮優位の中の交渉で、順調に行かないケースもあり、またいくら話が旨く話が進んでも、国家犯罪である拉致家族を経済支援と言う形の金を払って取り戻すことになり、交渉担当者には大きな批判が起こり、どちらに転んでも担当者は大きな犠牲を払わなければならないからだ。

[私の意見]
 話はこれからどう進むか判らない。
 核問題が揉めてテロ国家指定解除がキャンセルされて、今までの強硬路線で進むのか、それとも解除になれば日本の経済制裁の効果は激減、今まで頼りにしてきた肝心の米国の援助も口先だけで終わりそうだし、、経済、エネルギー支援に消極的な日本に批判的な中国や韓国の拉致問題に関しての援助も期待薄になり、その足元を見透かしている北朝鮮との孤立無援の交渉となるのかも判らない。
 然し日本は形だけでも独立国だから、どの国にも文句を言えない。
 最悪の場合(と言っても独立国としては当たり前のことだが)、日本は日本独自の外交を進めるしかない。
 そのために如何に外交力の強化を図るべきかを考えるべきだ。
 今となっては如何にも泥縄過ぎるが、難しい拉致問題の解決の結果がどうなろうとも、今まで全て米国まかせだった日本が、今後、独自の外交の道を歩くために学ばねばならぬ貴重な教訓として受け取るしかないような気がする。

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*注:小泉さん訪朝と米国からの情報の経過
・2002年8月下旬:北朝鮮核開発の標的は日本とアーミテージ氏が小泉首相に伝える
(10月22日報道)
・2002年9月17日:小泉首相と金正日国防委員長が「日朝平壌宣言」に署名し、国交正常化交渉を再開することで合意
  なお以後の交渉の経過から考えると北朝鮮の核開発は当面の相手の米国との交渉を有利にする手段が主目的だった。

参照:拉致問題の今までとこれから
 
なお李英和さんの話と私のブログでの推測とほぼ一致しているが、私がそう思ったのは、小泉さんが訪朝から帰国後、多分2~3日もおかずアーミテージさんだつたと思うが、来日してから日朝の交渉関係の報道の調子が、ががらりと変わったのが心に引っ掛かったことを思い出したからだ。
  余談だが、これから想像すると安倍さん達が家族を返さないと主張し小泉さんもそれを認めたのは、米国からの情報で、平壌宣言の日朝友好モードから一変して日朝関係が悪化し、一旦返すと拉致家族の本当の帰国の実現が遠のくと言う判断があったのかも知れないが、勿論これは私の勘繰りだ。


 


首を捻るNHKの視点・論点

2008-07-13 06:10:21 | 情報、マスコミ

 今日はNHKの「視点・論点」で少し気になったことについて書いて見たい。
 それは7月10日に放送された同志社大学教授の朱捷さんによる「イメージが創る国家像」と言うテーマの放送だ。
 実はこの種の放送は普通は後日ネット上の「解説委員室」
でその内容が出る筈がなかなか出ないので待っていたが、たまたまYou Tubeの資料をネット上に見つけたので、時期遅れになならぬうちに取り上げることにした。

 その概要は次のようなものだ。
 現在チベット問題や聖火リレーの問題で、マスコミやインターネットで中国が世界から批判を浴びている。
 それらの情報が必ずしも正確でなく、イメージによる間違った情報も流れていることもあるようだ。
 例えばチベットで警官が住民を救出している画面で、弾圧しているところと説明するような報道だ。
 ワシントン・ポストに中国の詩が報道された。
 「我々にどうしろと」と言うタイトルだ。
 昔アヘンを密輸された中国が自由貿易に参加すると仕事を奪われたと言う→国土を統一の活動をチベットへの侵略と言う→産児制限政策を人権侵害→法律に則して暴力を取り締まっているのを弾圧などなど、我々を理解しているのか、君たちは我々をどうしようと言うのか。
  (中国人は自国の本当の姿を理解しているのか、また理解していてもその事実に眼を瞑っているまたは瞑らされているのではないか。)
 この詩は、外国メディアのチベット問題の報道に対する中国人のいらだちを示したものだ。
 中国は批判されるべき事は多々あるのは承知の上で、ここはマスコミ報道に関連する国家のイメージを取り上げてみたい。
  (外国の人達には、誤解もあるかも知らぬが、例えば言論統制、世界から人道問題で非難されている国への経済支援など多くの事実を通して中国に対するイメージが出来上がっているかも知れぬのにそれを省くのは可笑しい。)
 今中国は急速な経済成長を遂げ、GDPではドイツを抜こうとしている。
 この新参者は外国から快く迎え入れられていない。
 これは日本の成長期にエコノミック・アニマルと呼ばれたように、新参者は先進国から人達から人生観や価値観の違いについてあら捜しをされる。
 人種、国の歴史、宗教観などは違うのが当然なのに。
 直近のことに限って言えば、中国は先進国に追いついても、ソフトパワー、人の価値観など精神的な物を創出していない。
 (中国のソフトパワーには下記のような漢字文化、仏教、中国料理、京劇など多くある)
 つまり価値観の同意を伴わない急成長が問題なのだ。
 英国は経済的、軍事的に凋落しても依然として大国の地位を堅持している。
 それはビートルズ、ハリーポッターなどのコンテンツによる文化の発信力がそれを支えているのだ。
 日本がエコノミック・アニマルと言われたのは遠い昔の話になったのは、アニメや漫画を代表とする日本のポップカルチャーが世界を魅了したからだ。
 (日本はそれ以上に勤勉、正直、愛社心、自主管理活動、日本食など、日本人の価値観や日本の文化が次第に理解されてきたからだ。)
 米国のダグラス・マックレイ国の総合力の尺度としてナショナル・クール、国としてのカッコ良さを提案している。
 それはファツション、文化、食生活、ライフスタイルなどのソフトパワーだ。
 中国がビートルズかハリーポッターのどれかを持っていたら異質に見られることは無かった。
 
(これは中国以外の人から見れば余りにも楽観すぎる見方だ。)
 もう一つの異質的に見られる基本的な原因はその社会主義システムにあるが、それは西洋の産物で中国にとっては舶来品だ。
 (このシステムを導入したのは中国自身の責任だ。)
 中国の近代化は伝統の破壊と西欧文明による国土蹂躙によりもたらされた。
 (伝統には古来の優れた価値観や文化を含んでいるがそれを保持するか、捨て去るかは自国の責任だ、講師は前と同じように、それを判っていると思うのに伝統の破壊の一語で済ましている。)
 冒頭の詩はその歴史に由来する屈折した考え方の色が濃い。
 オリンピックは百数十年痛めつけられた心を癒すイベントだ。
 それが理解されぬいらだちが噴出したのが「我々にどうしろと」の詩だ。
 中国人は経済的に成長したつぎの課題として、先進国と同じ価値観を持つ必要性に気づいている筈だ。
 ビートルズにはインド哲学ととものに道教の影響を受けている。
 中国文明にはベトナム戦争による米国人の精神の荒廃を救うヒントになる知恵がある。
 それを21世紀に生きるためには、中国人自らが如何そのヒントを掘り起こすか、政治システム、ライフスタイル、新カルチャーなどのソフトパワーを創出するか否かにかかっている。

[私の意見]
 この一連の内容を見て今後の中国の進むべき道についての後半は確かに建設的で的を射ているが、読者の多くの方がお気づきになったと思うが、その他は、重要なことの省略、被害者意識と、言い訳に終わっている。
 中国は道教ばかりでなく、仏教を完成させ、孔子、孟子、李白、杜甫などの漢字文化がある。
 そして日本や韓国は大きな影響をうけ、その事実に限っては多くの人達は中国を尊敬している。
 事実、日本人の価値観もかなりの部分は仏教や孔子など中国の偉人からの教えで成り立っている。
 福田さんさえサミットの七夕に温故知新と書いて揶揄された。
 朱捷さんさんはわざとそれを避けて、ビートルズや漫画アニメの小さなことに的を絞って話をしたために話全体が小さくなってしまった。
 もう少し中国の批判されている点を敢えて取り上げ、中国古来からの文化にも言及すれば、中国と先進国それぞれが抱えている大きな問題に迫る、聞き応えのある話になったと思うのだが。

NHKへ
 視点・論点は僅か10分きっかりの話になるので、当然、講師とNHKが原稿を前にしての事前の綿密な打ち合わせが行われる筈だ。
 そのときNHK側からの内容についてのアドバイスは無いのだろうか。
 勿論基本的にな内容の責任は講師にあるので、アドバイスと言うより示唆程度になると思うが、対外的には放送の責任はNHKが取るべきだし、批判も受ける立場だ。
 講師も本国との関係もあっての自身も判っていながらの、首を捻る話になったのだろうが、NHKとしては結果的には中国の弁護ばかりに終始した話をそのまま放送した結果になった。
 この種の外国人による微妙な話題についての放送は日本のため、また「媚中NHK」などと言われ、受信料未払いの理由にされないためにも、相当程度の配慮は必要と思うのだが。(*注記)

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*注記:前記の資料を見た人達のコメント
・中国の思考法と教養の骨格がストレートに出ていますね。
・現代の孔子が誕生する文化的基盤を、中国が保持してきたかどうか?ですね。
 出てきて欲しいですけどね。
・10分間言い訳の喋り通し。
 中国が世界から批判される理由が「余所の国が偏見を持っているから」かよ。自国を省みる事が一度も無い。
 聞く耳も無いこの態度、共産党が崩壊するまで変わる事は無いだろう。 


米国のサミットの見方

2008-07-12 12:06:31 | 国際社会

 洞爺湖のサミットでは米国は今までと違って、ブッシュさんがやや協力的な動きを見せたお蔭で日本も主催国としての面目を保つことが出来た。
 これについて米国はどうみているか、7月10日付けのニューヨーク・タイムスの社説とそれに寄せられたコミントを覗いてみた。

Good Intentions, Vague Promises
 今回のサミット温暖化問題で二つの重要な進展があった。
 一つはブッシュ政権は何時もの、のろのろした動きではなく、温室効果ガス排出量削減の宣言に参加したこと、そして中国とインドを含む大きな排出国が(具体的ではないにしても)長期的な排出削減に同意したことだ。
 これらの良いニュースの一方で、サミットは何時ものように善意(good intention)と曖昧な約束に終わった。
 最終的な合意はクリーンエネルギーへの速やかな、そして必要かつ重要な投資についての暫定的な合意さえなかった。
 不幸にも難しい協議で、工業国の譲歩にも関わらず、Bricsなどの協力が得られず、今の所地球の温暖化を止めたり逆転する希望はない。
 中国は既に温室ガスの最大排出国である米国を追い抜いている。
 昨年の12月、世界中の国が集まった、バリでの会合で2009年の終わりまでに、京都議定書に代わる世界的な協定を作る事に合意したが、今回のサミットはその難しいことを示唆している。
 然しこれからは、少なくとも大きい排出国が進んで協議の場に座るだろう。
 米国は最終的には前進しなければならない。
 ブッシュ大統領は気候の変動に今まで多くのことをやってきた。
 温暖化対策の拒否からその受け入れまで、そして最後にはそれを援助するという曖昧な約束まで。
 然し事実はブッシュ政権の時代は失われた年月だった。
  (私の意見は地球温暖化だけでなく、中東問題、石油価格高騰、食糧危機など全てで)
 米国がその排出量を明らかな目標とタイムテーブルで、削減すると言うはっきりした手段を取らない限り、他の国はそのことを削減の実行しない言い訳にするだろう。
 次の大統領と議会はリーダーシップをとるべきだ。

[社説へのコメント]
 この社説について90のコメントが寄せられている。
 その殆ど全ては(斜め読みだが)地球温暖化防止に賛成の投書のようだ。
 その投書に対して、それを推薦するの人の数が10人以上得た人達のコメントの冒頭部分を抜粋をしてみた。
・我々は外国に公害を輸出し貧困の国を怒らせている。
・バイオ燃料への補助金が今日の世界的な食糧危機の主な原因だ。
・全ての事が最後には上手く行くことを願っているが、60歳にもなって我が国の二党制度が重要なときに難しいこと処理するのに何も出来ないことを見てきた。
 (まるで私の今の自民、民衆の両党に対する愚痴のようだ。)
・ブッシュさんは米国史上最悪のリーダーとして下野するだろう。彼はリーダーシップの役目を果たしたことは何もない。
・ブッシュさんは人々が短いスパンの関心しかなく、今回のサミットのはっきりしない詳細を知るには忙し過ぎるここと良く知っている。
・我が国はあらゆる分野でのリーダーシップ不足で漂流している一方、必要によって生れた大衆運動は無視されている。
・「次期大統領と議会がリーダーシップをとるべきだ。」とあるがそこが問題だ。彼らは何も出来ないだろう。次期大統領と議会は彼らの主人に奉仕するだろう。金と力だ。丁度今の権力者がしてきたように。
・米国は年に1%の排出量をカットすべきだ。それも今年から。
・ブッシュさんは差し迫った地球上の大惨事の言葉のどの一つも判っていない。
・経済問題と同様に世界的に制御不可能な爆発的な公害が、気候の問題の大きな原因である事実を、誰でもが認めたり議論しようとしないようだ。 
・米国人と地球上の人々の幸福のために、ブッシュさんがいなくなることがいくら早くても早くなりすぎることはない。

[私の意見]
・「地球温暖化防止には米国のリーダーシップが必要」と米国の新聞が言うのは気に障るが、事実は今まで米国がその足を引っ張ってきたので、今後足を引っ張らないと言う消極的な意味の米国のリーダーシップが必要なのは間違いないことだ。

・新聞の社説に90ものコメントが寄せられるシステムは日本の新聞(中には似たシステムをもっている社もあるかも知れないが)研究すべきだとおもう。
 そのコメントも2チャンネルのように玉石混交でなくて、皆真面目な投書ばかりだ。
 それには新聞社の編集も入っているかも知れず、これに対する批判もあるかも知れないが、社の営業の問題だけでなく、国の為にも検討の余地があると思う。

・投書の殆ど全てが温暖化防止に賛成のようだが、民主主義の本山を謳っている米国で、何故この声が政府や与野党の反映しないのだろうか。
 読者の一人が指摘したように、大統領も議会も時には「金と力」に奉仕しているような動きも何となく判るような気がしなくもない。
 然しこれは他国のことで日本が批判しても仕方ないことだ。
 日本として考えなければならないのは、そのような米国を相手にしてどうするかだ。
 今までのように米国一本槍の政策から独立国として独自の政策や外交方針を持つことだ。

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竹島問題について

2008-07-11 07:14:31 | 国際社会

 7月10日の読売新聞
 福田首相は9日午前、韓国の李明博(イミョンバク)大統領と北海道洞爺湖サミット会場のホテルで約15分間、立ち話をした。
 日本の文部科学省が中学社会科の新学習指導要領の解説書に竹島を「我が国固有の領土」と明記する方針を固めたことについて、李大統領が韓国内の反発を説明、懸念を表明した。
 首相は日本政府の検討状況について説明したという。

と報じている。

 これについては島根県は竹島が「我が国固有の領土」であることを10年ごとに改定される学習指導要領への記載を国などに要望。
 文科省は新指導要領への記載は見送るかわり、解説書に明記する方針を固めていたが、これに対して韓国が反発、政府内にも慎重論が出始めている。
 そしてネット上では政府や直接の責任者の高村さんへの避難が集中している。

[私の意見]
解説書の内容

 私は政府が竹島問題について解説書に入れる決めた以上、外国のクレームで方針を曲げないこと、そして解説はことのありのまま書けば良いと思う。
・竹島について日本、韓国とも領有権を主張して譲らない事。
・双方の主張の理由。
・日本が国際司法裁判所に付託することを韓国側に提案したが、韓国政府はこれを拒否していること、それに対する双方の言い分。
・竹島は現在韓国が実効支配しているがそれについて日本は抗議し続けている。
 その内容の取捨選択や書き方に付いては検討の余地があるかも知れないが、これらは全て事実だし、韓国の立場も書いているので、韓国は文句のつけようがない筈だ。
 そして授業でこのことについて生徒と教師の間で話し合う事は、生徒に日本と外国の関係を知り、自分で物事を考える訓練になると思う。

竹島問題の解決のために
 話は逸れるが、私はいつまでもこの件でいがみ合うより、
・日韓両国が国際司法裁判所に付託し(もし韓国が拒否したらその事実を国際的にキャンペーンをする)、双方の主張を論議しあいいずれが勝ってもそれを認め合う
 勿論日本はあらゆるデータと戦術を駆使して日本の主張を通すように頑張る。
・領土問題を棚上げにして、双方で利用し合う
のが、双方の利益や友好のためにも致し方なとことだし、紛争解決に武力を使えない今の日本では最良の解決方法だと思うのだが。

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サミットから学ぶもの

2008-07-10 15:01:01 | 政策、社会情勢

 サミットは終わった。
 結果はほぼ予想された通りだ。
・地球温暖化防止のための温室効果ガスの規制目標の設定は新興国の反対に逢う。
・原油高騰にともなう諸物価の上昇は、市場の透明化を求めるだけで、肝心の投機資金の規制は見送り。
・唯一の成果は米国の譲歩で、温室効果ガスの規制目標の設定にG8の足並みが揃ったことだ。

[サミットの成果]
 これに対する評価は様々だが、私としては日本としては次のような成果を挙げたと思う。
・僅かだか温室効果ガスの規制目標の設定に前進で、議長国としての面目が保たれた。
・他国であったようなG8反対の騒動は、一日だけデモ隊と警官隊の小競り合いがあっただけで無事に終わった。
・会場やメディアセンターなどのもてなしや、会場内外の運営で日本人の真面目さ、几帳面さ、ホスピタリティーなど外国の人達に知って貰えた。
・ハイレベルの日本の環境技術のPRになった。
 この点で福田さん初め関係者や警備のあたった人達の努力に日本人として感謝をしたい。

[サミットから学ぶこと]
 また日本でサミットが行われたこと自体は日本人に多くのことを教えてくれた。
・大きな世界的な問題と国内問題
 地球温暖化、食糧危機、石油資源の減少とそれに乗じた投機資金の横行→世界規模での物価上昇など、問題は地球的な問題でかつ深刻だが、国それぞれの事情と絡んで、解決が非常にに難しい。
 それに比べると基本的な少子高齢化問題を除けば(*注1)日本が当面抱えている問題の道路特定財源、高齢者の医療問題、年金問題などいずれを取っても、前記の問題と比較すれば、いずれもそんなに難しい問題でなく、しかも同じ日本人同志だから心を割って話し合えば解決がつく問題だ。
 サミットが終わってこれからまた国内問題に移る。
 政治家たちは国内問題を議論するとき、党利党略など小さな観点ばかりでなく、世界的な視野からも見ることも忘れないで欲しいものだ。

・世界情勢の変化
 これについては何度も書くので項目だけを挙げる。(*注2)
 米国の地位の衰退と孤立化、EUの影響力の増大、無視できない新興国の発展、市場経済主義・グローバリズムの限界露呈などなど。
 これらに対して日本は今までのように、米国追随、市場経済主義一本槍の方針を見直す必要はないのか。

 私たちは折角の日本で行われたサミットの教訓を活かして行きたいものだ。

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*注1:少子高齢化
 私が考えて唯一つ難しい問題は、医療、介護、年金など福祉問題や、農村の疲弊、企業の労働力不足の問題の根にある少子高齢化の問題だ。
 何故ならそれは日本の生活環境などの問題もあるが、基本的に若い人達の国民の意識のあり方(例えば子供より自分の生活優先、個人や国にとっての子育ての大切さよりも経済的に豊かな暮らし)、今の時代の高齢者は70~80迄位でも何らかの形で働けるのに、昔ながらの定年後はのんびり過ごしたいと言う考え方を変えるなど、民主主義国では政治は少子高齢化の改善に向けて制度や設備は設けられても、本人の意識には直接関与出来ないからだ。
 これは国民自身で考えたり、マスコミや批評家達のリードに頼ることしか考えられないから難しいのだ。
   参照:カテゴリー →少子高齢化

*注2:市場経済中心主義と米国の関係
 米国型市場経済中心主義は万能か 
米国との関係
 中東紛争から学んだもの(1)米国の民主主義とは

 その場凌ぎの政治から抜け出すために
 米国がもし~したら、~しなかったら
 米国との関係の見直し
 
米国は日本を護ってくれない?
 
石油問題と米国との関係の見直し 


呆れた加藤さんの拉致問題の発言

2008-07-09 10:01:28 | 政策、社会情勢

[呆れた加藤さんの発言]
 昨日の朝の読売新聞の小さな記事を読んで驚いた。
 自民党の加藤紘一元幹事長は7日夜、衛生放送「BS11」の番組で、2002年に帰国した拉致被害者5人を北朝鮮に戻さなかった政府の対応に関し、「当時の安倍晋三官房副長官を中心に5人を北朝鮮のに返すべきでないと言い(結局返さなかったが)、その辺が(今日)日朝間で(拉致問題の)打開が出来ない理由になっている。(あの時)ちゃんと北朝鮮に返す約束を守っていれば大きな展開になっている(筈だ)」と述べ安倍前首相の拉致問題対応を批判した。 (黒字は筆者の補足)
との記事だ。

 これが与党の元幹事長の公共放送での発言にしては余りにも軽率過ぎはしないのか。

 当時、確かに、私たち戦前派の年寄りの間では、「仮に北朝鮮が無法な拉致事件を起こしても、日本は北朝鮮との信義を守って返した方が良かった。それも黙って返すのではなくて、「国内では不法に拉致された家族を返すことに強い反対があったが、日本は信義を重んじる国なので返すことにした。」と北朝鮮への嫌味込め、そして同国に恩を着せた方が、日本が外交上優位に立てるし、北朝鮮も一旦認めた範囲の拉致家族は絶対に日本に帰国を許すのは間違い無いのだからと言う意見もあったが、年寄りの間だけの話で表に出る事はなかった。
 それは事、外交に関する事は、政府を中心とする一枚岩であたらねばならぬことを皆知っていたからだ。

[外交力としての世論]
 日本は民主主義の国だから、拉致家族を返すべきだった、返さなくてよかったなど自由に論議しても良い。
 然しこと外交に関しては、そのような議論は内々の事で、外向けの発言は慎重であるべきだ。
 何故なら、憲法で紛争の解決は武力を使えない日本は全て外交に頼るしかない。
 そしてそれに必要なのは、情報戦略と外交戦術と経済力、それと外交を後押しする国民の世論しかない。
 その世論も国内での議論は別として、相手国に対しては一本に纏まらねば、相手国から都合の良い所ばかりとり上げられ、各個撃破されるのが関の山だ。

 米国なら世論が割れても、強大な武力を(例え使わずとも)ちらつかせて相手国に圧力を加えることが出来るし、中国の様に言論の統制の国なら、政府の力で世論の統一も出来る、北朝鮮なら何が何でも国民を押さえ付けて、政府の思うが儘の外交戦略で米国のような超大国でも手玉にとることが出来る。

 日本は世論が割れてはただでさえ、弱い情報力、外交力で何も出来ない。
 拉致問題で言えば、唯一の頼りは経済力と米国だが、テロ国家指定解除になれば、経済制裁も使えず、米国も当てにできない。

[調子がおかしくなった加藤さん]
 かっては自民党の幹事長を勤め、次期の総裁の有力候補と目された、加藤さんがこんな常識的なことを知らない訳がないのに、何故一癖も二癖ある相手国を利するような発言を公共放送でしたのだろうか。
 当時の加藤さんはよそ目で見ても輝いていたが、テレビ朝日の「サンデープロゼクト」で田原総一郎さんに唆されて、すっかりその気になって所謂「加藤の乱」を起こしかけて失敗してから、可笑しくなってしまった。
 最近、北朝鮮問題で次第に表舞台に出るようになったが、「サンデープロゼクト」の失敗から「テレビでの発言には気を付けねば」などの反省はなかったのだろうか。

[呆れる政治家の対外発言]
 然しこのような対外向けの首を捻る様な発言をした人は加藤さんに限ったことではない。
・一昔の教科書問題で韓国や中国に「言いつけ」に言った政治家達。
・近頃ではどう展開するかも判らない外国人参政権法案成立を韓国まで言って大統領に約束した?と言われる小沢さん。
・産経記者の阿比留瑠比さんはそのブログ

  6日の日米共同記者会見での福田さんの話は、「日本は中国様に人権問題などとても言えた立場ではない」と言わんばかりの酷い発言をしたことを、記者会見を聞いていなかった同僚記者に話しても「まさか」となかなか信じてもらえなかったほどの馬か鹿かその眷属か、というべき言葉でした。
と怒っていた。

 日本の政治家たちは米国べったりの外交(極端に言えば外交でも何でもなく米国に追随しただけ)に馴れて、自分たちの発言が日本と相手国にどのような影響を考えもしないのだろうか。

 米国の弱くなり始めた立場や、北朝鮮政策の変更、今回のサミットで見られる米国の孤立化?などから日本の自立化や独自外交の必要性を説く人は多い。

 加藤さんの発言は、日本の自立のための外交力の強化はどうすべきかと言う点で考えさせられることが多いと思う。

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サミット:日本頑張れ、福田さん頑張れ

2008-07-08 11:44:08 | 国際社会

 昨夜のテレビでは洞爺湖サミット関係の報道で賑わった。

[孤立化する米国]
・G8のほかアフリカ7か国の各首脳と、アフリカ連合国連の代表らが出席した拡大対話には、石油価格高騰についてアフリカ側から、「投機筋が原油取引で過大な利益をあげているのは良くない。投機マネーへの課税制度が必要だ」などとして、G8側の指導力発揮を求める意見が相次いだ。
・テレビ東京は「ワールドビジネスサテライト」は今回のサミットの最大テーマである地球温暖化、石油問題、食糧危機の三つの件をドル安のキーワードで切って見せた。
 その相互関係については省略するが、洞爺湖サミットを難しくしているのは超大国の経済不況とそれに伴うドル安だ、その米国のドル安を加速させかねないインフレを心配するEUが米国との同調姿勢を改めての金利引上げなど世界の経済の様相が変わってきだしたと解説していた。

 NHKは「NHKスペシャル:極秘交渉 シェルパたちの180日を追う」で首脳の交渉代理人のシェルパと言われる人たちが自国を有利にするための、各国間の「極秘交渉」の動きを追っていた。
・日本の主張する温室効果ガスの削減目標を定める「セクター別アプローチ」は手段であって目標ではないとのEU側の強い反対。
・今回の動きに乗じて自国の強い産業である原子力発電を推進しようとするフランス。
・削減目標は中国、インドの参加が前提とする主張を進めるために、自国が主導する「G8でなく主要排出国会議」(MEM)をサミットと平行して開催、ぎりぎり迄努力したが挫折、それならと原子力発電の活用を提案しようとする米国の動き。
・その中に挟まれ議長国のプライドのためにも何とか纏めようと頑張る日本のシェルパの動き。

これらの報道から浮かび上がるのは
・投機の規制や、G8がより新興国より大きい目標を設定してでも温暖化の防止すべきだと主張するEUとそれを支持する新興国
・その両方に腰が引けた米国、そのため世界から孤立化しかけている米国、
・その両者の間に立ってなんとか、纏めようとしている日本
の姿が浮かび上がってくる。

[首脳宣言の最終案]
 そして今日の読売新聞
は首脳宣言の主要分野に関する最終案がについて下記のように、
・原油・食料高の影響で「世界経済は不確実性と下ぶれリスクに直面している」と指摘し、「強い懸念」を表明
 その上で、「個別に、あるいは協調して適切な対策を取るべきだ」と訴え、各国があらゆる政策を取るよう求めている。
・原油高対策では、短期的には生産・供給能力の増強などを、中期的には精製施設などへの設備投資の拡大などを要請した。
 しかし、原油高騰の一因とされる投機資金の流入に対しては「先物市場での価格の透明性を促す」との表現にとどまっており、現時点では即効性のある対策は示していない。
・地球温暖化対策では、「セクター別アプローチ」について、省エネルギーや温室効果ガスの削減に「有効な手段」だと認めるとともに、原子力発電の推進も、「多くの国が、化石燃料への依存度を減らす重要な手法と認識している」と明記した。
 焦点になっている温室効果ガス排出量を「2050年までに世界全体で半減」させる長期目標の設定に関しては、事務レベルの調整が難航しており、8日の首脳会議に最終判断を委ねる。
と批判的な報道をしている。
 この様な原案となった原因は全員賛成を建前にする?G8での米国の反対であることは間違いない。

 これらの事に関してテレビ朝日の「報道ステーション」では古館さんが、宣言案の生半可なことと太陽発電や風力発電のことを言わずに何故原子力発電なのかと憤慨していた。
 これに対して何時もは彼の発言に調子を併せる、加藤千洋さんが「福田さんは日本のためにもっと頑張って欲しい」と言っていた。

 全く賛成だ。
 福田さんも、彼を支える人達も日本のためにこの難しいサミットで何とか成果を上げ、日本の信頼性を世界に認めさせ、そしてその結果日本がそんな立場にならぬよう、最後の最後まで頑張って貰いたいものだ。

[今後の日本の歩く道]
それにしても今回の動きだけを見ても
・日本人の価値観は米国よりもEUの価値観に近いような気がするのだが。
・何時も言う事だが、世界から孤立し、経済力が落ちかかっている米国、今まで数々の国際違反を繰り返している米国との関係を見直すべき時期に来ていると思うのだが。
 事実上の従属関係からの自立、軸足を米国一本槍でなくアジア諸国やEUにも移す。
 私ども年寄りの感覚り「困ったときに助けるのが真の友人」だから、そして実際面から考えても、時間を置いて、じっくり検討し、ゆっくりと確実に進むべきだと思う。
それともう一つ、
 サミットのことを考えるの日本国内で抱える諸問題など、同じ日本人だから話し合えば直ぐ解決できると思うのだが、現実は民主党の鳩山さんなどは、今回のサミット失敗を新たな政府攻撃の材料にして、また先の見えない「コップの中の争い」に持ち込もうとしているようだ。
 福田さんも自民党も頼り無いが、民主党も頼り無い。
 サミットが終わっても、原油、食糧、温暖化、国内問題では少子高齢化などの諸難問も確実に悪化して行く、一体日本はどうすれば良いのだろう。

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地域再生とパチンコ屋

2008-07-07 17:59:16 | 地方分権と再生

[駅前商店街のシャッター街化]
 私の生れ育った北九州市は沈滞に苦しんでいるが、その中でも路線価格の下落率で毎年県内のトップを走っているK駅前の商店街地区のことを書いて見たい。
 K駅はJR九州の中では、(多分桁数は違うと思うが)博多、小倉に継ぐ乗降客の数を誇っている。
 ラッシュアワーになると、多くの列車を降りた人達が駅前の人口地盤通ってそれぞれの方向に別れて向かう。
 その大部分(約85%?)は駅を出て西方向に設置されたC電鉄の始発駅とバスセンターの方へ、その一部(約10%)はその東方向にあるIデパートへ、そして残りの僅か(約5%)の人がが南方向に直進して駅前商店街やIブックセンターとその前にあるバス停の方向に向かっている。
 ある日、同時刻に駅前のアーケード街で歩く人の数を数えて目の見える範囲で、僅か8~12人だったのに愕然としたことがある。
 なおK駅の北側は工場地帯で、昔はK地区の飲み屋街を潤していたM化学、Y電機などの大工場から、合理化で数を減ったとはいえ今でも多くの人達が午後5時過ぎには退社するのだが、その殆どはそのまま直接JR、C電車やはバスに乗って帰る人達が多い。
 当然のようにこの商店街もシャッター通り化の進行が止まらない。

 K商店街は駅から扇型に伸びたC通り、バス道路に面したF通りとその間に挟まれたS街とそれから派生する2つの通りとそれらの周辺の商店からなっている。
 今日、Kへ買い物に出たついでに調べて見ると、中心的存在のC通りのうち約200mの間にシャッターを降ろした店が36軒、5.5メートルに付き1軒の割合だ。
 そして半径450m、弧の長さ約180mの扇型の中で、平地の駐車場(パチンコ屋やパーキング・ビルに類したものを除く)が11箇所と10年位前から比べるほぼ倍に増えている。
 詰まり完全に店舗を潰して、駐車場にしたのだ。
 言うまでもなく、人が居なければ店は成り立たないが、多くの乗降客や工場の通勤者はいるのだ。
 ただ商店街は彼らを逃がしているのだ。

 北九州市は5市が合併して出来た都市だ。
 小倉、門司、戸畑、若松とK商店街とC商店街のある八幡だ。
 そのうち小倉、若松ではシャッターを降ろした店が珍しい程少ない。
 駅前の大型店の影響を受けている戸畑と八幡地区の新日鉄の移転で大きな影響を受けたC商店街は僅かの閉店した店を所々見かけるがK地区の商店街のような荒廃状態ではない。
 K商店街ではIデパートの前身である、Sデパートの設立が計画された時大店を楯に猛反対をしたが、若松では商店街から歩いて数分のところに大手のスーパーがあるにも関わらず、そして北九州市全体からみれば離れ小島的な位置にあるにも関わらず、閉店した店は殆ど見かけない。

[シャッター街とパチンコ屋]
 各地の商店街比較してみて気がつくのはパチンコ屋の存在だ。
 私のような余所ものから見れば、小倉は商業地域の中心部全体でも僅か2~3軒、戸畑もほぼ同じだが、門司や若松の商店街の周辺では殆ど見当たらない。

 K商店街で直ぐ気がつくのは、その入り口のF通りの1ブロック分の75m近くを2軒の大きなパチンコ屋の建物が占めていることだ。
 そしてアーケードのどまん中にも大型のパチンコ屋、南側の入り口にも5~6階建てパチンコ屋が抑えている。

 正確に言って、K商店街の衰退の主な原因は、店主の高齢化、プライドはあるがやる気不足、時代の変化に就いて行けない、個人のことばかり考え小倉や博多に負けないような地域全体の発展を考えないことなどと思うが、パチンコ屋の存在がそれに輪をかけているのりは間違いのない事実だ。(*注1)

 パチンコ屋の騒音、ごてごてした店構え、出入りする客の顔や服装。
 現在の消費者の中心を占める若い女性や家庭の主婦たちが、駅やバスセンターから、人口地盤の約60m、パチンコ屋の前を通り抜けて商店街に入らせるには、余程の魅力のあるものが無ければならないのだ。
 彼女らにとって、そんな鬱陶しい思いをする位なら、往復2千円を払ってでも、博多に行こうと思うだろう。
 一方、パチンコ屋の客はほとんどの人は負けるに決まっているので、商店街の方に廻ることはない。
 パチンコ屋が400~600万近くの金が強奪されたと言う話を良く聞く。
 つまり今のご時世でこれだけの日銭を彼らは稼いでいるのだ。
 だから一旦パチンコ屋が出来れば余程のことが無い限り潰れない。
 それどころか、K商店街のように立て直す毎に大きくなり、地域で潰れかかった店があるとまた新しいパチンコ屋ができ、商店街の顧客の流通を阻害し、果てはシャッターを降ろす店がまた増える。
 これは商店街の癌そのもだ。
 一旦出来ると退治出来ないどころか、寄生する商店街の息の根を止まるまで増殖し続ける。
 そして街の雰囲気の悪化と言う副作用ももたらす。
 社民党始めパチンコ店の支持する人達は、市民の娯楽または息抜きだと言うがこれは昔の話(*注2)で現実は景品を媒介として金をやりとりする完全なそれもいんちき賭博だ。
 店に行った人達はだれても経験するだろうが、千円ぐらいの投資は電動ハンドル式に変わった今一瞬の内に無くなってしまう。
 そして数万も儲ける人はひとは、僅かに限られている。
 しかもパチンコ店の運営は完全なブラックボックスで、勝つには僅かの知識と腕、引き際の見極めというギャンブルの極意を必要とする。
 そのような極端な射幸性に賭ける人達は、ごく気紛れに入る人達を除いて、品性に首を捻る人達も多い。

[公営ギャンブルとパチンコ屋]
 福岡県にはボートのレース場が3つもある。
 そこでは大金を賭けて身の破滅を招く人たちも稀にはいるが、その殆どは僅かな金を使って一日を過ごす中老や老人の人達が多い。
 なにしろ1レースに100円を賭ければ全敗しても1,200円で済む。
 一瞬の内に1000札が吹っ飛ぶパチンコと全く違う。
 彼らはレースの展開を読み、友人たちや隣に座った人達と会話を楽しみ、負けたときは選手を罵倒しあう。
 そして100円つぎ込む度に75円国や地方団体の財政に寄与している。
 これこそ健康的ではないかも知れないが娯楽で息抜きの遊びだ。

 パチンコは全く違う、相手はパチンコの盤面だけ、知恵を働かそうにも相手はブラックボックス、そしてふんだくられた金がどれだけ税金として、国や地方の団体に入るかは店主の良心に待つしかない。(何でも脱税ではパチンコ店はワースト、ナンバーだそうだ。)

[パチンコ規制の動き]
 私は以前にも同商店街の活性化についてブログを書き、その中で再生プランのレイアウトを書く必要性と、その中でパチンコ屋の規制も入れることを提案し、K商店街やK副都心計画に熱心な末吉さんが率いる北九州市にも実際に提案したことがある。

 そして何ケ月前かの地方版によれば、K商店街は市の要請に答えて「K再生10年計画プラン」の中にパチンコ屋の規制も入れたそうだ。

 パチンコ屋の規制と言っても、どのような方針を出したかしらないし、この件に関しては伝統てきに社民党の強い反対があるそうだし、自民、民主では慎重なグループがあるそうなのでパチンコ屋の規制の実現は予断を許さないようだ。
 どうかK商店街はなんとかしい街の発展を阻害するパチンコやの抑制に成功して貰いたいものだ。

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*注1:参照資料
 商店街活性化への道(1) 

 商店街活性化への道(2)
 商店街活性化への道(3)
 
商店街活性化への道(4)

*注2:ハンドル式時代のパチンコ屋
  出玉の操作は今も同じと思うが釘の操作、盤面裏側玉の置き具合のより、盤の微妙な変化(天候による変化もあると言う人もいた),それと出玉と外れ玉ののどちらかを入れるかと言う単純な方法だった。
 技術屋の癖で、パチンコ玉の直径を計ったことがあるが、0.1mmから0.2mmの差がある。
 詰まり玉の径の小さい方が出玉に成りやすいので、長い間には出玉のほうに小さい玉が集まり、外れ玉には大きい玉が集まることになる。
 良く出る台はその操作に関わらず補給の玉がなくなり新しく補給し遂には打ち止めのになる。
 そしてパチンコの盤の上部にはその状況が見られる鏡がついており、客はそれを見ながら後ろのお嬢さんに指示していたが、その掛け合いが楽しみで来た人もいたようだ。
 そして肝心の金だが、余程の台で無い限り1,000円儲けるのも大変だったが、同じ額損をするにも腰が痛くなる程座って居なければならなかった。
 今の戦場のようなパチンコ屋に比べると、昔のパチンコ屋か息抜きの良い場所だった、如何にも牧歌的なものだった。


首を捻るサミット反対のデモ

2008-07-06 15:47:04 | 国際社会

 昨日、札幌で行われたサミット反対のデモには驚いた。
 8ケ国の首脳の紛争をした男、黒ずくめの衣装、それに「地球温暖化反対」「貧困の解消」のプラカード。
 これまでは良いが何故彼らが警官隊と揉み合いにならなければならぬのだ。

 今回のサミットのテーマは正に、環境問題の解決、貧困な国を脅かしている食糧問題の解決が主要テーマだ。
 そしてテレビのインタビューに答えた、日本人の参加者が「
サミットは良い事だが、我々の知らないところで進んでいるのが問題だとの発言。

 私はその彼らの他の主張もあると思って今日の主な新聞の報道をネットで探した。
 「平和」[反グローバリズム][クラッシG8]の言葉が並ぶ。
 今回のサミットでは平和に反するようなテーマは何一つないがそれが問題なのだろうか。
 「我々の知らないところで話が進んでいる」と言うが、報道によれば福田さんは「G8サミットNGOフォーラム」の代表と面談し、国際メディァセンターには内外のNGO約100人を受け入れ、周辺には約1400人のキャンプ場を準備して彼らの意見をなんとかG8にも反映させるようにしているるそうだ。
 「グローバリズム」とか、「クラッシG8」など大国主導と言うが今回はG8の首脳の他に22カ国の新興国の首脳の参加が予定されているが、彼らは国連の会議のように全世界の国の首脳の参加を期待しているのだろうか。

 私はサミット賛成、反対でも意見の発表は自由だし、それを訴えるデモンストレーションも整然とする限り賛成だ。
 但し、今回のようにデモ隊の人達の多くが主張する環境問題、貧困化を主要議題とし、NPOにも配慮しているのに、何故警官隊ともみ合わねばならかが判らない。

 最近の国内のデモでは後期高齢者の医療制度反対のデモでもその主張は良く国民に理解されたが、警官隊との衝突は皆無だったし、中国の聖火リレーの反対のデモも整然と行われたが、彼らの主張は多くの国民に受け入れられた。唯一長野で中国の人達と反対派の間の衝突で警察の介入があっただけだ。

 今回のデモでは外国人グループも入っていたそうだが、これに付いては何も言うつもりはない。
 問題はデモの中で多数を占めている日本人たちだ。
 新聞やテレビで報道される範囲の主張程度で警官隊と揉めるなど、NPOの主張は理解出来ても、裏に何かあるのではないかと疑われても仕方がないし、そしてその行動に反感を持つ人も出るのは仕方がないし、それは彼らの望む所では無いはずだ。

 もし彼らが本当のサミットのあり方を心配しているのなら、
・世界的な物価の上昇と、そのために貧困な国を襲っている食糧不足の問題の元凶である原油への投機資金の流入への規制をせずに、新興国などの石油に対する補助金のカット要請による石油の使用減など姑息な手段しか考えていない現状。
・環境問題や投機資金の規制に消極的な米国の姿勢。
・サミットでの拉致問題の取り上げ
・福田さんの米国寄りの態度
などの具体的な問題点が明らかになる都度、それに反対なら政府に抗議すべきだった。
 そして、彼らのポイントを絞ってた主張(平和とかグローバリズムなど抽象的なことでなく)が政府に受け入れられないのであれば、状況により警官隊と衝突しても、余り感心はされないかも知れないが、彼らの心情は理解されただろう。
 そしてその動きは逐一報道され、G8の中で自国の利益ばかり主張する首脳への圧力となり、ひいては難しい洞爺湖サミットの成功にいくらかでも寄与できるかも知れない。

 朝日新聞によると「主催団体のメンバー一人は「ほとんどの参加者が平和的に自分たちの主義主張を発信できたのは良かった。逮捕者が出たのは残念だが、物を壊すなどの事態はなかった。然しこれだけ警察ががっちり囲むというのは、過剰警備だ」と話したそうだが、中国の聖火リレー反対のときに見られる様に、日本人のデモのやり方は次第に洗練されてきたようだ。

 今回の問題はデモ隊の中に悪名高い法律無視のグリーンピースや、韓国の牛肉問題で過激な行動を取る人達がいるそうだし、彼の言う「過剰警備」は報道によれば外国の過激団体への対応だそうだ。

 今回の警官隊との揉め事の中心は、黒い衣装の外国人グループと日本人の若者が中心だったそうだ。
 日本のNPOは平和的な主張をする外国の団体とは共同行動をしても、過激団体はキッパリ縁を切って別行動すべきだ。
 そして日本人の若者が外国人の過激な行動に触発されて一緒に行動するような状態を避けるべきだ。
 それが彼らの主張を国民やG8のメンバーに受け入れてて貰える唯一の道だと思う。

 他国でのサミット反対運動をそのまま真似て、お祭騒ぎをしたり、主張は表向きで、裏は意識的に反日、反政府や党利党略の運動に利用しようしている日本人や日本のNPOには、私の意見など何も役に立たないが、私としては殆どの日本人は純粋に国や世界のことを思って行動していると信じているのだが。

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サミットで福田さんに望むもの

2008-07-05 15:41:53 | 国際社会

[最近の新聞記事から]

洞爺湖サミットで福田首相に求められるもの(7月2日の読売新聞より)
 元首相補佐官の岡本行夫さんの解説

 原油価格を高騰させている投機資金を規制するため米国と英国をどう説得するか。「市場経済の原則に反してでも規制する」と言う論理を透徹させなければならない。
・地球温暖化対策の協議が失敗すると、各国が勝手な経済開発を進める。日本だけが不利なガス排出量の削減義務と悪銭苦闘することになる。議長として纏めると同時に国益を譲らないと言う舵取りが必要だ。

欧州中央銀行の金利の引上げ
 欧州中央銀行は3日、主要政策金利を0・25%引き上げて年4・25%にすることを決めた。
 サブプライムローン問題による金融市場の混乱に対応するために金利を据え置いてきた政策判断を転換し、インフレ抑制の姿勢を明確にした。
 欧州では原油のほか、食料品価格なども高騰。6月の消費者物価は前年同月比4%上昇した。ユーロが導入された1999年以降で最高の上昇率だ。
 米国は月に政策金利を年2・0%に据え置き、欧米の政策金利の差は2・25%に拡大する。今後、金利の高いユーロが買われ、ドル安が一段と進む可能性もある。
 と報じ、ドル安→原油価格の高騰に拍車をかける可能性があると解説している。(
*注1)

 欧州銀行の決定が良いのか悪いのかは判らないが、少なくともEUが米国の思惑に関わらず、EU内で増大するインフレに対応した自主的な決定は評価されて良いと思う。
 
 それに反して日本はサブプライム・ローンのバブルの崩壊→米国の経済の低迷を考慮して依然として超低金利を続け、原油高騰に湧く投機筋への資金源となっている。

・G8気候変動対策は日本5位・米8位、WWFが成績公表
 サミットを前に、世界自然保護基金は、議論の焦点である気候変動問題について、G8各国の対策状況を評価する成績表をまとめた。
  日本は「温室効果ガス排出量が増加、中期的な排出量削減目標を公表していない」などの理由で、8か国中5位。1位は「京都議定書の目標を達成する見込みで、炭素取引市場を積極的に導入している」とされたイギリスで、フランス、ドイツ、イタリアと欧州勢が続いた。最下位は8か国中最大の排出国であるアメリカで、カナダ(7位)、ロシア(6位)とともに「落第」という評価を受けた。
 日本は環境問題で落第の烙印を押された米国を如何に説得するか。
 サミットを纏めたい一心でまた何時ものように、米国のごり押しの姿勢の片棒を持って、日本自身の評価を下げてしまうのか。

原発推進へ協力強化、原油価格を抑制…サミット首脳宣言
 洞爺湖サミットで採択する首脳宣言に、原油価格の抑制策として代替エネルギー源となる原子力発電の拡大に向けて国際協力を強化することが盛り込む。
 さらに、首脳宣言では、新興国が支給しているガソリンなど石油製品に対する補助金を削減することも要請する見通しだ。原油価格が上昇すれば需要が細る「市場メカニズム」を働かせることで、需要増に歯止めをかけ、省エネや代替エネルギーの活用に弾みをつける。
 これでは原油高騰→諸物価の上昇の流れを止めるには遅過ぎる。
 原発推進は良いがその実現には5~10年はかかるがその間の物価上昇やそれに伴う食糧問題をどうするのだろうか。
 また新興国に石油製品に対する補助金を削減しろと言ってもそれに従う国はいくらあるだろうか。
 これも環境問題と一緒で、先ず先進国が何をすべきかと言われるのが落ちだし、その方が筋が通っている。
 ここは岡本さんの言うに、即効性があり米国、英国を除いてはどの国も反対しない、原油投機へのなんらかの規制の論議をすべきだと思うが、報道で見ればどうも投機資金の跋扈の抑制など始めから諦めているようだ。

[福田さんのリーダーシップ]
 上記の記事やそれに関連した報道から見れば、明らかに今までの米国型市場経済中心主義には逆風で、EUに追い風が吹いてきているようだ。
 今日の「たかじんのそこまで言って委員会」の討論でも、今の経済状況を打開するためには、預金金利のに引上げ、
黄金株による企業防衛など経済運営について、今までになかった西欧流のやり方を主張するパネルの人が多かったようだ。

 福田さんは洞爺湖サミットで、世界の潮流の変化を読んで、立派な舵取りをして貰いたいものだ。
 米国の顔色ばかり読んでいては、日本が世界から信用を無くすばかりだ。
今までの国内の抗争で、福田さんの指導力を見る機会は余り無かったが、今度は世界が相手でどれだけの力を発揮出来るか判らない。
 願わくは、火事場の馬鹿力でも良いから、福田さんは腹を決めてサミットを仕切った貰いたいものだ。

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*注1:解説の詳細
 サブプライム・ローンのバブル破裂→米国金利の引き下げ→ドル建てで取引される原油価格に割安感→日本のゼロ金利、ドル安で資金を調達した投機マネーの原油の先物市場への流入→今回の欧州の金利上昇→欧米の金利差拡大→ドル安→原油価格の高騰に拍車をかける可能性がある。
 
この内、後半部は私が原油価格暴騰で日本が出来ること 
で紹介した「貞子ちゃんの連れ連れ日記」の内容と真っ向から対立する解説です。
  私はどちらがより的を得ている見方か判りませんが、少なくとも紹介した責任がありますので、敢えてこの解説を書いて置きます。


米国型市場経済中心主義は万能か

2008-07-04 12:00:37 | 企業経営

 昨夜のテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」でタクシーの数激増に伴い低賃金で働く運転手の問題などについての新たな規制の動きを伝えていた。

[小泉改革以来の日本の変化]
 小泉改革以来日本は大きな変化をしてきた。
大規模小売店舗立地法
により都市部のシャッター街の続出。
外国人研修制度
を悪用した中小企業の輩出
 中でも超優良企業とされるトヨタ自動車のお膝元の愛知県での摘発件数が最も多いそうだ。
改正労働者派遣法 
実施に伴う労働者の賃金の低下、賃金や社会格差の発生→派遣労働者の待遇改善の動き
 中でも象徴的なのは経団連を率いる御手洗冨士夫さんが会長を勤めるキヤノンでの偽装請け負いの疑惑だ。
・農村の振興のために大規模農業に助成金を出し、その他については助成金カット→農村の疲弊→自民、民主のばら蒔き政策
・地方の行政機関による談合取り締まりの強化→小さなパイを奪い合う中小企業の競争の激化→単発的な受注と従業員の給料カット→生活保護所帯に劣る収入
と言うように地方の人達を護るべき立場の地方の行政機関がこのような人々を生み出している。

[改革の基本的な考え方と現実]
 これらの改革の基本的な考え方には、経営者、従業員、農村の人々は皆、元気で、善良で、やる気があり、賢くて自分の行く先への判断力がある、などなどの前提に立っている。
 だから、それらの人達は仮に競争に負けても、別の機会や場所で立ち直り、また新たな挑戦をするので社会が活性化し、国民はそれにより大きな利便を得るという考え方だ。
 それで竹中平蔵さんが今でも言う様に、社会格差が出るのは当然だという発言になる。
・タクシー業者は転身を考えずに生き残りのために成果の見えない戦いを続けている。
・一般企業の経営者で根っからの悪党は別として、中には企業の生き残りを優先して、法すれすれの運営をし、ついその度を越して偽造などの法に触れる運営をする人も出てくる。
・従業員も何もタクシーや低賃金の派遣労働にしがみつかなくても転身先がありそうなものだが、そこも低賃金なので行き詰まり状態になっている。(先のタクシー問題でコメントした人も同じことを言っていた。)
・彼らは金中心の価値観を切り換えて人員不足に悩む、例えば農村や介護施設などで生き甲斐を求めて働けば良いと思うのだが、価値観の切り換えなどの大きな決心も付かない人が大部分だ。
・農村の人達には高齢や、棚田などの理由で大規模農業を目指す政府の施策について行けない人達も多い。
・シャッター街化した商店街の人達も、一国一城の良き日のことが未だ忘れられず、国の施策が悪いとか、行政機関の援助が足りないと言う人達も多いような気がする。
 多くの人達は善良だが、中には高齢で働きたくても働けない人、新しい事に挑戦するより地道でこつこつと仕事をするのに向いた人達、また慎重で今の仕事を切り換えられない人達も多い。(小泉改革については*注1参照)
 そんな厳しい競争を国民に強いている一方で、西欧諸国では何処でも行われている10数%の消費税を僅か5%に抑えている。
 これで競争に就いて行けない人達に福祉厚生予算を廻そうというのは無理な話だ。

[日本と西欧諸国]
 市場経済中心主義の基本的な考え方の、企業も人も競争させることで経済の活性化を図ると言うのは、狩猟民族である西欧諸国の考え方で、建国以来の共同生活で助け合いをしてきた農耕民族である日本人とは相容れないやり方だ。
 まして、白人国家建設のために土着の人達を駆逐し、労働力として黒人奴隷を使用して発展した米国とは全く成り立ちが異なっている。

 最近の情勢を見ると、環境問題、原油価格の高騰に関して先物市場の規制などに腰が引けた米国と、それを推進する立場の英国を除く西欧諸国、逆にイラク問題では強硬な米国と英国に比して、批判的な英国を除くEUと見て来ると、日本人の心情としては、米国の国民より西欧諸国の人達の心情に近いような気がする。
 そう言えば、割合に狭い国土、それに伴う日本と似た経済環境、長い国の歴史など日本と似た環境を西欧諸国が持っている。
 私は前にも書いたが、日本はここらで米国一辺倒から、少し車間距離を置き、その分だけアジアとEUに少し軸足を移したらどうだろうか。
  そして、EUと協力して、環境破壊を考慮した、そして投機資金などの横行を防ぐ、持続可能な節度ある新型の市場経済システムを確立してはどうだろうか。
 何度も書くが米国がポシャッタ時(ローマ帝国ではないが何時かは来る)、日本が孤立してしまわない様、アジア諸国と共にEUとの関係強化も考えた方が良いのではないだろか。

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*注1:小泉改革の弁護
 小泉改革について弁護すれば、いや弁護にもならないかも知れないが、改革当初は各種の規制緩和や経費削減の一方で、保育所や老人ホームの拡充などで、弱者の救済をし、併せて労働の機会を増進しようと言う話が良く新聞紙上に出ていた。
 結果はやる気満々の竹中さんや猪瀬さんばかりが頑張って改革は進んだが、改革に伴う救済に当たる厚労省や人材を育成する文科省など各省は旧態依然のままで、規制改革ばかりが独走する形になってしまった。
 それでやっと今になって、タクシーの規制や派遣労働法の見直しを行われている。
 ただ政府、与党にとって気の毒なのは中国の台頭による企業の競争力の相対的低下の問題が改革の実施に併せて起こり、ことをより難しくしてしまった事だ。

参照:
小泉改革
   小泉改革とは何だったか
 小泉さんのやったこととこれから
 小泉さんがやってきたこと、またはし残したこと事 

米国との関係
 中東紛争から学んだもの(1)米国の民主主義とは
 その場凌ぎの政治から抜け出すために
 米国がもし~したら、~しなかったら
 
  米国との関係の見直し
 米国は日本を護ってくれない?
 石油問題と米国との関係の見直し 


新「前川レポート」と少子高齢化問題

2008-07-03 11:58:34 | 少子高齢化

[前川レポート]
  経済財政諮問会議の専門調査会が策定を進めてきた「21世紀版『前川リポート』(*注1)」の全容が明らかになった。これについては各紙の読み取りかたもまちまちだが、その中でもやや詳しく報道している読売新聞
毎日新聞の報道を纏めてみた。
・年率2%の成長を維持するために女性や高齢者などを積極的に活用
 少子高齢化問題を放置すれば、今後10年間で労働力人口が約400万人減少し、経済成長率は1%程度まで低下すると指摘
 1・3前後で低迷している合計特殊出生率(*注2)を、10年間で1・8程度まで引き上げる数値目標も盛り込んだ。
・日本経済の若返りに向けて、年金など社会保障給付を見直すことで若者の負担を軽減し、将来に希望を持てる社会を実現
 若者の意見を政策に反映させるため、「政府の審議会に若者代表を加える「世代別代表制」のような仕組みの導入

・10年後に目指すべき日本の姿(上記の分を除く)
 非正規雇用と正規雇用の格差の是正
 人材が業種・分野・国境を越えて動ける内外無差別の市場ルール確立
 革新的な企業が、欧米並みの企業開業率(現在約4%)に引き上げ
 道州制の導入などにより、地域が広域的な単位で自立
 環境問題など、世界共通の課題に対して先導的に取り組む
 
 専門調査会は、福田康夫首相が北海道洞爺湖サミットで日本の今後のあるべき姿として国際社会に発信するメッセージに、同リポートを生かしてもらう考えだ。

[私の意見]
実現困難な提案
・内容は経済財政諮問会議の守備範囲をはるかに超えたものだが、これについては報道によれば大田弘子経済財政担当相の判断で敢えて入れたのだそうだ。
 然し提案された個々の問題の一つ一つの解決が難しい上に、今の政治情勢、縦割りの行政の各省とそれにくっついた族議員の政治体制では、大風呂敷を拡げ過ぎたこの報告の通り進む可能性は非常に少ないような気がする。
 それと元祖の「前川レボート」は注記にもあるように、中曽根さんの強いリーダーシップがあってこそ活きてきたのだ。
 もし福田さんが専門調査会の要望のように、北海道洞爺湖サミットで新構想を打ち上げても、前日の消費税引上げ構想は外国特派員向けに言ったのだ、と言うような発言をすれば、新前川レポートの存在価値は一遍で消えて、専門調査会の折角の大構想はごみ箱に直行することにも成りかねない。

 然し、提案の中の、積極的に女性や高齢者の活用、1・3前後で低迷している出生率を、10年間で1・8程度まで引き上げる数値目標の設定は注目に値するものだ。

高齢者の活用
 高齢者の活用も経済の活性化以上に、高齢者からの所得税の収入増、年金収入を考慮した低賃金による企業のコスト減、生き甲斐をもった高齢者の健康増進→医療費削減など大きな効果が期待出来る。
 私の様な年寄りは、身の回りに現役中に酷使され、健康管理など無視された中で、飲み過ぎや喫煙で、満期後早死にした人達を多く見てきた。
 高齢者の活用など、現在のように成果主義でこき使い、満期までに従業員の体力、気力まで使いつくして、社会に放り出すやり方ではことは出来なくなる。
 もし高齢者活用の必要性が、社会全体で認識されれば、企業も成果主義と従業員の健康管理のバランスに気を配らなければならなくなる。
 考えてみればこんなことは「新前川レポート」の有無に関わらず、企業としても当然にやらねばならぬことなのだが。

少子化問題
 今日の読売ではレポート全体として数値目標が設定されていないと批判記事が出ていたが、少子高齢化問題については珍しく?このまま放置すれば、今後10年間で労働力人口が約400万人減少すると指摘し、1・3前後で低迷している出生率を10年間で1・8程度まで引き上げる数値目標が出ている。
 このままではここ10年で出生率が1.0%近くになるそうだが、それを放っている日本政府は何を考えているのだろう。
 少子化問題も、経済問題だけでなく、年金問題、子供社会の喪失→社会訓練の出来ない無い子供の起こす諸問題、労働力不足を補うために中川秀直さんグループが出した10万人の外国人労働者の導入に伴う日本社会の混乱など、多くの深刻な問題を含んでいる。
 多くの人員を抱える企業での専用または共同の保育所、石原都知事が言った各駅ごとの保育所設置などは企業や都府県の全体予算の割合からすれば僅かなコスト負担で出来るし、育児休暇の人員補充の問題もぎりぎりの人員で仕事をする経営のマイナス面(*注3)から考えても検討に値するものだ。
 然しこれはまた言うのはやすく、行うのは難しい問題だ。
 何故なら専業主婦かキャリヤーで生きるか、またその両立、育児より自分の生活優先の若い人達が増えていることなど、出生率増加には当面の関係者の若い人達の基本的の個人の価値観のあり方について誰もどうすることが出来ないからだ。(*注4)

 然しこのような色々の問題を含み、実現困難な問題も多いが、専門調査会の提案は殆どが正論ばかりだ。
 政府、与野党ともこれにまともに取り組んで欲しいし、マスコミも応援して、そのいくらかでも実現させて貰いたいものだ。

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*注1:前川リポート
 1986年、日米摩擦を緩和するため、日本の対米黒字を減らす狙いで中曽根康弘首相の私的諮問機関「国際協調のための経済構造調整研究会」(座長、前川春雄・元日銀総裁)がまとめた報告書。市場開放と内需主導型への転換が柱で、経済政策運営の基本方針となった。
*注2
合計特殊出生率
 1人の女性が一生に産む子供の人数に近い推計値 
*注3:ぎりぎりの人員で仕事をする経営のマイナス面
・今までの日本企業を支えてきた、自主管理活動、改善運動などが出来なくなる。
・病欠、不時の情勢の変化などの人員不足を現有の人達で補うために、深残業の増加→残った人達の病気や心的な症状の発生→企業の評価の低下
・技術やノウハウの伝承等の教育の時間がない。
などなどの多くの問題がある。
*注4
少子化の個人の価値観の問題
 下記の資料参照のこと
 ・少子化と個人の責任 
 ・少子高齢化と年金
 ・医療問題
  末期医療制度  
 ・カテゴリー → 少子高齢化


社保庁の改革は骨抜きか

2008-07-02 11:33:29 | 福田内閣

 日本年金機構についての最終報告書が6月30日に提出された。
 当日の夜のテレビ朝日の「報道ステーション」では「また社保庁改革案も骨抜きだ」と騒いでいた。
 彼らの言う事も一理はあるが、下記のように現実問題を考えると一概に骨抜きで片づけられる問題でないのは事実だ。

 これに関しての各紙の報道の中で最も厳しい批判記事を書いた産経ニュースの記事が指摘した問題点を記す。
・日本年金機構の正規職員数を現在よりも約2200人削減し、懲戒処分歴のある社会保険庁職員は正規採用しないなどしているが、定年退職者などを除き(*注1)実質的にリストラされる社保庁職員は約900人。正規職員の9割を社保庁移行組が占めることになり、厚生労働省案をベースに報告書をまとめた再生会議の手法の限界も浮き彫りとなった。
・組織再生には外部の血の導入が不可欠だが、外部採用数は全正規職員数1万880人のうち1000人。現在、民間から社保庁に任期付きで派遣されている職員の一部も外部枠採用の見通しで、厳密にはさらに少なく、再生イメージとはほど遠い内容となった
・民主党の長妻昭政調会長代理は「有期雇用などに身分が変わっても、同じ上司と部下のままならば、社保庁の組織文化は何も変わらない」、厚労省幹部を本省に戻さない「ノーリターンルール」についても「厚労省の出世負け組が骨を埋めるのであれば全く意味がない」と批判した。
・今後は、厚労相が任命する設立委員が、職員採用や有期雇用職員の退職金基準などを詳細を詰めるが、さらに中身が甘くならないよう、引き続き国民の厳しいチェックが必要だ。

 「報道ステーション」によれば肝心の設立委員も改革担当の渡辺喜美さんは民間からの公募を主張していたのを、福田さんが自分が決めると言って退けたこと、実際の担当の町村官房長官は記者団の質問に「適任者を選ぶ」の返答を繰り返すなど、何だか雲行きが怪しいようだ。

[私が考える問題点]
札付きの職員も馘に出来ない現実
・馘を切れない札付きの職員も居なければ仕事の引き継ぎが出来ないし、またその人達の受け入れ先がないことだ。
 特に縦割りの政府の人事組織では、他の省が優れた人ならとにかく彼らを受け入れる筈がなく、受け入れ先は厚生労働省だけに限られることだ。
 また今までの厄介な仕事に加えて、新たにコンピューターの入力ミスの修正と正規の仕事以外の仕事が増えるばかり。

升添さんの姿が見えない
・札付きの職員は絶対に採用しないと言っていた升添さんが、一部から批判のある答申案が出た今になって顔をみせいないが、あれだけ威勢の良い発言を繰り返してきた彼が今どのような考えを持っているか聞きたいものだ。(7月2日午前現在)

民主党の対応
・それと年金機構問題問題を更に厄介にするのは、今回の改革案の対象になる職員は民主党の大きな支持母体である官公労に属していることだ。(*注2参照)
 与党は公務員改革制度法案という総論的なテーマでは民主党の支援を得ても、今回のことで民主党がどう廻るのか判らない。
 民主党も世論と今後とも協力を得たい支持母体の狭間に立って難しい選択を迫られるだろう。

職員のやる気と一体感
・正規職員、期間雇用の職員、企業から来た派遣社員、機構が直接雇用する派遣社員の混合組織で、政府の期待している、彼らのモラル、モチベーションをどのようにして上げたり、一体感を醸成できるか。

[私の提案]
経団連へ

・厚生年金保険料の半分は企業が持っているので、経団連は年金問題については大きな発言権を持っている筈だ。
 それで経団連は企業の拠出した年金を護るために、
 傘下企業から優秀な人材を派遣すること。
 年金機構の重要なポストである経理部門などの長の地位を要求すること。
    民間企業が合弁するとき、金の全てが通る派遣先の経理部の長を派遣側の人が占めるのが良くあることだ。

政府へ
・上記の提案は年金機構の運営の成功の成否にも関わっているので、是非実施すること。
・民間から派遣する人には一般の職員ばかりでなく管理部門の人を多くいれること。(*注3)
・民間企業で行われている自主管理・改善活動を取り入れて、機構の運営の改善するとともに傘下の職員のモチベーションや一体感のを上げる事。
・設立委員は町村さんの言う様に、厚生労働省やその族議員の圧力に負けない改革意欲のある「本当に適任の人」を選ぶこと、この選定に失敗すればまた自民党の支持率が落ちるのは間違いない。

升添さんへ
・自分の信念を年金機構改革でも通す事、そのためには自分の職を賭す覚悟を見せること
 もし国民に人気のある升添さんが辞たら、ただでさえ支持率の低下に苦しむ自民党に取って死命を制することになりかねないので、彼の意見は無視できない筈だ。

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*注1:社保庁の発表では、19年度の自己都合退職者は過去最多の702人に達したそうだが、その中には今の社保庁に飽き足らない人、逆に言えば将来の年金機構に必要な意欲のある人達が抜ける影響は大きいと思う。

*注2:社保庁改革では民主党は現存の社保庁職員の継続使用を前提とする、社保庁を解体して業務を国税庁に統合した上「歳入庁」を内閣府の外局に設置する
提案をしていた。

*注3:私たちは問題のある政府関係団体の改革のために、同団体に送り込まれた優秀な民間企業のトップクラスの人達が、厚いドアの総裁室に閉じこまれ、情報不足の中で何も出来なかった実例をあまりにも多く見てきた。
 どんな優秀な人でも手足がなければなにも出来ないのだ


溶けて行く日本人

2008-07-01 12:51:35 | 教育問題

 昨夜の英字新聞輪読会の雑談の中で、世の中はおかしいと言う話から、戦後の日本は性道徳の乱れ、エイズ問題、通り魔的事件など社会現象でも米国の後追いをしていたが、最近は一部では米国を追い抜いて家庭内殺傷の続発、モンスター***などの日本独自の新しい現象が起こっているなど話に花が咲いた。

 ネットの産経ニュースにも「溶け行く日本人」と言うコラムがあり、キレる大人たち…店員並ばせ怒鳴りつけるうちの子は…“自子中心”の保護者この犬をお願いします…身勝手な飼い主、などの話が並んでいる。

[私の意見]
 これらの話や最近の日本の新しい現象から見ても直ぐ気づくのは
・自分のことを棚に上げて全て他人の所為にする。
・見当違いの権利を主張する
・その相手は自分にとって安全な人ばかり、例えば商店、学校、病院、警察、お人好し、秋葉原事件のように武器を持たない一般人などなど。
・自分の殻に閉じ籠り判断もその狭い範囲でしかしない。(車内での化粧)

 この原因は私のような戦前から今まで見てきた年寄りの眼で見ればつぎの問題が考えられる。
・「済みません」から責任を人に転嫁する考え方への変化
 昔は「済みません」に象徴される文化があった。(今でも「有り難う」の代わりに「済みません」と言う人も多い。)
 何か事が起こったときに、自分にも非があるのではないかと言う考えだ。
 「交通事故が起こったときに絶対に済みませんと言ってはいけない」は外国に始めて赴任する人たちへのお決まりのアドバイスだった。(今でもそうかも知れないが。)

・権利重視、日本古来の美風を忘れた教育
 「済みません」の文化は戦後の民主主義教育での権利重視、それに伴う義務・責任の無視または軽視、と個人の尊重の教育と、敗戦で自信を失った人達の家庭内の教育力の減退で日本古来の「済みません」象徴される文化が衰退してしまった。

・密閉空間に閉じ籠もる人達
 民主主義の教育の推進まのために、戦前の価値観を持っている人達から隔絶した環境で教育するために、学校が地域のかけ離れた存在にした。
 これは当時生きていた私たちの実感だし、最近では開かれた学校を目指すところが多くなったと言われる事は、昔は閉ざされた学校だと言う事だ。)
 その密閉空間では戦後復活した左翼的な考えの人達の勢いが増してきた。
 一方、核家族化、少子化で地域での子供社会の縮小または消滅、学校ではクラス内のだけの世界、プライバシー保護のための家庭では子供たちに個室を与えてるなどで子供の世界が極端に小さくなった。
 こう言う密閉空間で育った人達は直ぐに自分の世界に閉じ籠もることに慣れてしまった。
 DV、家庭内殺傷事件はコミュニティーから隔絶した空間で起こりがちだ。

・家庭の教育力の低下→環境の劣化→社会環境の劣化の悪循環
 家庭教育については戦後の親たちの自信の喪失、競争社会で家庭を振り返る余裕が無くなったこと、金が全ての考え方の普及、個人尊重という名の教育の放棄などで家庭内の教育力の低下。
 それと重要なのは日本古来の美徳を無視して個人尊重、権利ばかりで義務、責任の軽視についての考え方で育った人達が親になり、その子がまた親になると言う社会劣化のスパイラルとなっていることだ。
 それがキレル大人、モンスター***など次第に問題を起こす人達の高齢化に進んでいるのだと思う。
 幸いな事にそれがまだ極端にまで進んでいないのは、多くの親たちがまだ日本古来の良い所と、民主主義の良いところを子供たちに教えているからだが、問題はそんな親たちの数が次第に減ってくることだ。

・男女同権の考え方がもたらしたもの
 昔は男の子は男らしく、女の子は女らしくと育てられてきた。
 男は弱いものイジメをしないこと、やらねばならぬときは何があってもやる勇気をもつこと、女の子は優しく思いやりのあるように育てられた。
 勿論、今の時代は男、女を区別して育てるなど問題外にされているし私もそう思う。
 然しそのお蔭で、人間としての良い所、弱いもへ優しさ、勇気、思いやりなどの良い所まで無くしかけている。(*注1) 
 言うまでもなく社会は複雑で、色々の問題も市場経済中心主義、外国人の流入、マスコミの報道のあり方(*注2)など多くの問題が複雑に絡みあって今の世相を作っている。
 その一方でまだまだ健全な家庭やしっかりした考えの人達の方が多い。
 教育の改革もは牛の歩みと言うかかたつむりのスピードだが進んでいる。。

[独立国日本として考えねばならぬこと]
 今の世相について、全ては米国の謀略だと言う人もいる。
 善意に取って考えると、米国は民主主義を押し進めるのに、その背景となっている米国人のフェアプレイ、フロンティア・スピリッツなどの価値観や、宗教の影響などがあって民主主義が成立していること、日本での教育でも日本人に合った環境をも考慮に入れることを忘れていたのだと思う。(これを意識して省いたとすれば謀略となる。)

 然し日本は曲がりなりにも占領後独立国として半世紀が経った。
 日本の教育、日本人の価値観や道徳感に欠けていたのを補いより良いものにするのは明らかに日本自身の責任だ。
 戦前、戦後直後には考えられなかった異常な事件の続発している今こそ、今までの考え方やそれに基づく教育を見直すべきところに来ていると思う。

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*注1:昔も今も弱い立場の人を苛めたり無理難題を吹っ掛けるのは軽蔑されたものだが、今は大人の中には自分の空間に閉じ籠もり、世の批判など耳を傾けようとせず、好きな事をやりたい放題をしている人達がいる、それが所謂モンスター****だ。
*注2:特にテレビ朝日の「スーパーモーニング」で凶悪事件や陰惨な事件の繰り返しの報道や、官庁などの権力機構などの不祥事や官僚の役得などの放送の主旨は判るような気がするが、何でも人の所為にしたがる若者たちの悪事への良い言い訳にかねないことには留意すべきだ。
 暗い面ばかりの報道も良いかも知れないが、必ず厳しい環境で働いている若者達の活躍などの明るい報道を1つか2つは入れれば若い人達への教訓になると思うのだが。

参照: 「済みません」の国日本  
        
秋葉原の通り魔事件 
        
秋葉原の通り魔事件と教育 
         カテゴリー→ いじめ