このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
劇作家クリフォード・オデッツが脚本をリライトした映画「成功の甘き香り」(1957年)は、忘れられないエピソードやセリフ満載だが、その中の一つはその後の僕の行動様式にまで影響を与えた。
いつも金欠のプレス・エージェント(トニー・カーティス)が狭く寒々しいオフィスから外出しようとすると、若い秘書にコートを持っていきなさい、と声を掛けられる。
するとカーティスは笑って言う、クローク代がかかるからいらないよ、と。
自分のネタを使ってくれない大物芸能コラムニスト(バート・ランカスター)を21クラブに訪ねたカーティスはさんざん愚弄された上がりに店の出口で皮肉られる。
「なんだ、コートを持ってきてないのか、おおかたクロークでのチップをケチってのことだろう。」
そう見られるのか。
田舎に行けば行くほど車社会で、ロングコートは無用の長物に等しいのだが、それでもなお、僕がしっかりコートを持ち歩くのは、この映画を十代の頃に深夜テレビで観たからだ。
でも、(これは言わない方がいいのだが)いいコートやいい車はいいところに置いてもらえるのも、長い経験上の厳然たる事実だ。
クロークのシーンは6分から。