このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
とある法人の施設長さんがいらして、経営改善のためにお知恵を拝借したい、と言う。
いやー、知恵をお借りしたいのはこちらの方です、と答えてはみたものの、お役に立てばと考え直し、当職でよければ何でも尋ねてくださいと話したところ、本当にさまざま、こまごま尋ねられた。
けれども、それに即答しているうちに面白くなってきて、僕の方からも相手の施設について質問したりと、だんだん剣術の試合のようになって行った。
活動車の台数、福祉車両としての減免申請は行なっているか、購入かリースか。
敷地内外の看板の数、
コピー機とノートを含むPCの台数、
事務機のメンテナンス業者、
各種マニュアルはデータ化されているか、
デイサービスの昼食代、
シーツやタオルなどリネン類の納入業者、
給付管理ソフト、
介護記録アプリ、
食材の購入先、
収支は減価償却後に黒字か(!)
補助金申請は貴職がおもに行なっているのか、
職員の新規採用は?
機械浴装置は新湯式か循環式か?
照明のLED化は?
今年度のケアマネジャー資格試験を受験する職員はいるか。
車両任意保険はフリート契約か?
—などなど、1時間を超えたころには、二人とも揃って肩で荒く息をついていた。
それにしても、相手がとてもいい表情をしている。
玄関で見送りながら僕は思った、経営者は孤独なものだけれど、きっとこの施設長さんも、一人で考えなければならないことが多過ぎるのだろう。
いつでもまたどうぞ。彼の背中へ、僕は本心からそう声を掛けた。