二年程前にパーカーのジョッター・ラインからボデイに桜の模様を刻んだ日本限定のジャパン・ビューティ・シリーズが発売された。青海波と桜が描かれたギフトパッケージもとても素敵だった。
名前に桜の字が入っている娘に贈ろうかと考えたが、今の学生さんはそれぞれお気に入りのシャープペンシルとリングノートで快適に勉強している。そこに無理強いしてはと思い返して断念した。
僕自身は年季の入ったパーカー使いだが、大男で手も大きく、ジョッターはやや細く小さすぎるのだ。
最近ではジョッターXLという、レギュラーより7%長いものも発売されていて、こちらにはボデイが全身ピンクや金という攻めたモデルまであるのだが、従来安価なジョッターにしてはいいお値段に設定されている。
パーカーについては、値段の割にノック音やノックした時の感触が安っぽい、という購入者のレビューが散見される。
たぶん、そこにこだわっているのは(いい意味で)日本人だけだと思う、世界中で。
似たような例なのだが、英国車のジャガーのウインカー音は性急で重厚さに欠ける。これは僕以外のオーナーさんが話していた。
また、米国車のリンカーンやキャデラックのクラクション音は相当間が抜けている。パオ―ーンと鳴らすと、インド象か、とのツッコミが来そうなほどだった。(来日中のバイデン大統領が、エアフォース・ワンに積んできたプレジデンシャル・キャデラックに乗っていた。)
思うに外国製品は、それをすべて受け入れる心構えがないと、使用しても、所有しても気持ちよくならない。それができないのなら、つまみ食いしないで最初から国産オンリーにしておくのが精神衛生上よろしいだろう。
話題がそれた。
僕はパーカーの中でも廉価なラインのIMシリーズが一番手になじむ。
現在はボディがブラック、ベージュ、金と銀のツートンの計3本のIMを日替わりで胸ポケットにさしていることが多い。
コロナ前まではレジカウンターや窓口で相手の差し出したペンを断るのはやや申し訳ない気持ちが先に立ったけれど、今はその理由もできた。ただ、誤解のないように書いておくと、相手のペンが嫌で触りたくないのではなく、相手のペンに自分の指紋をつけてしまうのが嫌だっただけだ。