せっかくなので、パリ・オリンピックにちなみフレンチ・ポップの名曲のカバーを紹介したい。
映画「突然炎のごとく」(1962年)の中でジャンヌ・モローが歌い、以来愛され続けている佳曲「つむじ風」。ココ・シャネル・ジュエリーのCMで女優キーラ・ナイトレイが歌っている。
フランソワーズ・アルデイに乞われた才人セルジュ・ゲンスブールが凡庸なメリカのポップ・ソングに歌詞をつけ直した「さよならを教えて」(1968年)。大ヒットしてアルディの代表曲となった。
1989年にジミー・ソマーヴィルがユーロビート・アレンジで再度大ヒットさせたが、たぶんアイディアは隣にいる金髪ボブの女性、ジューン・マイルズ・キングストンというドラマーのものだと個人的に思っている。
長くなるので詳しくは書かないけれど、このひとは日本で言うと座敷わらしのような、貴重品、掌中の珠だ。自陣に引き入れれば強運が舞い込み、手放したら指の間から運がすり抜けて行く。
同じくセルジュがフランス・ギャルのために書いて大ヒットした超有名曲「夢見るシャンソン人形」(1965年)。
CMに使われたブリッジのバージョン(1993年)は軽妙で聞きやすい。
セルジュが映画「唇によだれ」(1960年)のために書いた同名曲。歌手で女優のヴァネッサ・パラディが取り上げて素敵に踊り歌う(2001年)。パラディの「つむじ風」は以前取り上げている。
セルジュがブリジット・バルドーのTV番組のために書き下ろした渾身の名曲「ハーレー・ダビッドソン」(1967年)。
なかなかのセンスで歌っているのは、細野晴臣がYMO結成前にバンドを組もうとしたMANNA(岩沢真利子)という女性歌手だ。
映画「アイドルを探せ」(1964年)から2曲を。
まずはタイトル曲「アイドルを探せ」をトノバン(加藤和彦)のアレンジで岡崎友紀が歌った1980年のバージョン。訳詞は加藤夫人の安井かずみだ。
そして、映画のラストでシャルル・アズナブールが歌う「思い出の瞳」。
この映像は、カンボジアの留学生が学費(研究費)を集めるために開いたガーデン・コンサートのものだという。フランス語原詞に母国語を交えて丁寧に歌う姿がとてもチャーミングだ。