新聞開いて最初に読む「折々のことば」(朝日朝刊1面)。今日は少し前に読んだ小説『長いお別れ』(このブログに感想掲載)からの一文。ああ、こんな言葉で立ち止まったなあと思い出した。少し前に読んだのに内容をほとんどは忘れている。そのことには驚かないが、作者の思いが一番濃縮されていると感じたここをすっかり忘れていたことに少しショック。家に帰れなくなったところや、孫との珍妙なやりとりは何となく覚えているのに。
読書の記憶は、暮らしの記憶に比べて脆(もろ)い。そうは思っても何だか嫌だな。昨日の朝飯の献立をすぐに思い出せなくなってきたし。ママヨさんが食事日誌に書き忘れて「○日前の昼、何食べたっけ?」なあんて聞く時があるが、あれは認知症対策ではないだろうなあ。「そんなことを尋ねられるあなた様はどなたですか?」と聞き返す日が来るのはそんなに遠くない気もする。その折りには、この新聞の言葉みたいにお願いしますね。