大学のレポートで、『なので』を使うと減点した。赤ペンで『だから』や『それで』の順接の接続詞をペケの横に添えたが、何度も繰り返し閉口した。小学校の時からがっちり身につけてしまったのだろう。つい最近、中学生の読書感想文(原稿)を読む機会があったが、あるわあるわ。
辞書には、「接続詞、助動詞「だ」の連体形に助詞「ので」のついたもの。だから。であるので。」【広辞苑】 味も素っ気も無いが2018年の第7版だから既に世間では広く使われているのだろう。別のには、「⇒ので、接続詞 前に述べたことと、それを原因・理由として導かれる帰結とを結びつけることを表す。口語的表現 外で食事は済ませてきた。-今は何も欲しくない」【新明解】 広辞苑よりは庶民に少し寄り添ってくれる。こっちの辞書推しの理由は「口語的表現」をバッチリ明記してあるから。口頭発表でなら文句言ったことは無い(言いたいが)。
大学で教えているママヨさんの弟とママヨさんが、ラインで『なので』のやりとりしていた。彼も口語と違い工学系の学生レポートにあったら直させるらしい。文系の姉と理系の弟が互いに辞書引いて対話している、面白いなあ。
別の話だが、『絶対は否定の副詞』という合唱曲があるぐらい、衆目周知の文法が、夏目漱石と森鴎外が否定で無く強調の意味で使っていることが分かり、「あの常識は何だったんだ?」ということになった。『なので』も、近代日本語誕生に貢献したどこかの大家が使っていた、なので『なので』から口語的表現の限定が解除されたりして。そうなっても、違和感は残るなあ、絶対に(あっ、否定で無く強調で使ってる!)
初めて買った新明解は2013年の第7版。もう10年以上経つから、第8版を買ってこよう。この辞書は、時々「あっ」とする奇抜な意味が載っていて楽しい 毎月の定額給料(=小遣い)がわけあって新年度から定額年俸制に変わる。前よりも計画的に自立的に財布を持たなければならないのだが、世間の年俸制の話はこの頃聞かないなあ。