電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

宮城谷昌光『太公望』を読む

2005年02月17日 19時26分22秒 | -宮城谷昌光
『王家の風日』に続き、宮城谷昌光の『太公望』を読んでいる。『太公望』は二度目だ。眠る前に少しずつ読むので、文春文庫でようやく上巻が終わるところ。先日『王家の風日』で受王と其子の物語を読んでいるため、其子と望がなぜ出会うことになったか、よくわかる。描く角度は違うが、同じ時代、同じ登場人物が出てくる。ただし、『太公望』の方がわかりやすく物語として魅力的だ。
若い頃、世界の歴史を習った。そのとき、殷と呼ばれた中国の王朝の始まりを知ったが、商とはこの殷のことを指すのだという。
「殷」については、フリー百科事典"WikiPedia"(*)に詳しい。
商の末期、すさまじいばかりに暴虐の限りをつくした帝紂(受王)は、古代ローマの暴君ネロをもしのぐ存在だろう。結果として受王を支えた其子は、暴君ネロに対するペトロニウスのような存在なのだろうか。シェンキヴィッチの物語『クオ・ヴァディス』では、ネロとペトロニウスは緊張関係と一種のなれあいの混じった関係として描かれているけれど。
(*): フリー百科事典「WikiPedia」
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