電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

物語---繰り返し読む楽しみ

2005年02月24日 20時21分04秒 | 読書
物語を読む楽しみの中に、「何度も繰り返し読む楽しみ」がある。特に、年月を経て再び読み返すとき、以前とは違ったものに気づくことがある。ストーリーを追ってわくわくしながら読んでいた頃には見えなかった、時代の背景や主人公以外の登場人物の魅力と役割などが見えてくることが多い。

学生時代から記録している読みおえた書籍のリストを見ると、好きで何度も繰り返し読んでいる本が浮かびあがってくる。私の場合、それはデュマの『モンテクリスト伯』やデフォーの『ロビンソン・クルーソー』、クリフォード・ストールの『カッコウはコンピュータに卵を産む』、藤沢周平の『蝉しぐれ』や『用心棒日月抄』、吉村昭の『白い航跡』や『アメリカ彦藏』などだ。

初めて読むときのワクワク、再読するときの胸キュン、またまた読み返した後の充実感。年月を経て読み返すときの発見。ずっと昔に買った古い本を、何度も引っ越すたびに持ち歩き、読み終えるたびに奥付けのページに読み終えた場所と日付を書き入れる。ふとその本を手にして読了した日付を見ると、その頃のことを鮮かに思い出すこともある。物語には、そんな楽しみもある。
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