何で読んだか忘れてしまったが、先頃興味深いエッセイを読んだ。書かれたのは、たしか落語家の林家こぶ平さんだったと思う。ある時、先輩にこんな質問をした。「芸は人なり、というけれど、やっぱり良い人じゃなきゃ良い芸はできないんですよね。」
すると、その先輩は、「そんなことはない。」と即座に答えたそうな。「噺家が自分の話を一番最初に聞くのは自分だ。だから、自分の噺で自分の心を揺り動かすことができなけりゃ、お客さんの心を動かすことなんかできない。自分の言葉を自分でいかに納得できるか、そこが大事だ。」と、おおむねそういう趣旨の内容だったように思う。
良い人が良い芸を身に付けるんじゃなくて、芸はどれだけ自分で納得できているか、その人の在り方を写すんだ、ということか。噺家の厳しい世界をかいま見るようなエピソードだろう。
すると、その先輩は、「そんなことはない。」と即座に答えたそうな。「噺家が自分の話を一番最初に聞くのは自分だ。だから、自分の噺で自分の心を揺り動かすことができなけりゃ、お客さんの心を動かすことなんかできない。自分の言葉を自分でいかに納得できるか、そこが大事だ。」と、おおむねそういう趣旨の内容だったように思う。
良い人が良い芸を身に付けるんじゃなくて、芸はどれだけ自分で納得できているか、その人の在り方を写すんだ、ということか。噺家の厳しい世界をかいま見るようなエピソードだろう。