電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

エレーヌ・グリモー(Pf)のラフマニノフ「音の絵」ほか

2005年02月26日 21時19分26秒 | -独奏曲
エレーヌ・グリモー(Pf)のラフマニノフ「ピアノソナタ第2番」と「練習曲集《音の絵》」(DENON,COCO-70754)を聞いている。後に手直しはされているようだが、ピアノソナタは1912-3年の作曲、《音の絵》作品33は1911年、作品39のほうは1916-7年の作曲だという。
1910年にマーラーの「千人の交響曲」が初演され、1912年にはタイタニック号が沈没、1913年にはストラヴィンスキーの「春の祭典」が初演、1911年にはプロコフィエフのピアノ協奏曲第1番が完成し、翌12年に初演されている。そんな時代背景を考えると、ラフマニノフの音楽はずいぶんロマンティックに聞こえる。少なくとも、当時のモダニズムとは遠い位置にあったことだろう。
このCDは、1985年の7月にオランダのライデンで録音されたもので、エレーヌ・グリモーがパリ音楽院を卒業する15歳の年の録音であるという。少女の内面にある音楽的な感情が表出されている、優れた演奏だと思う。

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コンピュータの本を「勉強」する楽しみ

2005年02月26日 09時45分00秒 | コンピュータ
専門の本をいくら読んでも、実際に試せず、すぐには役立たないことが多い。たとえば自然科学の本をいくら勉強しても、実際に自宅で実験できるとは限らないし、経済政策の本を読んでも自分で立案した経済政策を実地に試せるわけでもない。ところがコンピュータの本は、実際に自分で試すことが可能だ。そこに、パーソナル・コンピュータの最大の恩恵があるといえる。特に、awkなどの小規模な言語は、たった一行で目的とするテキストデータ処理が行える場合も多く、覚えれば覚えた分だけ、実際に役に立つ。
ずいぶん以前になるが、トッパンから出た『プログラミング言語AWK』という本を熱心に読んだことがある。一時、人から「愛読書は何ですか」と聞かれると、「実は『プログラミング言語AWK』です」と答えていたほどだ。写真のように、インデックスや付箋を付け、かなりの量の書き込みをしている。当時は MS-DOS 上で使えていたにすぎないが、それでも充分に実用になった。そのときから、コンピュータの本を「勉強」するときは、インデックスや付箋を多用するようになった。専門書を「愛読」するとは妙なものだが、ある程度ものにするには、私の場合そのくらい努力しないとだめなようだ。「これはあの本のあのページに書いてある」ということさえわかれば、別に忘れても差し支えない。
ただ、独学の欠点もある。個々の記述の背景にある思想というか、大きなビジョンを把握しそこねることがある。若い頃、関東地方に住んでいたとき、Uターンするために中学数学の教員免許状を取ろうと考え、某大学のII部の聴講生になって1年間通ったことがある。残念ながら数学教師にはならなかったが、大学の自由な雰囲気の中で聴講生になるというのもいいものだと思った。退職したら、地元の大学の聴講生になって、情報科学の基礎的なところを勉強してみたいものだと願っている。

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