電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

村治佳織さんのこと

2005年02月20日 09時37分18秒 | クラシック音楽
昨日、山形交響楽団の定期演奏会でロドリーゴのアランフェス協奏曲を堪能したので、今朝は以前ビデオに収録していたN響との「ある貴紳のための幻想曲」を聞いた。2002年の9月に放映されたN響アワーを8mmビデオに録画したもので、東京オペラシティホールが会場だそうだ。N響のアシスタントコンダクターの斎藤一郎さんが指揮する、若者向けの私服の演奏会だ。村治佳織さんも、わりにカジュアルな服装で演奏している。
この番組の中で、彼女のインタビューがあった。下町に住み、下町が好きで、日常は地味な生活だという。ご本人の言葉では「友達とお茶したり」、おおぜいの人達を観察して、世代によって姿勢や歩きかたが違うことを発見したり、そんなたわいのないことで喜んでいるという。そんなことを話す表情から見て、おちゃめなところもありそうな女性だ。小さい頃から音楽をしてきて、ギタリストとしてというより、好きな音楽を自然に職業にすることができて幸せだと話す。コマーシャルなどでたいそう人気のある人だが、実像はまた異なるように感じた。
昨日の山響の演奏会では、会場の山形テルサホールが、音響の豊かな、あまり大きくないホールなので、マイクロホンなしで六弦のギターだけで演奏していたが、東京オペラシティホールでは胸の位置に下向きに単一指向性のマイクロホンを立てている。また、山響でも、メンデルスゾーンの「イタリア」のときよりずっと少ない人数で演奏していたが、N響の編成もぐっと少なくしており、ギターとの音量のバランスを考慮しているのだろうと思われる。
ギタリストの中には、大きなホールで大オーケストラと協演するには音量が不足するとして、十弦や十二弦のギターを使う人もいるわけだが、普通の六弦のギターで音楽の表現を追求している若いお嬢さんの心意気を感じる。応援したい人の一人だ。
コメント (4)