東京に唯一持参したCDです。大雨のため待たされた電車の中で「雨の歌のソナタ」のCDを聞いていました、というのは実にシャレにならない状況です(^_^;)>poripori
さて、1878年から79年にかけて、スイスのペルチャッハで作曲されたというこの曲は、ヴァイオリン協奏曲で採用しなかった素材を生かして書かれたのだとか。廃物利用というにはあまりにも素敵な音楽です。そういえばブラームスは、ドヴォルザークが捨てた屑かごから素材を拾って交響曲が何曲も書けるくらいだ、と彼の旋律の才能をうらやましがっていたといいますから、案外屑かごあさりは得意だったのかもしれません(^_^;)>poripori
それは冗談として、新潮文庫の三宅幸夫『ブラームス』(カラー版大作曲家の生涯)によれば、ブラームスの友人ビルロートが「あまりにも繊細で、あまりにも真実で、あまりにも暖かく、一般の聴衆にとってはあまりにも心がこもり過ぎている」と評したというこの曲。東洋の島国の、一般の聴衆に過ぎない私には実際「ネコに小判、豚に真珠」なのかもしれませんが、そんな了見のせまいことを言わないで「この曲、いいなぁ~!」と言わせてほしいものです。それにしても、内省的なブラームスの室内楽の特徴をよく表している曲だと思います。
第1楽章、ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ。ヴァイオリンが優しく繊細な旋律を奏で、ピアノがおおらかにこたえるうちに、しだいに活気を増してきます。
第2楽章、アダージョ。ピアノが深々とした旋律を奏でた後、静かにヴァイオリンが入り、ときおり重音を響かせながら哀感に満ちた音楽を聞かせます。
第3楽章、アレグロ・モルト・モデラート。歌曲「雨の歌」Op.59の旋律を主要主題として、ヴァイオリンがこれを歌うのだそうです。残念ながら一度も聞いたことがありませんが、きっと味わい深い歌曲なのでしょう。この楽章も、「晦渋な髭のブラームス」という印象を裏切る、ほんとに素敵な音楽です。
演奏は、イツァーク・パールマン(Vn)とアシュケナージ(Pf)によるEMIのレギュラープライス盤(CC33-3517)。1983年にロンドンのアビーロード・スタジオでデジタル録音されたものです。
ちなみに、演奏データは次のとおりです。
■パールマン(Vn)、アシュケナージ(Pf)盤
I=10'42" II=8'03" III=8'16" total=27'11"
この11月には、安部敦子(Vn)+ヤン・ホラーク(Pf)のコンビでこの曲の演奏が聴ける予定。11月18日(土)19時、文翔館ゲミュートリッヒにトーク&クラシック Vol.4。楽しみです。
さて、1878年から79年にかけて、スイスのペルチャッハで作曲されたというこの曲は、ヴァイオリン協奏曲で採用しなかった素材を生かして書かれたのだとか。廃物利用というにはあまりにも素敵な音楽です。そういえばブラームスは、ドヴォルザークが捨てた屑かごから素材を拾って交響曲が何曲も書けるくらいだ、と彼の旋律の才能をうらやましがっていたといいますから、案外屑かごあさりは得意だったのかもしれません(^_^;)>poripori
それは冗談として、新潮文庫の三宅幸夫『ブラームス』(カラー版大作曲家の生涯)によれば、ブラームスの友人ビルロートが「あまりにも繊細で、あまりにも真実で、あまりにも暖かく、一般の聴衆にとってはあまりにも心がこもり過ぎている」と評したというこの曲。東洋の島国の、一般の聴衆に過ぎない私には実際「ネコに小判、豚に真珠」なのかもしれませんが、そんな了見のせまいことを言わないで「この曲、いいなぁ~!」と言わせてほしいものです。それにしても、内省的なブラームスの室内楽の特徴をよく表している曲だと思います。
第1楽章、ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ。ヴァイオリンが優しく繊細な旋律を奏で、ピアノがおおらかにこたえるうちに、しだいに活気を増してきます。
第2楽章、アダージョ。ピアノが深々とした旋律を奏でた後、静かにヴァイオリンが入り、ときおり重音を響かせながら哀感に満ちた音楽を聞かせます。
第3楽章、アレグロ・モルト・モデラート。歌曲「雨の歌」Op.59の旋律を主要主題として、ヴァイオリンがこれを歌うのだそうです。残念ながら一度も聞いたことがありませんが、きっと味わい深い歌曲なのでしょう。この楽章も、「晦渋な髭のブラームス」という印象を裏切る、ほんとに素敵な音楽です。
演奏は、イツァーク・パールマン(Vn)とアシュケナージ(Pf)によるEMIのレギュラープライス盤(CC33-3517)。1983年にロンドンのアビーロード・スタジオでデジタル録音されたものです。
ちなみに、演奏データは次のとおりです。
■パールマン(Vn)、アシュケナージ(Pf)盤
I=10'42" II=8'03" III=8'16" total=27'11"
この11月には、安部敦子(Vn)+ヤン・ホラーク(Pf)のコンビでこの曲の演奏が聴ける予定。11月18日(土)19時、文翔館ゲミュートリッヒにトーク&クラシック Vol.4。楽しみです。