昨日はしばらくぶりの秋晴れの休日でした。外出から戻り自宅でリムスキー・コルサコフの「シェエラザード」を聞きました。早朝の音楽には最もふさわしくないであろう選曲ですが、日中ならば堂々と音量を上げて聞くことができます。
2001年だったか2003年だったか、記録もれで不明ですが、「千一夜物語~アラビアン・ナイト」という映画がNHKで放送されました。これを、8ミリビデオに録画し、ずいぶん楽しみました。
映画のあらすじはこんな感じ:
王妃である妻が弟を相手に不貞をはたらき、シャリアール王を殺害しようとします。間一髪逃れることができたものの、愛する妻に裏切られた王は女性不信に陥り、次々と新しい娘と結婚し、翌日には新妻を殺害してしまうのです。大臣の娘でシャリアール王の幼馴染でもあったシェエラザードは、自ら望んで王のもとに行き、王の恐怖と不安と人間不信を知ります。そして、不思議な物語を語り始めるのです。王は聡明なシェエラザードの意図を知りつつ、美しい裸身を愛でながら話の面白さに翌日も別の物語を聞かせよと命じます。その物語にこめられた教訓だけでなく、シェエラザードがたとえ話を通じて命がけで訴える慈悲や誠実さや勇気の物語に、いつしか名君であったシャリアール王の勇気と知性とがよみがえり、弟王の反乱に立ち向かうのでした。
冒頭の序奏のヴァイオリン・ソロや、IIIの「若い王子と王女」でのヴァイオリンとチェロとの対話などは、コンサート・マスターの聞かせどころでしょう。たとえば山形交響楽団の場合は、過日のテレビ番組では生真面目な応答ぶりでしたが本当はおちゃめな(?)犬伏亜里さんという女性。あいにく、かつて演奏会でこの曲を取り上げた頃は、私は夜間勤務の単身赴任中で、実演に接することはかないませんでした。でも、将来ポピュラーコンサート等での再演を楽しく空想することはできます。いつもは黒づくめのしかつめらしい服装でも、この曲目のときばかりはおもいきりドレスアップして、シェエラザードの思いのたけを存分に語っていただきたいものです(^_^)/
さて、CDで聞く「シェエラザード」は、
I 海とシンドバッドの船
II カレンダー王子の物語
III 若い王子と王女
IV バグダッドの祭~海~船は青銅の騎士のある岩で難破~終曲
という構成です。
オスカー・ダノン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団による演奏は、ブックオフの全集分売もので、DENON MyClassicGallery シリーズのうちの1枚(GES-9226)。IIのカレンダー王子の物語をゆったりとしたテンポで進めるなど、堂々とした印象を受ける演奏です。オスカー・ダノンはユーゴ生まれのベテラン指揮者で、もう90歳を越している(*)はず。この演奏は、録音データの記載がないのでなんとも言えませんが、デジタル録音以前、おそらく60年代のスプラフォン録音でしょう。だとすれば、ダノンは50代、働き盛りでしょうか。コロムビアのベテラン編集者が、60年代の初来日時を懐かしみながら、全集のリストに入れたのかもしれません。
もう一枚は、シャルル・デュトワとモントリオール交響楽団の1983年のデッカのデジタル録音(410 253-2)。こちらは代表的な演奏・録音ですので、何も言う必要がないくらい、すばらしくうまい。
参考までに、演奏データを示します。
■オスカー・ダノン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
I=10'00" II=13'30" III=11'11" IV=12'21" total=47'02"
■シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団
I=10'31" II=11'31" III=10'33" IV=12'24" total=44'59"
(*):指揮者オスカー・ダノン近況(2002年)、ピアニストの西井葉子さんのページ
(*2):西井葉子さんのWEBのトップページはこちら
【追記】
ニュースでフィギュアスケートの朗報を伝えていましたが、音楽は「シェエラザード」を使ったのだそうです。これで「のだめカンタービレ」につづき、ひとしきりクラシック音楽の話題が盛り上がるかもしれません(^_^)/
2001年だったか2003年だったか、記録もれで不明ですが、「千一夜物語~アラビアン・ナイト」という映画がNHKで放送されました。これを、8ミリビデオに録画し、ずいぶん楽しみました。
映画のあらすじはこんな感じ:
王妃である妻が弟を相手に不貞をはたらき、シャリアール王を殺害しようとします。間一髪逃れることができたものの、愛する妻に裏切られた王は女性不信に陥り、次々と新しい娘と結婚し、翌日には新妻を殺害してしまうのです。大臣の娘でシャリアール王の幼馴染でもあったシェエラザードは、自ら望んで王のもとに行き、王の恐怖と不安と人間不信を知ります。そして、不思議な物語を語り始めるのです。王は聡明なシェエラザードの意図を知りつつ、美しい裸身を愛でながら話の面白さに翌日も別の物語を聞かせよと命じます。その物語にこめられた教訓だけでなく、シェエラザードがたとえ話を通じて命がけで訴える慈悲や誠実さや勇気の物語に、いつしか名君であったシャリアール王の勇気と知性とがよみがえり、弟王の反乱に立ち向かうのでした。
冒頭の序奏のヴァイオリン・ソロや、IIIの「若い王子と王女」でのヴァイオリンとチェロとの対話などは、コンサート・マスターの聞かせどころでしょう。たとえば山形交響楽団の場合は、過日のテレビ番組では生真面目な応答ぶりでしたが本当はおちゃめな(?)犬伏亜里さんという女性。あいにく、かつて演奏会でこの曲を取り上げた頃は、私は夜間勤務の単身赴任中で、実演に接することはかないませんでした。でも、将来ポピュラーコンサート等での再演を楽しく空想することはできます。いつもは黒づくめのしかつめらしい服装でも、この曲目のときばかりはおもいきりドレスアップして、シェエラザードの思いのたけを存分に語っていただきたいものです(^_^)/
さて、CDで聞く「シェエラザード」は、
I 海とシンドバッドの船
II カレンダー王子の物語
III 若い王子と王女
IV バグダッドの祭~海~船は青銅の騎士のある岩で難破~終曲
という構成です。
オスカー・ダノン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団による演奏は、ブックオフの全集分売もので、DENON MyClassicGallery シリーズのうちの1枚(GES-9226)。IIのカレンダー王子の物語をゆったりとしたテンポで進めるなど、堂々とした印象を受ける演奏です。オスカー・ダノンはユーゴ生まれのベテラン指揮者で、もう90歳を越している(*)はず。この演奏は、録音データの記載がないのでなんとも言えませんが、デジタル録音以前、おそらく60年代のスプラフォン録音でしょう。だとすれば、ダノンは50代、働き盛りでしょうか。コロムビアのベテラン編集者が、60年代の初来日時を懐かしみながら、全集のリストに入れたのかもしれません。
もう一枚は、シャルル・デュトワとモントリオール交響楽団の1983年のデッカのデジタル録音(410 253-2)。こちらは代表的な演奏・録音ですので、何も言う必要がないくらい、すばらしくうまい。
参考までに、演奏データを示します。
■オスカー・ダノン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
I=10'00" II=13'30" III=11'11" IV=12'21" total=47'02"
■シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団
I=10'31" II=11'31" III=10'33" IV=12'24" total=44'59"
(*):指揮者オスカー・ダノン近況(2002年)、ピアニストの西井葉子さんのページ
(*2):西井葉子さんのWEBのトップページはこちら
【追記】
ニュースでフィギュアスケートの朗報を伝えていましたが、音楽は「シェエラザード」を使ったのだそうです。これで「のだめカンタービレ」につづき、ひとしきりクラシック音楽の話題が盛り上がるかもしれません(^_^)/