電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ハイドン「チェロ協奏曲第1番」を聴く

2011年09月23日 06時02分42秒 | -協奏曲
最近の通勤の音楽は、ハイドンのチェロ協奏曲です。チェロ独奏はヨーヨーマで、ホセ・ルイス・ガルシア指揮のイギリス室内管弦楽団の演奏。第1番と第2番、それにボッケリーニのチェロ協奏曲を収録したCD(CBS-SONY:22DC-5526)ですが、本日は第1番を取り上げます。

Wikipedia(*1)によれば、この曲は、「ハイドンが1765年から1767年頃に作曲したチェロ協奏曲の一つ」で、「ハイドンの真作と確認され、現存しているチェロ協奏曲は、この曲と第2番 ニ長調 Hob.VIIb-2 作品101のみである(第3番は紛失)」とのことですから、30代中頃の作品ということになります。「楽譜は長い間失われていたが、1961年にプラハで筆写譜が発見され、1962年にミロシュ・サードロのチェロにより復活初演された」曲だそうな。なんと、そんなことがあったのですか。二百年も眠りつづけた音楽が、こうして録音され、東洋の島国の片田舎で愛好されるとは、ハイドン先生も、おそらく想像できなかったことでしょう。

楽器編成は、独奏チェロ、オーボエ2、ホルン2、弦5部というものだそうで、
第1楽章:モデラート、ハ長調、4分の4拍子。いかにも古典派ハイドンらしい出だしで、独奏チェロが入ってくると、がぜん魅力アップです。ヨーヨーマのチェロは、実に屈託なく、音も美しく、ハイドンの音楽の性格が実によく似合っています。
第2楽章:アダージョ、ヘ長調、4分の2拍子。管楽器を外し、弦だけで演奏される、優美な緩徐楽章。チェロの独奏部分もステキです。
第3楽章:アレグロ・モルト、ハ長調、4分の4拍子。バロック協奏曲の性格を残した、急ー緩ー急で言えば「急」の楽章です。独奏者の技術を示す演奏効果もあり、速いテンポとリズムが快感を感じさせる音楽です。

ハイドンの音楽は、若い頃は「しかつめらしい音楽で、ドラマチックな迫力に欠ける」と感じていました。ところが中年以降は、じわりと良さを感じます。たっぷりヴィヴラートをきかせたこの演奏は、古楽奏法による快速表現とは違い、少し取り澄ました感じはいたしますが、それはそれで耳馴染みの安心感があります。

そういえば、昔、ロストロポーヴィチが演奏するハイドンのチェロ協奏曲のレーザーディスクを、某君に記念に贈って、たいへん喜ばれたことがあります。ロストロポーヴィチのあの演奏も、とてもよかった。某君は、先年、惜しくも急逝してしまいましたが、この曲を聴くと、彼の笑顔を思い出します。

■ヨーヨーマ盤
I=9'01" II=8'13" III=6'28" total=23'42"

(*1):チェロ協奏曲第1番(ハイドン)~Wikipediaより

コメント (4)