2015/16シーズンの最終回、第251回定期演奏会を聴きました。今回は、
というプログラムです。
ロビー・コンサートはチェロ五重奏で、ビゼーの「5本のチェロのためのカルメン組曲」とチャイコフスキー「アンダンテ・カンタービレ」Op.11でした。左から小川和久・邢広京・久良木夏海・渡邊研太郎・茂木明人の五人が勢ぞろい。なんでも、このうちお二人が誕生日だったのだそうです。ケーキとろうそくというわけにはいかず、演奏のほうでは、きっと汗をかくほど苦労されたことでしょう(^o^)/
ヴァイオリンのような軽やかさは難しいとしても、カルメン組曲で奔放な女性を表現した小川さんと、これを支えた山響チェロ部隊に拍手!
ホール内に入り、西濱事務局長と飯森音楽監督のプレトークでは、来シーズンのベートーヴェン交響曲全曲演奏の序曲となるとともに、現在の山響の規模で演奏可能なブルックナーの交響曲の最後になる第2番を、一部はノヴァーク版を取り入れながらキャラガン版で演奏する理由について、コンパクトですっきりしているからで、響きの余韻を楽しんでほしいと説明します。これは、大規模なオーケストラで演奏するだけがブルックナーの演奏ではないとする試みとも通じる、一貫した考えでしょう。
楽器編成は、第1ヴァイオリン(10)と第2バイオリン(8)を左右に対向配置とし、その奥にチェロ(6)とヴィオラ(6)、左手奥にはコントラバス(4)が並びます。正面奥にはフルート(2)とオーボエ(2)、その奥にクラリネット(2)とファゴット(2)の木管楽器、さらにその奥にはホルン(2)とトランペット(2)の金管楽器、その右にはバロック・ティンパニが配置されています。
今回もまた、ステージ上には何本もマイクロホンがセットされ、録音が行われているようです。コンサートマスターは、高橋和貴さんです。
第1曲:ベートーヴェンの序曲「プロメテウスの創造物」Op.43です。この響きは、交響曲第1番とほぼ同じ頃の作品だけありますね~。
第2曲:序曲「アテネの廃墟」Op.113 では、ホルンが2本追加され、4本となります。実はバイロン・フィデチスさん指揮の第195回定期演奏会で、車を飛ばしてもこの曲だけ間に合わなかったことがあり(*1)、生では初めて聴きました。
第3曲:劇付随音楽「エグモント」序曲。いつもは、ピラール・ローレンガーが歌い、ヴッソウが外国語のラジオドラマのような語りを入れたCDでなじんでいますが、やっぱりホールで聴く生の演奏は別格です。
ここで、もう休憩(^o^)/
そして、後半はブルックナーの交響曲第2番です。1877年第2稿・キャラガン校訂版ということですが、そもそもこの曲自体があまり聴き馴染みのないものですし、当方のような素人音楽愛好家には版の問題などはまったくノー・プロブレム(^o^;)>poripori
楽器編成は、最後列に現代のティンパニとトロンボーン(3)が加わります。うち1本はバス・トロンボーンのようです。したがって、Fl(2)-Ob(2)-Cl(2)-Fg(2)-Hrn(4)-Tp(2)-Tb(3),Timp.及び弦楽5部(10-8-6-6-4)という形でしょうか。
第1楽章:モデラート、弦の上に木管の音を乗せ、さらに金管とティンパニでダメ押しするというブルックナーのやり方は、たいへん効果的です。演奏するほうは、実は大変なのでしょうが(^o^)/
第2楽章:アンダンテ、荘重に、やや動きをもって。穏やかで大きな始まり。弦のピツィカートの中でのホルン・ソロが印象的です。
第3楽章:スケルツォ、適度に速く。炸裂する金管、ティンパニも活躍し、いかにもブルックナーといった風情です。
第4楽章:フィナーレ、より速く。迫力ある全奏の後の全休止、そして優しい弦楽合奏。こんな感じが何度も繰り返されます。中間部は長い長い展開で、なんだか終わりそうにない感じですが、ようやく追い込み態勢に入ったと思ったらティンパニの連打と怒涛の強奏で、緊張感を保ったままの終結です。ブラ~ヴォ!
終演後のファン交流会で、飯森さんがちょっとだけもらした、ブルックナーの残りの曲、第0番・第8番・第9番の3曲については、新しい県民会館のホールができる時までに経営状態を改善できれば、ぜひやりたいものだ、とのことでした。それは嬉しい目標です。西濱新事務局長を中心とした改革で、経営状態は着々と改善されているそうで、新シーズンからは定期演奏会を毎回二回公演に戻すことができそうだとのこと。我らが山響の今後の活躍と経営の安定を祈りましょう。
実は、この後にいくつかの自主公演のお知らせがありました。久良木夏海さんのチェロ・リサイタルのチケットを、ご本人が用意しているとのことでしたので、さっそく購入して来ました。直近の演奏会予定は次のとおり。これを目標に、せっせと働きましょう(^o^)/
■3月30日(水)19時~、県民会館やまぎんホール、オーケストラの日2016コンサート
■4月3日(日)14時~、文翔館、久良木夏海チェロリサイタルVol.2
■4月24日(日)18時30分~、文翔館、山形弦楽四重奏団第59回定期演奏会
(*1):山形交響楽団第195回定期演奏会を聴く~「電網郊外散歩道」2009年3月
- ベートーヴェン:序曲「プロメテウスの創造物」
- 同:序曲「アテネの廃墟」
- 同:序曲「エグモント」
- ブルックナー:交響曲第2番 ハ短調 (1877年第2稿・キャラガン校訂版)
飯森範親指揮 山形交響楽団
というプログラムです。
ロビー・コンサートはチェロ五重奏で、ビゼーの「5本のチェロのためのカルメン組曲」とチャイコフスキー「アンダンテ・カンタービレ」Op.11でした。左から小川和久・邢広京・久良木夏海・渡邊研太郎・茂木明人の五人が勢ぞろい。なんでも、このうちお二人が誕生日だったのだそうです。ケーキとろうそくというわけにはいかず、演奏のほうでは、きっと汗をかくほど苦労されたことでしょう(^o^)/
ヴァイオリンのような軽やかさは難しいとしても、カルメン組曲で奔放な女性を表現した小川さんと、これを支えた山響チェロ部隊に拍手!
ホール内に入り、西濱事務局長と飯森音楽監督のプレトークでは、来シーズンのベートーヴェン交響曲全曲演奏の序曲となるとともに、現在の山響の規模で演奏可能なブルックナーの交響曲の最後になる第2番を、一部はノヴァーク版を取り入れながらキャラガン版で演奏する理由について、コンパクトですっきりしているからで、響きの余韻を楽しんでほしいと説明します。これは、大規模なオーケストラで演奏するだけがブルックナーの演奏ではないとする試みとも通じる、一貫した考えでしょう。
楽器編成は、第1ヴァイオリン(10)と第2バイオリン(8)を左右に対向配置とし、その奥にチェロ(6)とヴィオラ(6)、左手奥にはコントラバス(4)が並びます。正面奥にはフルート(2)とオーボエ(2)、その奥にクラリネット(2)とファゴット(2)の木管楽器、さらにその奥にはホルン(2)とトランペット(2)の金管楽器、その右にはバロック・ティンパニが配置されています。
今回もまた、ステージ上には何本もマイクロホンがセットされ、録音が行われているようです。コンサートマスターは、高橋和貴さんです。
第1曲:ベートーヴェンの序曲「プロメテウスの創造物」Op.43です。この響きは、交響曲第1番とほぼ同じ頃の作品だけありますね~。
第2曲:序曲「アテネの廃墟」Op.113 では、ホルンが2本追加され、4本となります。実はバイロン・フィデチスさん指揮の第195回定期演奏会で、車を飛ばしてもこの曲だけ間に合わなかったことがあり(*1)、生では初めて聴きました。
第3曲:劇付随音楽「エグモント」序曲。いつもは、ピラール・ローレンガーが歌い、ヴッソウが外国語のラジオドラマのような語りを入れたCDでなじんでいますが、やっぱりホールで聴く生の演奏は別格です。
ここで、もう休憩(^o^)/
そして、後半はブルックナーの交響曲第2番です。1877年第2稿・キャラガン校訂版ということですが、そもそもこの曲自体があまり聴き馴染みのないものですし、当方のような素人音楽愛好家には版の問題などはまったくノー・プロブレム(^o^;)>poripori
楽器編成は、最後列に現代のティンパニとトロンボーン(3)が加わります。うち1本はバス・トロンボーンのようです。したがって、Fl(2)-Ob(2)-Cl(2)-Fg(2)-Hrn(4)-Tp(2)-Tb(3),Timp.及び弦楽5部(10-8-6-6-4)という形でしょうか。
第1楽章:モデラート、弦の上に木管の音を乗せ、さらに金管とティンパニでダメ押しするというブルックナーのやり方は、たいへん効果的です。演奏するほうは、実は大変なのでしょうが(^o^)/
第2楽章:アンダンテ、荘重に、やや動きをもって。穏やかで大きな始まり。弦のピツィカートの中でのホルン・ソロが印象的です。
第3楽章:スケルツォ、適度に速く。炸裂する金管、ティンパニも活躍し、いかにもブルックナーといった風情です。
第4楽章:フィナーレ、より速く。迫力ある全奏の後の全休止、そして優しい弦楽合奏。こんな感じが何度も繰り返されます。中間部は長い長い展開で、なんだか終わりそうにない感じですが、ようやく追い込み態勢に入ったと思ったらティンパニの連打と怒涛の強奏で、緊張感を保ったままの終結です。ブラ~ヴォ!
終演後のファン交流会で、飯森さんがちょっとだけもらした、ブルックナーの残りの曲、第0番・第8番・第9番の3曲については、新しい県民会館のホールができる時までに経営状態を改善できれば、ぜひやりたいものだ、とのことでした。それは嬉しい目標です。西濱新事務局長を中心とした改革で、経営状態は着々と改善されているそうで、新シーズンからは定期演奏会を毎回二回公演に戻すことができそうだとのこと。我らが山響の今後の活躍と経営の安定を祈りましょう。
実は、この後にいくつかの自主公演のお知らせがありました。久良木夏海さんのチェロ・リサイタルのチケットを、ご本人が用意しているとのことでしたので、さっそく購入して来ました。直近の演奏会予定は次のとおり。これを目標に、せっせと働きましょう(^o^)/
■3月30日(水)19時~、県民会館やまぎんホール、オーケストラの日2016コンサート
■4月3日(日)14時~、文翔館、久良木夏海チェロリサイタルVol.2
■4月24日(日)18時30分~、文翔館、山形弦楽四重奏団第59回定期演奏会
(*1):山形交響楽団第195回定期演奏会を聴く~「電網郊外散歩道」2009年3月