電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山響第265回定期演奏会でベートーヴェン、チャイコフスキーを聴く

2018年01月15日 06時04分44秒 | -オーケストラ
真冬の休日、日曜の午後3時から、山形テルサホールで山形交響楽団第265回定期演奏会を聴きました。朝までは、早めに出かけて駐車場を確保しなければと思っていたのですが、昼食後うっかり時を過ごしてしまい、いつもの時間帯に出発しましたら、案の定、駐車場が確保できません! チケットは完売というアナウンスを甘く見ていました! 仕方がなく、少々遠い駐車場に車を駐めて会場に走りました。

ゴールインしたのがぎりぎり開演間近だったために、今回の座席は最前列右側で、ヴィオラとコントラバスの真ん前でした。いつもステージの見通しの良いところに座るようにしているのですが、今回はそういうわけで見えるのはヴィオラとコントラバスと、チェロの一部だけ。気づいたら、今回はコントラバス奏者が4人並んでいます。プログラム末尾の奏者一覧をみると、どうやら客演の助川龍さん(仙台フィル)が加わっているらしい。なるほど!

本日のプログラムは、次のとおりです。

  1. ベートーヴェン/「コリオラン」序曲 ハ短調 作品62
  2. ベートーヴェン/ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲 ハ長調 作品56
  3. チャイコフスキー/交響曲第5番 ホ短調 作品64
     黒岩英臣 指揮、長原幸太(Vn)、中木健二(Vc)、永田美穂(Pf)、山形交響楽団

楽器配置は、左から順に第1・第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、右後方にコントラバス(4)、正面奥に木管、その後方に金管、右脇にティンパニというものです。このあたりは、指揮者の黒岩さんの流儀でしょうか。

第1曲:「コリオラン序曲」。出だしから、コントラバスとチェロによる低弦の威力をまざまざと感じます。ヴィオラが刻む切迫するようなリズムが、いかにもベートーヴェンらしい緊張感を感じさせます。なんだかいつもよりも迫力があるなあと感じましたが、座席が最前列だったからというだけでなく、実はチェロのパートにもメガネをかけた女性がいました。やはり客演で、大内麻央さん(東京フィルハーモニー)。今回は、だいぶ弦を増強して臨んでいるようです。

第2曲:「三重協奏曲」。コントラバスの低音で始まり、迫力を満喫。CDではおなじみですが、実演では初めて聴きます。この曲は、ピアノトリオとオーケストラの協奏曲みたいだと感じていましたが、実際に独奏楽器とオーケストラが競い合うような面もあるけれど、ピアノトリオにオーケストラがそっと合いの手を入れているみたいな面もあり、あらためておもしろい曲だと感じました。ソリストを三人も揃えなければならず、営業的には積極的に選ばれる曲目ではないでしょうが、音楽としてはいい曲だと思います。

ここで15分の休憩です。


第3曲:チャイコフスキー「交響曲第5番」。指揮台に立つ黒岩英臣さん、気合は充分です。なにせ、頭に鉢巻ならぬヘッドバンドをして、メガネ(老眼鏡?)の落下防止対策でしょう。情熱的な指揮ぶりはほんとに若々しい。増強した弦楽セクション(全体が見えないけれど、たぶん10-8-6-6-4)の効果もあって、金管の咆哮に負けない迫力を感じます。第2楽章:Andante cantabile, con alcunalicenza での長いホルンソロも見事に決まり、ロマンティックな表現も濃厚なロシア風です。良かった〜!
もう一つ、気づいてしまいました。コントラバスで例えば2ndの米山さんが譜面をめくると、トップの助川さんが弓で抑えてページが戻らないようにするのですね。うーむ、連携プレーだなあ。音楽の高揚の影に気遣いありと見ました(^o^)/



この日はすぐ帰らなければならず、ファン交流会には参加せずにホールを後にしましたが、団員の皆さんのお見送りを受けて、嬉しく思いました。
そうそう、プログラム冊子の中では、団員インタビューの第20回、コントラバスの相川誠さんの記事がおもしろかった。「山響に入団して思い出に残っているエピソード」が大受けでした(^o^)/

次回は、広上淳一さんの指揮で、チャン・ユジン(Vn)さんを迎え、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番とブラームスの交響曲第1番他の予定。楽しみです。

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