電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

新しい職場の事情からLaTeXのオンラインサービスにたどり着く

2020年04月30日 06時01分37秒 | コンピュータ
育児休業に入った若い人の代わりに助っ人を依頼され、この春から期限付とはいえフルタイムで新しい職場に勤めております。年金受給の年齢になって、体力的に大丈夫かと心配しましたが、新型コロナウィルス禍で、体力よりもウィルス感染のほうが心配です(^o^)/

それはともかく、新しい職場でも過去の経験や文書資産を活かせないかと考え、システム管理の若い人に、私が使うPCに TeX/LaTeX システム(*1)を導入してよいか、可否を打診しました。残念ながら、部門で共通利用するものであればともかく、個人的利用のソフトウェア(*2)は認められないとのこと。まあ、そうでしょうなあ。私も2000年前後にシステム管理者の真似事をしていましたので、残念ではありますが、彼の立場も理解できます。

その後、2010年頃からは、すっかり事務的管理的な仕事ばかりでしたので、MS-Word や Excel、PowerPoint で完結し、仕事ではほとんど使っておりませんでした。ただ、今の業務のうちの一部は、1990年代から30年間も蓄積してきた昔の論文・報告書や資料など個人的な文書資産から必要な部分を引っ張り出し、少し手直しして使うほうが良さそうです。マークアップしたテキストファイルという LaTeX 文書の利点は、こうしたデータの継続性にこそあるわけですから、新たに Word 等でゼロから作り直す労力を考えると、正直な話、やってられません(^o^)/
もちろん、事務的な仕事ではちゃんと職場の皆さんと同じ MS-Word/Excel を使っておりますよ(^o^)/
専門分野での話です。

これは、若い人たちをわずらわせず、無断インストールなどして周囲に波風を立てるよりも、全く別の方法を考えたほうが良さそうです。そこで、オンラインで処理できないか、Google で検索してみました。具体的には、

LaTeX WEB上で

で検索。そうしたら、どうやら WEB上で LaTeX 文書を作成・組版し、最終的に PDF 文書にしてくれるサービスがいくつかあるみたいです。



その一つ、Overleaf(*3) というオンラインサービスを試してみました。個人利用ならば無料で、複数の人が共同利用するならば有償になるというもので、理数系書籍や論文の共同執筆などに適したもののようです。試しに使ってみたら、最初は日本語が通らず、はてな? と首をかしげましたが、いくつかのサイトの説明(*4)を読んでみると、どうやら

  • 組版実行に LaTeX を指定し、
  • プロジェクトの中に latexmkrc というファイルを作成する

ことで日本語文書を作成組版することができるようです。

ただし、ブラウザ上からちまちまと LaTeX ソースを入力し、コンパイルするやりかたでは、入力した文字の1文字目が取りこぼされ、「そのとき(sonotoki)」と入力したはずが「おのとき(onotoki)」になってしまいます。どうもレスポンスが今一つで、リアルタイムに入力して組版するやり方では支障があるみたい。あらかじめ Emacs 等のテキストエディタで作成した(または既存の)ソースファイルを upload し、職場では必要な部分を手直し編集して最終的な出力を PDF で得るようにすれば大丈夫、ということのようです。

うーむ、かくして技術は困難を突破する(^o^)/
私と同じように、悪気はないシステム管理者に TeX/LaTeX 環境の導入を拒否されて困った人が他にもいた(いる)のでしょうなあ(^o^)/

(*1):LaTeX入門〜TeX Wiki
(*2):昔、TeX/LaTeX を使って何度か仕事上の報告書を作成したこともありますので、必ずしも個人的利用とは言い切れないのですが、たしかに今の職場では利用者は私一人だけみたい(^o^)/
(*3):Overleaf〜公式ページ
(*4):例えば、オンラインLaTeX執筆環境Overleafで日本語文書を作成する
(*5):研究者の世界でもMS-Wordのシェアは多いがOverleaf等のサービスが共同執筆の点から注目される面もあるらしい。


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