(車の中から見えた真っ赤な、というより真っ黄色の太陽!)
≪シンポジウムの趣旨≫
本シンポジウムは、科学研究費補助金(基盤研究(C))「組踊の系譜―朝薫五番から沖縄芝居、そして『人類館』へ」(課題番号:21520147、研究者代表与那覇晶子、琉球大学)研究期間2009年4月~2012年3月に基づき、研究成果の一環として、沖縄社会に還元し、その課題をなお一層掘り進めるために公開するものです。
これまで、「組踊がどのように沖縄芝居の中に取り入れられたのか」また、「新しい演劇形態としての沖縄芝居(沖縄語台詞劇、琉球歌劇)がどのように誕生したのか」さらに、「近代沖縄でどのように受容されたか」を主な課題としてきました。
だが、ふり返ってみると、どれだけテーマに肉薄できたか、課題は十分に達成されたとは言えません。
歌劇の発生や史劇の誕生の背景等については、當間一郎氏、池宮正治氏、矢野輝雄氏、比嘉実氏、仲程昌徳氏、大野道雄氏、大城學氏などの論考がありますが、総括的な沖縄芝居概論、沖縄演劇論はまだ上梓されていないのが現状です。
戦後沖縄を代表とする組踊・沖縄芝居の名優真喜志康忠氏は、常に「ウチナーグチ」の将来を危惧していました。琉球・沖縄語こそが沖縄演劇の表現を担っているからです。氏の杞憂が、2009年の、ユネスコによる危機言語琉球諸語(独立言語)の認定で、明るい兆しをもたらすかどうかは、沖縄に住む私達の文化運動、文化継承の努力いかんにかかっていると考えています。
昨今の新作組踊は、大城立裕氏の作品をはじめ目を見はるものがあります。沖縄演劇の弁証法的な推移を見る上で、貴重な研究対象であり、私はほとんどの上演作品を観劇しました。そこから見えてきたものは沖縄芸能史の新たな知見の一つでした。
沖縄芸能(組踊)の骨格は、まぎれもなく現代演劇の中にも引き継がれていると考えていますが、とくに「人類館」等に、コ-ディネーターとして言及したいと考えています。
今回、基調講演は沖縄芸能史に造詣の深い當間一郎氏にお話していただきます。「沖縄藝能史研究会」の会長として、実演家と研究者を緊密、かつ緻密に結びつけた研究を続けてこられた方です。またシンポジウムのパネラーは、沖縄三線音楽研究者、琉球舞踊玉城流家元・組踊伝承者、そして沖縄芝居継承者に登壇していただきます。彼らは今後の沖縄演劇の未来を担っていく方々です。沖縄文化のコア(核)としての沖縄演劇(組踊、沖縄芝居、現代劇)の歴史の推移に思いを廻らし、この先祖から引き継がれた沖縄文化をしっかりと継承していきたいものです。
(与那覇記)
≪基調講演者、パネラーのご紹介≫
當間一郎:東恩納寛淳賞受賞、著書『組踊写本の研究』『組踊研究』他、多数
新城 亘:博士論文「琉球古典音楽安富祖流の研究」他、論文多数
玉城盛義:新作組踊「サシバの契り」演出、「花の幻」「嵐花」主演
伊良波さゆき:琉球歌劇「泊阿嘉」「奥山の牡丹」「伊江島ハンドー小」主演
≪コーディネーター≫
与那覇晶子:「演劇に見る琉球処分」「沖縄のハムレット」他、論文多数
(琉球大キャンパスからの帰り車の中から撮った夕日、18の数字を見た!)
≪シンポジウムの趣旨≫
本シンポジウムは、科学研究費補助金(基盤研究(C))「組踊の系譜―朝薫五番から沖縄芝居、そして『人類館』へ」(課題番号:21520147、研究者代表与那覇晶子、琉球大学)研究期間2009年4月~2012年3月に基づき、研究成果の一環として、沖縄社会に還元し、その課題をなお一層掘り進めるために公開するものです。
これまで、「組踊がどのように沖縄芝居の中に取り入れられたのか」また、「新しい演劇形態としての沖縄芝居(沖縄語台詞劇、琉球歌劇)がどのように誕生したのか」さらに、「近代沖縄でどのように受容されたか」を主な課題としてきました。
だが、ふり返ってみると、どれだけテーマに肉薄できたか、課題は十分に達成されたとは言えません。
歌劇の発生や史劇の誕生の背景等については、當間一郎氏、池宮正治氏、矢野輝雄氏、比嘉実氏、仲程昌徳氏、大野道雄氏、大城學氏などの論考がありますが、総括的な沖縄芝居概論、沖縄演劇論はまだ上梓されていないのが現状です。
戦後沖縄を代表とする組踊・沖縄芝居の名優真喜志康忠氏は、常に「ウチナーグチ」の将来を危惧していました。琉球・沖縄語こそが沖縄演劇の表現を担っているからです。氏の杞憂が、2009年の、ユネスコによる危機言語琉球諸語(独立言語)の認定で、明るい兆しをもたらすかどうかは、沖縄に住む私達の文化運動、文化継承の努力いかんにかかっていると考えています。
昨今の新作組踊は、大城立裕氏の作品をはじめ目を見はるものがあります。沖縄演劇の弁証法的な推移を見る上で、貴重な研究対象であり、私はほとんどの上演作品を観劇しました。そこから見えてきたものは沖縄芸能史の新たな知見の一つでした。
沖縄芸能(組踊)の骨格は、まぎれもなく現代演劇の中にも引き継がれていると考えていますが、とくに「人類館」等に、コ-ディネーターとして言及したいと考えています。
今回、基調講演は沖縄芸能史に造詣の深い當間一郎氏にお話していただきます。「沖縄藝能史研究会」の会長として、実演家と研究者を緊密、かつ緻密に結びつけた研究を続けてこられた方です。またシンポジウムのパネラーは、沖縄三線音楽研究者、琉球舞踊玉城流家元・組踊伝承者、そして沖縄芝居継承者に登壇していただきます。彼らは今後の沖縄演劇の未来を担っていく方々です。沖縄文化のコア(核)としての沖縄演劇(組踊、沖縄芝居、現代劇)の歴史の推移に思いを廻らし、この先祖から引き継がれた沖縄文化をしっかりと継承していきたいものです。
(与那覇記)
≪基調講演者、パネラーのご紹介≫
當間一郎:東恩納寛淳賞受賞、著書『組踊写本の研究』『組踊研究』他、多数
新城 亘:博士論文「琉球古典音楽安富祖流の研究」他、論文多数
玉城盛義:新作組踊「サシバの契り」演出、「花の幻」「嵐花」主演
伊良波さゆき:琉球歌劇「泊阿嘉」「奥山の牡丹」「伊江島ハンドー小」主演
≪コーディネーター≫
与那覇晶子:「演劇に見る琉球処分」「沖縄のハムレット」他、論文多数
(琉球大キャンパスからの帰り車の中から撮った夕日、18の数字を見た!)
先日は偶然の臨席、ビックリしました。相変わらずのご活躍ですね!