(楽屋裏からのショットです。ジュリの髪型は魅力的ですね!)
照喜名先生は歌三線の大城貴幸さんの声音を見守りながらじーといずみさんの踊りをご覧になっていました。人間国宝の照喜名朝一先生の暖かさに深く感じ入りました。先生はやはりすごい方ですね。比嘉いずみさんの「花風」、美らジュリを写実的に舞踊化したこの琉球舞踊は、まさに近代の夜明けを象徴しますね。花風の気品にため息がこぼれます。等身大に近い造形=品位のある芸妓の姿に見えます。近世から近代、美らジュリが身にまとったパトスがすべてそこに込められているような女性たちの耐える美にも見えます。愛する男性(士族)を見送る、これは近世末期の辻の美らジュリの写し絵ですね。三重城に行き、人目をはばかりながらも、一人、慕う男を見送り、戻る。男性の理想の女性美ですね。写実だけではない理想像がまたそこに具現されているのでしょう。絵になる光景、ある別れ、見送りの場面を切り取った舞踊詩のイメージですね。美らジュリゆえになおのこと引き立つ港の光景だったのでしょう。多くの花風の女性が三重城に登ったことでしょう。