国際批評家協会から日本西洋比較演劇研究会へ回覧で送られたニュースによると、7月31日に興味深いシンポジウムが東京である様子だ。参加したいが、厳しいーー?目についたニュースは80年代にアメリカの大学院で勉学(あまり優秀な学生ではなく)していた頃人気のあったハロルド・ピンターの研究書に特別賞【『劇作家ハロルド・ピンター』喜志哲雄(研究社)】とある。
日本の中央の演劇批評・研究の中でピンターはあまり評価されていない雰囲気を感じていたが、今に至って彼が見直されはじめているのらしい。日本の知識人たちの意識の流れの地殻変動が少し始まっているのだろうか?どこでもいつでもシェイクスピアはカノンで、人気があるが、かなり政治的な主張をしてきたピンターの位置づけがこれから始まるのだろう。イラク戦争を批判し、またかつてのリーガンの政策を批判し続けてきたピンターである。
日本は何しろ骨の髄までアメリカ追随の知識人層が厚く、自らの欺瞞的戦後の思潮にメスを入れることすら、遅い実態があるようで、沖縄などを踏みつけにして成り立つ戦後の安寧を、見ぬふりをして構築されてきた知なんてね!!
真実や美や自由や平等や正義などの理念の所在が常に問われているわけで、実存そのもの、命=肉体=身体の依拠する土台が誰かを踏みつけて成り立つ国家なり社会なりの構造を抱えた上でのこれらの美しき理念の追求ですからね。おのずと壊れていくものがあるはずでーーー。
だからそこにバンパイア理論が成り立つ。17歳との対話の中で浮かび上がってきた論理は結構現象を切る糧になっている。バンパイアが跋扈している。君も私もバンパイアだけれどもその中身には違いがあるようだ。
以下はAICTのサイトからの紹介です。
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演劇批評誌シアターアーツ
AICT(国際演劇評論家協会)日本センターの発行する演劇批評誌[第三次]シアターアーツのWEBサイトです。
シアター・クリティック・ナウ2011「創作現場を支える──翻訳者とドラマトゥルクの使命」
シアターアーツ編集部 (2011年6月25日 02:56)
シアタークリティックナウ2011「創作現場を支える──翻訳者とドラマトゥルクの使命」開催のお知らせ
明治期の西洋演劇の移入から、戯曲はもとより演出、美術など、 さまざまな要素を海外から持ち込んだ日本の演劇界。だが一方でベ ンヤミンがエッセイ「翻訳家の使命」で書いたように、翻訳という 作業は常に不可能性をはらんでいる。そして、今また欧米の演劇界 から持ち込まれようとしているドラマトゥルクという職能。今年の AICT 受賞作2作をもとに、翻訳とドラマトゥルクが創作現場にもた らす可能性を探る。
国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎年「シアター・クリティック・ナウ」と題して、AICT演劇評論賞の授賞式と関連イベントを行っております。「シアタークリティックナウ」と題して、AICT演劇評論賞の授賞式と関連イベントを行っております。今年のAICT演劇評論賞は、「ギリシャ劇大全」山形治江(論創社)、「ドラマトゥルク―舞台芸術を進化/深化させる者」平田 栄一朗(三元社)の二作品が選ばれ、また特別賞として、「劇作家ハロルド・ピンター」喜志哲雄(研究社)、「19世紀アメリカのポピュラー・シアター─国民的アイデンティティの形成」斎藤偕子(論創社)の二作品が選ばれました。
今年の「シアタークリティックナウ」では、山形治江氏、平田 栄一朗氏のほか、松岡和子氏、新野守広氏にも参加いただき、レクチャー、シンポジウムを開催いたします。
日時:7月31日(日)17:00(開場16:30)
会場:座・高円寺2F カフェ・アンリ・ファーブル
http://www.cafe-fabre.net/
第1部 AICT演劇評論賞 授賞式 & 記念シンポジウム「 創作現場を支える──翻訳者とドラマトゥルクの使命」
◯平田 栄一朗「ドラマトゥルクの使命」
◯山形治江×松岡和子×新野守広(司会)シンポジウム「 翻訳者の使命」
料金:1,000円(当日受付精算)
※シアターアーツ定期購読者は無料(先着30名まで、要予約)
第2部 パーティー 20時〜
料金:3,000円(当日受付精算、要予約)
※立食形式のパーティです。カジュアルな雰囲気ですのでお気軽にご参加ください。
AICT演劇評論賞
『ギリシャ劇大全』山形治江(論創社)
やまがた・はるえ 1959 年生まれ。日本大
学教授。翻訳家。著書に『ギリシャ悲劇』(朝日新聞社)他。訳書にソフォクレス作『オイディプス王』『エレクトラ』(劇書房)、エウリピデス作『メディア』『オレステス』(れんか書房新社)。2003年度湯浅芳子(翻訳)賞受賞。
『ドラマトゥルク―舞台芸術を進化/深化させる者』平田 栄一朗(三元社)
ひらた・えいいちろう 1969 年生まれ。ドイツ演劇・演劇学。慶應義塾大学文学部准教授。主な著訳書『Theater in Japan』(共編著)、『ホストドラマ演劇』(共訳)、『パフォーマンスの美学』(共訳)。
AICT演劇評論賞 特別賞
『劇作家ハロルド・ピンター』喜志哲雄(研究社)
きし・てつお 1935 年生まれ。京都大学名誉教授。英米演劇専攻。著書に『喜劇の手法』『ミュージカルが《最高》であった頃』『シェイクスピアのたくらみ』(第14回AICT演劇評論賞)、訳書に『ハロルド・ピンター全集1~3』(共訳)など。
『19 世紀アメリカのポピュラー・シアター─国民的アイデンティティの形成』斎藤偕子(論創社)
さいとう・ともこ 慶應義塾大学名誉教授。
アメリカ演劇研究・演劇評論。著書に『黎明期の脱主流演劇サイト―ニューヨークの熱きリーダー 1950 ー 60』(第9回AICT演劇評論賞)など。
協力:座・高円寺/NPO法人劇場創造ネットワーク
シアタークリティックナウ2011
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8月6日以降12日までは国際演劇学会が大阪大で開催され実に伝統演劇からダンス、モダンドラマに至るまで、多様な研究発表がなされる。アフリカ、南北アメリカ、アジア、EU、ロシア、中東と世界各地から伝統演劇と革新、リバイタリゼーションのテーマで研究発表や舞台が繰り広げられる。その参加のため批評家協会のシンポは興味があっても参加できそうにない。でも中身はシアター・アーツに編集されることを楽しみにしたい。国際学会では英語での発表がメインで通訳はつかない。私は沖縄を主張したいので「新作組踊と伝統のリバイタリゼーション」について発表する予定。
ハロルド・ピンターは以前から関心を持っていて、文芸(詩や演劇を含む)と政治のテーマで目取真俊の作品と沖縄の現実をからめて比較検証をしたいと考えている。一連の沖縄の現代演劇の持つ政治性もどうしてもそこでも問われる。目取真さんのスタンスとピンターのスタンスに同じ色合いを感じている。しかし作品は不条理性を醸していて、弱者への視点もまた類似性があるとみている。違いは?
日本の中央の演劇批評・研究の中でピンターはあまり評価されていない雰囲気を感じていたが、今に至って彼が見直されはじめているのらしい。日本の知識人たちの意識の流れの地殻変動が少し始まっているのだろうか?どこでもいつでもシェイクスピアはカノンで、人気があるが、かなり政治的な主張をしてきたピンターの位置づけがこれから始まるのだろう。イラク戦争を批判し、またかつてのリーガンの政策を批判し続けてきたピンターである。
日本は何しろ骨の髄までアメリカ追随の知識人層が厚く、自らの欺瞞的戦後の思潮にメスを入れることすら、遅い実態があるようで、沖縄などを踏みつけにして成り立つ戦後の安寧を、見ぬふりをして構築されてきた知なんてね!!
真実や美や自由や平等や正義などの理念の所在が常に問われているわけで、実存そのもの、命=肉体=身体の依拠する土台が誰かを踏みつけて成り立つ国家なり社会なりの構造を抱えた上でのこれらの美しき理念の追求ですからね。おのずと壊れていくものがあるはずでーーー。
だからそこにバンパイア理論が成り立つ。17歳との対話の中で浮かび上がってきた論理は結構現象を切る糧になっている。バンパイアが跋扈している。君も私もバンパイアだけれどもその中身には違いがあるようだ。
以下はAICTのサイトからの紹介です。
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演劇批評誌シアターアーツ
AICT(国際演劇評論家協会)日本センターの発行する演劇批評誌[第三次]シアターアーツのWEBサイトです。
シアター・クリティック・ナウ2011「創作現場を支える──翻訳者とドラマトゥルクの使命」
シアターアーツ編集部 (2011年6月25日 02:56)
シアタークリティックナウ2011「創作現場を支える──翻訳者とドラマトゥルクの使命」開催のお知らせ
明治期の西洋演劇の移入から、戯曲はもとより演出、美術など、 さまざまな要素を海外から持ち込んだ日本の演劇界。だが一方でベ ンヤミンがエッセイ「翻訳家の使命」で書いたように、翻訳という 作業は常に不可能性をはらんでいる。そして、今また欧米の演劇界 から持ち込まれようとしているドラマトゥルクという職能。今年の AICT 受賞作2作をもとに、翻訳とドラマトゥルクが創作現場にもた らす可能性を探る。
国際演劇評論家協会(AICT)日本センターでは、毎年「シアター・クリティック・ナウ」と題して、AICT演劇評論賞の授賞式と関連イベントを行っております。「シアタークリティックナウ」と題して、AICT演劇評論賞の授賞式と関連イベントを行っております。今年のAICT演劇評論賞は、「ギリシャ劇大全」山形治江(論創社)、「ドラマトゥルク―舞台芸術を進化/深化させる者」平田 栄一朗(三元社)の二作品が選ばれ、また特別賞として、「劇作家ハロルド・ピンター」喜志哲雄(研究社)、「19世紀アメリカのポピュラー・シアター─国民的アイデンティティの形成」斎藤偕子(論創社)の二作品が選ばれました。
今年の「シアタークリティックナウ」では、山形治江氏、平田 栄一朗氏のほか、松岡和子氏、新野守広氏にも参加いただき、レクチャー、シンポジウムを開催いたします。
日時:7月31日(日)17:00(開場16:30)
会場:座・高円寺2F カフェ・アンリ・ファーブル
http://www.cafe-fabre.net/
第1部 AICT演劇評論賞 授賞式 & 記念シンポジウム「 創作現場を支える──翻訳者とドラマトゥルクの使命」
◯平田 栄一朗「ドラマトゥルクの使命」
◯山形治江×松岡和子×新野守広(司会)シンポジウム「 翻訳者の使命」
料金:1,000円(当日受付精算)
※シアターアーツ定期購読者は無料(先着30名まで、要予約)
第2部 パーティー 20時〜
料金:3,000円(当日受付精算、要予約)
※立食形式のパーティです。カジュアルな雰囲気ですのでお気軽にご参加ください。
AICT演劇評論賞
『ギリシャ劇大全』山形治江(論創社)
やまがた・はるえ 1959 年生まれ。日本大
学教授。翻訳家。著書に『ギリシャ悲劇』(朝日新聞社)他。訳書にソフォクレス作『オイディプス王』『エレクトラ』(劇書房)、エウリピデス作『メディア』『オレステス』(れんか書房新社)。2003年度湯浅芳子(翻訳)賞受賞。
『ドラマトゥルク―舞台芸術を進化/深化させる者』平田 栄一朗(三元社)
ひらた・えいいちろう 1969 年生まれ。ドイツ演劇・演劇学。慶應義塾大学文学部准教授。主な著訳書『Theater in Japan』(共編著)、『ホストドラマ演劇』(共訳)、『パフォーマンスの美学』(共訳)。
AICT演劇評論賞 特別賞
『劇作家ハロルド・ピンター』喜志哲雄(研究社)
きし・てつお 1935 年生まれ。京都大学名誉教授。英米演劇専攻。著書に『喜劇の手法』『ミュージカルが《最高》であった頃』『シェイクスピアのたくらみ』(第14回AICT演劇評論賞)、訳書に『ハロルド・ピンター全集1~3』(共訳)など。
『19 世紀アメリカのポピュラー・シアター─国民的アイデンティティの形成』斎藤偕子(論創社)
さいとう・ともこ 慶應義塾大学名誉教授。
アメリカ演劇研究・演劇評論。著書に『黎明期の脱主流演劇サイト―ニューヨークの熱きリーダー 1950 ー 60』(第9回AICT演劇評論賞)など。
協力:座・高円寺/NPO法人劇場創造ネットワーク
シアタークリティックナウ2011
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8月6日以降12日までは国際演劇学会が大阪大で開催され実に伝統演劇からダンス、モダンドラマに至るまで、多様な研究発表がなされる。アフリカ、南北アメリカ、アジア、EU、ロシア、中東と世界各地から伝統演劇と革新、リバイタリゼーションのテーマで研究発表や舞台が繰り広げられる。その参加のため批評家協会のシンポは興味があっても参加できそうにない。でも中身はシアター・アーツに編集されることを楽しみにしたい。国際学会では英語での発表がメインで通訳はつかない。私は沖縄を主張したいので「新作組踊と伝統のリバイタリゼーション」について発表する予定。
ハロルド・ピンターは以前から関心を持っていて、文芸(詩や演劇を含む)と政治のテーマで目取真俊の作品と沖縄の現実をからめて比較検証をしたいと考えている。一連の沖縄の現代演劇の持つ政治性もどうしてもそこでも問われる。目取真さんのスタンスとピンターのスタンスに同じ色合いを感じている。しかし作品は不条理性を醸していて、弱者への視点もまた類似性があるとみている。違いは?