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(人参の花の蜜を吸う蝶)
前に見た気もしたのですが、そうでもなかったような気がして、最後まで見ていました。DVの夫を殺した主婦とその同じ職場の仲間たちの物語ですが、スリラーのような怖さも秘めていました。しかし、日常に潜む狂気や荒野は普段着の顔をしているのかもしれません。因果応報も流れていて~。喜劇的に笑える場面も結構あり~。
「殺人事件をきっかけに、最悪の状況からOUT(脱出)しようとする4人の女たちの姿を、コミカルかつスリリングに描いたサスペンス。監督は「笑う蛙」の平山秀幸。98年度日本推理作家協会長篇賞を受賞した桐野夏生による同名小説を基に、「豚の報い」の鄭義信が脚色。撮影を「明日があるさ」の柴崎幸三が担当している。主演は、「木曜組曲」の原田美枝子、「陽はまた昇る」の倍賞美津子、「金融破滅ニッポン 桃源郷の人々」の室井滋、「木曜組曲」の西田尚美」←原田美枝子さんはいいね。
https://www.youtube.com/watch?v=iFLSC6lq7gQ←後半が切れています。
小説や映画に対するREVIEW《批評や感想》も多くネットで紹介されていて、特別付け加えることはないのですが、何気ない日常にありえる空白なり崖っぷちのような陥穽、殺人に至る情動の激しさ、人が表面の裏に、内に隠し持っている凶の部分が、むき出しになったら、このようになりえるのだろうと、想像できる映画だった。偶然の出来事がいつのまに非日常に取り込まれていく。←映画紹介です。
https://filmarks.com/movies/29746?page=2
https://hm-hm.net/suspense/out2002%E5%B9%B4
主婦たちが死体をバラバラにして遺棄した。また闇の依頼によってそれを続けたという事実はグロくてぞっとするが、主人公の原田美枝子さんのクールな対応が、独特な個性になり物語の中心に立っていた。壊れた家族、疲弊した家族の姿、関係性が生々しく、そこにブラジル人の存在もあり、複雑に物語は編み込まれている。家族のバラバラな関係はバラバラにされる死体とパラレルにも見えた。病んでいる心、人と人の関係の溝がある一方で結びつく魂もある。DV夫を殺害した妻はあっけらかんとしているようにも見えたが、DVそのものが関係の亀裂であり、すでに家族として破綻している。
こころの隙間を埋めようもなく、現実に向き合っている関係性の地獄がある。そこに魔が刺したのではなく、普通に忍び寄ってくるものの正体がある。偶然に、必然に?巻き込まれていく事件の推移は嘘のようで、事実として流れていく。その中で変化していく関係性と心の動きがある。主婦の女性たちのたんなるルサンチマンではない、無意識の怒りのようなもの、時限爆弾を抱えて日常を過るもの、その風や空気のようなものの中で犯した罪は罪としてまとわりつくに違いない。バラバラ刻まれるもの、刻む手がある。開放される何かがあっただろうか。逆に精神的に追い詰められていく。
結果的に善意なり同情による何気ない関わりの中で犯してしまった行為があり、それを償っていかざるを得ないものが重りになり、崩壊していく女性たちだった。どこまで行っても自由はない。一人であっても、関わりの渦に巻き込まれている。二人でも三人でも関わりあう空間でそれぞれがどこか傷んでいるようだ。傷まない関係性があるだろうか。ストーカーのように4人の女性たちをおいかける男もいる。映画とTVでも異なり、小説とも異なる点がある。TVドラマは原作に近いのだろうか。
桐野夏生さんは膨大な小説を書き、多くの文芸受賞作品がある。人間の関係性を、精神なり心の綾を奥深く追究した作家だ。
Youtubeでは原田美枝子や倍賞美津子、室井滋など個性派女優の映画と長いシリーズ物のテレビドラマが無料で提供されている。小説との比較も分析されている。
テレビドラマバージョンは詳しい。こちらの方は暗い。じっくり見る時間はないが、白黒映像で細かく作品を映像化している。
前に見た気もしたのですが、そうでもなかったような気がして、最後まで見ていました。DVの夫を殺した主婦とその同じ職場の仲間たちの物語ですが、スリラーのような怖さも秘めていました。しかし、日常に潜む狂気や荒野は普段着の顔をしているのかもしれません。因果応報も流れていて~。喜劇的に笑える場面も結構あり~。
「殺人事件をきっかけに、最悪の状況からOUT(脱出)しようとする4人の女たちの姿を、コミカルかつスリリングに描いたサスペンス。監督は「笑う蛙」の平山秀幸。98年度日本推理作家協会長篇賞を受賞した桐野夏生による同名小説を基に、「豚の報い」の鄭義信が脚色。撮影を「明日があるさ」の柴崎幸三が担当している。主演は、「木曜組曲」の原田美枝子、「陽はまた昇る」の倍賞美津子、「金融破滅ニッポン 桃源郷の人々」の室井滋、「木曜組曲」の西田尚美」←原田美枝子さんはいいね。
https://www.youtube.com/watch?v=iFLSC6lq7gQ←後半が切れています。
小説や映画に対するREVIEW《批評や感想》も多くネットで紹介されていて、特別付け加えることはないのですが、何気ない日常にありえる空白なり崖っぷちのような陥穽、殺人に至る情動の激しさ、人が表面の裏に、内に隠し持っている凶の部分が、むき出しになったら、このようになりえるのだろうと、想像できる映画だった。偶然の出来事がいつのまに非日常に取り込まれていく。←映画紹介です。
https://filmarks.com/movies/29746?page=2
https://hm-hm.net/suspense/out2002%E5%B9%B4
主婦たちが死体をバラバラにして遺棄した。また闇の依頼によってそれを続けたという事実はグロくてぞっとするが、主人公の原田美枝子さんのクールな対応が、独特な個性になり物語の中心に立っていた。壊れた家族、疲弊した家族の姿、関係性が生々しく、そこにブラジル人の存在もあり、複雑に物語は編み込まれている。家族のバラバラな関係はバラバラにされる死体とパラレルにも見えた。病んでいる心、人と人の関係の溝がある一方で結びつく魂もある。DV夫を殺害した妻はあっけらかんとしているようにも見えたが、DVそのものが関係の亀裂であり、すでに家族として破綻している。
こころの隙間を埋めようもなく、現実に向き合っている関係性の地獄がある。そこに魔が刺したのではなく、普通に忍び寄ってくるものの正体がある。偶然に、必然に?巻き込まれていく事件の推移は嘘のようで、事実として流れていく。その中で変化していく関係性と心の動きがある。主婦の女性たちのたんなるルサンチマンではない、無意識の怒りのようなもの、時限爆弾を抱えて日常を過るもの、その風や空気のようなものの中で犯した罪は罪としてまとわりつくに違いない。バラバラ刻まれるもの、刻む手がある。開放される何かがあっただろうか。逆に精神的に追い詰められていく。
結果的に善意なり同情による何気ない関わりの中で犯してしまった行為があり、それを償っていかざるを得ないものが重りになり、崩壊していく女性たちだった。どこまで行っても自由はない。一人であっても、関わりの渦に巻き込まれている。二人でも三人でも関わりあう空間でそれぞれがどこか傷んでいるようだ。傷まない関係性があるだろうか。ストーカーのように4人の女性たちをおいかける男もいる。映画とTVでも異なり、小説とも異なる点がある。TVドラマは原作に近いのだろうか。
桐野夏生さんは膨大な小説を書き、多くの文芸受賞作品がある。人間の関係性を、精神なり心の綾を奥深く追究した作家だ。
Youtubeでは原田美枝子や倍賞美津子、室井滋など個性派女優の映画と長いシリーズ物のテレビドラマが無料で提供されている。小説との比較も分析されている。
テレビドラマバージョンは詳しい。こちらの方は暗い。じっくり見る時間はないが、白黒映像で細かく作品を映像化している。