先日(9月5日)に投稿した「琉球舞踊保持者選考問題を舞踊系統図から見る!」をもっと分かりやすくしたくて、別添のとおり追記しました。
前回は、この系統図の中に、「国の保持者」を赤で囲んでしめしていました。
今回は、さらに「県の保持者」も青で囲んで示しました。
国の保持者は、舞踊の7系統のうち盛重系統に偏っていることは、前回の系統図から明白でした。
今回、県保持者を示すことで、県の保持者は、盛重系統だけでなく、読谷山親雲上系統、嵩原・屋嘉系統、川平親雲上系統、渡嘉敷守良系統といった拡がりがあることが分かります。
貴重で多彩な7系統の保存継承という点からすると、1系統に偏る国指定の在り方は、県指定の時より後退している印象があります。
せっかく、国指定になったのに県指定のころより良くない(?!)としたら、なぜ?
琉球舞踊保存会はこれまで(平成21年の発足以来)、県教委文化財課の指導助言を受け、保持者のいない系統の方々にも声をかけ、研修を行ってきたはずです。
現在は保持者のいない金武系統や松含系統だけでなく、屋嘉・嵩原系統の山田貞子先生の系列や、渡嘉敷系統など本土からも伝承者を迎え、若手にも機会を与え研修を行ってきました。
小生はそこに、「広く舞踊界全体を見渡して琉球舞踊を保存継承していきたい」という国の保持者の方々の意志を感じ期待していただけに、今回の盛重系統のみからの認定という結果は、残念です。
厳正な審査の結果(?)という新聞報道もありましたが、巷間、盛重系統の保持者による身内びいきの保持者選考という疑惑について耳にする度に、今後この偏向した傾向が是正されるのか疑問です。
もの凄く心配です。
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この状況が改善されるかどうか、それぞれの系統、流派の方々の頑張りが試されているのでしょうか?
系統図を見ていると、大宜見小太郎先生、真喜志康忠先生をはじめ乙姫劇団の花形男方の上間初枝さんの名が目を惹きます。県指定の頃から、保持者に認定されていないのですね。
これらの方々は、お芝居だけでなく、踊りでも民衆を魅了してきた方々です。沖縄に生きる人たちを、元気づけ慰めてきたことでは、他の舞踊家の皆さんは誰一人及ばないのではないでしょうか?偉人だと思います。このはこの方々は、舞踊の指定認定からは無視されてきたのでしょうか?
1972年の保持者認定の時の県の担当者が誰かですね。宜保榮治郎さんでしょうか。
当時上間初枝さんと真喜志康忠さんが設立した玉城流菖(あやめ)の会はかなり多くのお弟子さんがいました。しかし保持者認定からはずれましたね。お二人の踊りのすばらしさは映像が残されています。
乙姫劇団からはどなたも認定されていませんね。なぜ?沖縄芸能史を琉球王府時代から見てみると、女性芸能者の系譜は長いですよ。
宜保榮治郎さんは科研シンポジウム「沖縄の文化表象にみるジュリ(遊女)の諸相」(2015年3月)で「女性は無学だ」と言い放っていましたね。芸能者としての芸妓の舞踊を否定されていたのですね。ご自分の叔母さまが、芸妓で、盛重さんからお筝の指導を受けられたことを話されていたのですが、最後の討論の場では、否定されるようなご発言でしたね。しかし、宜保さんだけではなく戦後沖縄の有識者は、ほとんどが宜保さんと同じスタンスだったようですね。
上間郁子さんの芸を認めた方々は、矢野輝雄さんや三隅治雄さんたちだったのですね。それも彼女が70代になってようやく認められたのですね。
かろうじて芝居役者からは宇根伸三郎さんだけですね。大宜味小太郎さんもアウトで、渡嘉敷守章(元沖縄俳優協会会長)さんも認定されていませんね。
沖縄芝居役者は組踊の保持者認定からも外されていますね。真境名、宮城、親泊、玉城、島袋、など最初の国の保持者認定(1972年)があった以降、芝居役者からは第二次認定で真喜志康忠さんだけですね。当時の沖縄芸能界のドン、XXXXさんたちが意図的に芝居役者を疎外していった事情については、真喜志康忠さんの証言が録音テープに残っています。
つまり保持者認定がスタートした復帰年の時が大きな転換期だと分りますね。伝統組踊保存会の顧問であり、琉球舞踊保存会の顧問でもある宜保榮治郎さんが、沖縄芸能界のドンという事になりますね。その配下に▲▲さんや△△さんなど、息のかかった方々が現在のドンになっているのでしょうか?しかし、宜保さんはとても朴訥な方でこの間の沖縄芸能の推進にご苦労をなさった方だと思います。
ともあれ、現況に導いた県の指導者の責任は重いですね。それを是正していくのは沖縄芸能を愛する皆さんの「声」ということになるのでしょうね。
戦後27年の米軍占領時代、復帰後の日本の文化制度への併合、そして21世紀以降、琉球舞踊の2009年の国の保持者認定、2010年、ユネスコへの組踊の世界無形文化財への登録、と続いていますね。琉球舞踊のユネスコへの世界無形文化財としての登録も可能になってきましたね。
上記に関して誤認がありましたらご指摘よろしくお願いします。
それは努力して身に着けた先達の技という確固たるものではなくて、大御所の気分や行政の都合という、どうしようもないもので沖縄の芸能が、ひいては文化が判断されているということですよ。
技量があるのに政治的に外された先生方はそれでいいのですか?
各流派まんべんなくいらっしゃいます。
国の場合は平成29年度の新指定も含めて
玉城盛重先生の流派だけです。
それ以外の流派は問題があるのでしょうか?
それとも国は玉城盛重先生の流派だけを重要と考えているのでしょうか。
詳しい方は教えて下さい。
2016年の国の追加認定で成重系統以外の流儀はハシゴを外された。
今回の県の追加認定でハッキリした。県文化財課と国の保存会は県の保持者の自然消滅を待って、琉球舞踊を盛重系統で統一するつもりだ。
一つの組織に統合する意図でしょうか?
誰がこのような方向性を仕組んでいるかですが、文化財課と琉球舞踊保存会?
沖縄伝統舞踊保存会はクレームをしないのでしょうか?
しかしですよ。政子先生は、最終的には、佳子先生のところに行っているので、現在の保持者は「ほぼほぼ」ではなく、実質全員が盛重系統ですね。なんてこっちゃ。今更ですが。
さんや新垣松含さんです。
渡嘉敷流も松含流も健在です。盛重流だけの琉球舞踊界ではないはずですね。
国の保持者問題はまだ解決されていなままなんですね。琉球歌劇保存会もそうですが、問題含みですね。
第三の組織として「琉球芸能の現況を問う実行委員会」を組織し、このサイトに投稿されたデータも資料として提示し、多様な問題を記者会見を開いて沖縄社会だけではなく、全国、世界に問うことも可能かと思います。
どなたか率先して会を組織する勇気が必要かと思います。まだ問題は解決していないようですので~。