(きれいな亜種のハイビスカスの花を虫が食いちぎるのですね!)
2019年01月28日にUpした「琉球舞踊保存会による保持者候補推薦事業は幻か?:萩尾前文化財課課長は、こんなもの(推薦事業)存在しないと明言」では、保持者候補者推薦事業、いわゆるコンクールについてタイトルの通り萩尾文化財課長が「こんなもの(推薦事業)存在しない」と明言したことを明らかにしました。このことから、萩尾文化財課長(当時)と野原文化財班長(当時)の行政的な指導によって、保持者候補者推薦事業は補助金を不正に流用して行われた可能性がかなり高いことが分かります。
では、補助金を不正に流用してまで、コンクール形式の保持者候補者推薦事業を行う意味は何でしょうか?
島元先生は、琉球舞踊の追加認定の候補者を選定するのにコンクール形式の保持者候補者推薦事業がいかに不適切かを萩尾文化財課長(当時)と野原文化財班長(当時)の両氏に説明をしています。それに対して、野原文化財班長(当時)はコンクール形式の保持者候補者推薦事業を開催することが必要であるかのような説明をしていますが、説得力に欠けるものとなっています。
文書を最後まで読んでもらえれば分かりますが、野原班長(当時)がコンクールにこだわる理由は、審査基準にあるようです。結果を見れば、審査基準がかたよっているのは一目瞭然です。審査基準の問題点についても、島元先生は丁寧に説明しています。島元先生の説明については長くなるので、次回に詳細を報告したいと思います。
今回は島元先生との面談記録(特に赤字部分)から、野原班長(当時)が、コンクール形式の保持者候補者推薦事業について積極的であったことを確認していただきたいです。
※括弧内は島本先生の補足説明です。
島元:僕が実技選考で、(班長からあった)「絶対だめですか」という話を、実技発表を選考した話で、(班長が)実技発表ぜったいやっちゃいけないのかと聞きましたよね。やってはいけない理由があって、何故かというと、(これまで)研修の場合は指導して評価をしなきゃいけませんけど、評価が次期保持者候補の対象になっている方々に対して、評価ができないんですよ、先生方が。なぜかというと、研修会の度に評価用紙を配って評価をしてもらってるのですけど、2人か3名くらいの人は書きますけど、ほとんどの人は書きませんよ。なぜかというと評価できない。本当は保持者ですから責任もって評価しないといけないけど、やらないんですよ。
萩尾課長:それはいつの話?
島元:これは、僕が担当だったのは、(平成の)21年から26年まででしたけど、25年くらいから、(研修と銘打ちながら)「踊らせて、いくらなんでも、踊らせてなにも指導助言してないのに研修か?」という苦情が(研修生から)いっぱいあったので、そうなんです。だって(研修会場で)偉そうにこうしている《腕組みのポーズ⦆だけで、指導っていっても自分の道場の人たちに対して「姿勢が悪いよ」とかそういうことを言っている。「これ(こんな指導)が研修っておかしいじゃないか」という話が(苦情で)出たので、「じゃあ評価表書きましょう」とういうことで、それ(保持者による評価表)を(研修生に)フィードバックしようと思ったんですけど、フィードバックしようがない。(保持者の方々が)書かないから。で、お互いの先生同士で自分が誰をどう評価したのかばれたくないから、「これは島元さんだけ見てください。その上で、伝えるんだったら吉田さんに伝えてください」ということで、(評価表を)回収して封して僕が持っている状態で。文化財課に行けばありますよ。白紙だらけの評価表。僕は写しをとっていますけどコピーで、こういう状態であるって。ただ、それ(そんな実態)でも毎年課題があって、その中でみんな研鑽積んでるってことに(研修としての)意義があるので、ギリギリ(この不十分な研修を)研修としてみても(認めても)いいかなって、これからもっと頑張っていって(研修を充実させることを期してですが)、(現在の保持者は、琉球舞踊の)七系統ある内の1系統の方々(玉城盛重系統)しかいませんから、玉城の方々がたとえば渡嘉敷(守良)とか(新垣)松含とかいう方々の技について、評価したりとか審査するとかできないんですよ。
7系統の中で審査基準ができればいいんですけど、1系統しか(保持者の)方はいなくて、1系統の中でも真境名(流)だったり宮城流だったり若干違うところがあって、それに対しても適切な評価できない(そういう)方々に対して何を審査するかということですよ。(正しく評価できなくても、コンクールなら)審査はできるんですよ、新聞社(のコンクール)でやってますから。10点満点の審査をして、申し合わせがあって、よっぽど酷くないとき以外は□点以下はつけないようにしましょうねと。地謡の(保持者の)先生に聞きました。仕方ないときは恥かかせたくないから□つけたよ、とかいう話はします。評価はできなくても(コンクールのような)審査はできるんですよ。点数ですから。
そうじゃなくて、伝承者だけ勉強するのでなく保持者も(自分の系統以外の)6系統勉強しないと、今に沖縄の芸能は1系統だけになってしまいますよ。だって(現保持者の)1系統の技を勉強しないと保持者になれないんだったら、他の系統衰退するじゃないですか。だから「保持者も伝承者もみんな集まって(一緒に)勉強しましょうよ」という(研修)会をやってきたんですよ。それは新聞社がやっているコンクール、タイムス、新報やっていますよね、コンクールについてはコンクールだから基準があるのは当たり前なんです。でもその基準によって、それぞれのお家がコンクールにとおるように技を変えているんですよ。技を変えて自分たちの技についてはお家で守りましょうねってやってますけど、コンクールで基準にあうことが必要になったので、技を変えて優秀賞や最高賞とっているんですよ。その方々集めて、皆さん最高賞とっていますよね、だったらあとはもう自分たちの技をやりましょうってやっていたんですけど、ふたをあけてみると、コンクールおさらい会になっていて、「先達の技とか忘れました」(と研修生が言い)、「なんで」って(私が)言ったら、「いやもう最高賞とったら道場行きませんもん」と、こういう状態ですよ。
こんな状態の中で、一系統じゃなくて全部の系統を守るためには勉強会が必要だ。研修者、伝承者だけでなく保持者も(勉強が)必要だ。保持者のほとんどが、大城政子先生(※政子先生は元々は、玉城系統ではない嵩原系統ですが、最終的には玉城系統の眞境名佳子先生に師事していますので、玉城系統とも言えます。ご本人も、「私の技は(嵩原系統の)比嘉清子先生と(玉城系統の)眞境名佳子先生のハーフ&ハーフです」とおっしゃっています。複雑です)を除いて、全員玉城系統です。
そういう中で作られた基準はおそらく新聞社、タイムス、新報系で作られた基準で採点でしょう(注意)。(今回の実技審査は)「10点満点でやってる」(資料 )って言ってましたから、聞いた人には。だから、普通は、ほかの(重文の)芸能だとそういう審査をするんでなくて、普段の舞台活動とか芸歴をみて判断するんですよ。そういう形でやってます。実技審査をするという団体はどこにもないですよ。
実技審査でもって保持者を選考ってどこにもないですよ。じつはこれは(保存会だけでなく)我々(行政)の立場ではないですよ。2年前の空手の追加認定がありましたよね、あのとき我々芸能の資料はありますけど空手についてはなさすぎなので、空手の有識者であり、我々のOBである宮城篤正先生を呼んで、「(保持者候補者に)一堂に集まってもらって実技審査をしたらどうですか」と(前班長が)言ってしまったんですよ。そしたらあの温厚な先生が怒って(といっても静かな口調で噛んで含めるようにではありましたが)「そんな空手の大御所たちを侮辱することやめてほしい。我々空手経験者は誰が実力があるのか(保持者にふさわしいのか)わかる」と。「そんなこと県が言っちゃいけない」と。我々は「実技審査する立場じゃない」と。「もし問題(近年の現役性が確認できない)あるのだったら実技のVTRなど見れば、ちゃんと技披露してるのわかるから(それを見る)。技は大事だけど技を伝えた人たちを大事にしないと何の文化行政か」と我々は叱られたんですよ、(前班長の)濱口さんと二人で。ああ、そう(正論)だったなあと思って。
だから、次の年にあった八重山の芸能の(保持者)選考については、「八重山の芸能って、本島にいる人はいい(※技量は確認できる)けど、石垣島に居る人たちは(技量が)分からないよね。集めて実技発表させようか」にはならなかったのですよ。いろいろ映像を撮ってもらって送ってもらって、それをもとにして(選考では)点数化しません。(県の文化財保護審議会の芸能に関する)第4専門(部会)の先生が聴いて保持者として相応しいかどうか判断してもらいますけど、(技量を)点数化はしていません。我々(行政)の立場としても実技審査をして行うということについては、ものすごく慎重であるべきだったんですよ。
野原班長:実技審査というか、現役性を見るための審査ですよね。
島元:現役性については、他の(国指定や県指定の芸能の無形文化財保持)団体についても同じ事情ですけど、平成21年度に琉球舞踊の認定があったときに、文化庁に聞かれたのは、3年以内5年以内の現役性を証明するような映像(※求められたのは根拠となる文書記録がほとんどで、映像については人間国宝の認定のより精密な検証が必要なときだけでした)とか資料ありませんかというのが文化庁の立場でした。実際(実演を)やってもらって現役性(を確認)というなら(今回の同保存会の)実技発表の直後に保持者公演がありました。それを見ればいいんです。対象の方がみんな県の保持者ですから、この方方が舞台に上がって・・
野原班長:県の保持者公演は全員が舞台に立たないですよね。どっかでやっているものを見に行ってではなく、保存会としては自分たちが推薦する以上、責任を持って推薦する以上で、自分たち(保存会)が作った基準で、自分(保存会)たち前で実際に踊ってもらって、本当に出来るかどうか全員の保持者で確認をして、「この人は出来る」「この人は一寸・・」ということを確認した上でないと、「自分たちから推薦できないね」ってことであったら。わざわざ、自分たちが推薦するものをしっかりと担保するために、現役性の確認をしたんだと思います。これは、やってはいけないっていうわけではないんですよ。島元さんはやってはいけないっていうんですけど。別にやってはいけないっていう意見はあるかもしれませんが、やってもいいっていう意見もあるんですよ(そのとおりです。だからこそ、顧問も交えて議論すべきでした。問題なのは、異論を唱えそうな担当と顧問を外して、一方的に決定する進め方です。きちんと議論をした結果であれば、批判はしません)。
島元:これは班長、誤解して欲しくなんですけど、実技審査をするという方法自体が必ずしも間違っているとは(私は)思っていないんですよ。ただそのためには(実技審査に必要な条件や)審査基準が必要であるんであって、現在は審査基準がない状態中で、点数をつけさせるというあり方なんで・・
野原班長:審査基準、作ってましたよ(※現時点では、審査基準を作りようがないというのが私の意見)。
島元:作ってましたよ。1系統の評価基準しかない中で、どうやって7系統について(基準が作れるのか?)。玉城成重しかないです今。(つづく)
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すごいやり取りがあったのですね。続きが楽しみです!やはり芸能ポリティックスですね。新聞社も保存会も十分絡んでいますね。文化政策の全体の構造が問われますね。
雨に打たれた朝のハイビスカスです!
文化財課がまるでいいことをしているみたい。
「保持者推薦事業」の前に「不正で残忍な」と入れんと!
どんだけ泣いている人がいるから!
私利私欲のかたまりの国の大御所舞踊家保持者どもと、こいつらをヨイショする無責任で血も涙もない役人どもは、徹底的に追い詰めないと!
正しいタイトルは、
沖縄県教育庁文化財課は、不正で残忍な琉球舞踊保存会の保持者推薦事業を猛プッシュ!
じゃないの!匿名紳士さま。
しかし、島元氏の「問題なのは、異論を唱えそうな担当と顧問を外して、一方的に決定する進め方です。」という発言は筋が通っている。
一方的に持論を通すのではなく、有識者を含めて、議論を進めるべきだという意見。
なんで、この当たり前のことが出来ない?保存会と県教育庁。
県民や国民ではなく、誰にとって得になる選考なんだ?
空手界も様々な問題を抱えているらしいこと、噂には聞くが、この記事を読む限りでは、空手界は琉球舞踊界よりは、遙かにましだ。
保持者選考に実技審査を行うことについて、空手の有識者(宮城徳正氏)は、
「そんな空手の大御所たちを侮辱することやめてほしい。我々空手経験者は誰が実力があるのか(保持者にふさわしいのか)わかる」と。「そんなこと県が言っちゃいけない」と。我々は「実技審査する立場じゃない」と。
この有識者の言葉は至言だ。
「空手」をそのまま「琉球舞踊」に入れ替えても成り立つ普遍性のある言葉。
琉球舞踊には、宮城氏のような真っ当な見解を持つ有識者はいないのか?
空手界がうらやましい。
問題は、そういった方々(顧問)の意見を無視して保存会が暴走し、県の担当がそれを容認して、応援していることです。
隠蔽工作を継続して、これからも県の保持者の先生方を苦しめるつもりだ!!
最悪な現状に異議申し立てをしないで、追認しているのであれば、グルです。
そう思いませんか?匿名紳士さま。
琉球舞踊問題をごまかした手腕が評価されているんでしょう。
頑張っていた島元先生が、私情で新聞投書した人物と、おとしめられたままでいるのに本当に残念です。
7つの流儀の内、盛重系統の先生のみが追加認定されていること自体、明らかにおかしいことです。
流儀の隆盛にかかわらずに、沖縄に伝わってきた琉球舞踊の技を公平に守っていくことが行政の仕事なはずです。
文化財課の萩尾課長・野原班長は、補助金を不正に流用させてコンクールを開いて盛重以外6つ流儀の先生方を排除していています。
この所行は文化財課の上層部(萩尾課長・野原班長)が6つの流儀について、保護する価値がないと判断したのと同じです。
だからこそ、島元先生が文化財課の元担当者として実名を出して新聞記事に投書した意味の大きさが分かります。
6つの流儀のある限り、琉球舞踊の問題は終わらせてはいけません。
問題を追求して、原因をあきらかにしないと、また、同じことが必ず起こります。
問題の原因となった萩尾課長・野原班長は必ず責任をとらせるべきです。
先達の技をまもる先生方がまず、声を上げないと周りの人は手をさしのべることが出来ません。
野原班長:実技審査というか、現役性を見るための審査ですよね。
島元:現役性については→実際(実演を)やってもらって現役性(を確認)というなら(今回の同保存会の)実技発表の直後に保持者公演がありました。それを見ればいいんです。対象の方がみんな県の保持者ですから、この方方が舞台に上がって・・
野原班長:→わざわざ、自分たちが推薦するものをしっかりと担保するために、現役性の確認をしたんだと思います。
2016年12月の次期保持者候補者選考から1年後の2017年09月26日に
渡嘉敷守良先生は見事に公演を成功させているよ。これこそ、現役性じゃないの。
渡嘉敷流「二代目渡嘉敷守良襲名披露公演」、独特な型と美でしたね!おめでとうございます!(https://blog.goo.ne.jp/nasaki78/e/ab8397fda8871fcadd54c503868cfebf)
島元先生と野原班長のやり取りは先生の講演会の3ヶ月の2017年の12月22日
もちろん渡嘉敷先生も次期保持者候補者選考で踊ってらっしゃいます。
じゃあ、野原班長のいう現役性ってなんだろうね。
それは「現役性」でなく「技量」じゃないか。一部の系統の人間ための偏った審査基準。これによる次期保持者候補者選考。これって不正じゃないか。
それを文化財課の班長が「実技審査というか、現役性を見るための審査ですよね。」ってごまかすって。明らかに県の文化財課と国の保存会はグルになって少数の流儀を排除して先達の技を滅ぼして、技の統一をしようとしている。
本当に何も出来ないのか
伝承者養成事業で
大御所は先達の技をすてて
あつかましく自分の流儀で技や衣装で
琉球舞踊を統一しようとしている
保存会の暴走を幇助した
萩尾前課長や野原前班長ら
行政の罪は重い
このまま逃げ得を許していいのか
このまま私利私欲にまみれた
統一を進めていいのか