先日、月村了衛の欺す衆生を読んで面白かったので
「土漠の花」というのを読んでみましたが
アフリカソマリアを舞台にした、自衛隊の戦闘物です。
面白かったですよ、一気に読ませます。
ソマリアは無政府国家で数々の部族が各々の領土を統治している国です
そのソマリアの国境付近で、アメリカのヘリが墜落しました
近くでPKOの活動をしていた、自衛隊に救援の依頼がきます
12人の自衛隊の精鋭が救助に向かいますが、ヘリは大破し乗員は死亡していました
遺体の撤収をしようと準備をしているところへ
女性が助けを求めて逃げてきました
女性はある部族の長の娘アスキラで、敵対する部族に追われているといいます。
窮鳥懐に入ればという、隊長の吉松はアスキラを保護するのですが
アスキラを追ってきた部族に急襲されます。
慣れない戦闘の末、4名の自衛隊員が死に、残りの8名とアスキラの
決死の脱出劇。
はたして、9人は生きて帰ることができるのか?
戦うことが許されない軍隊の自衛隊。当然実戦経験はありません
しかし、有事の際のため訓練は欠かしていない。
反対に、無政府と言えど各国の思惑で各部族には最新鋭の武器が提供されている
なんの制約もなく無頼の限りを尽くせる兵士たちに
自衛隊の面々はどういった対応ができるのか?
自分の身を守るためとはいえ、人を殺したことの無い自衛隊が
無頼漢とはいえ人を殺すことができるのか?
わしなんか、読んでて
躊躇せんと殺さんかい!!って思いますけどね
映画を見てるように、場面が変わっていきます
ページをめくる手がとまりません
面白いです
そしてラスト、そういう結末かと
戦争には、裏があるんです
いろんな国のいろんな思惑で戦争は起きているという話。
この小説は底の浅い思惑で、ありがちな結末でしたがね
今行われている、ウクライナの戦争はどんな思惑が入り乱れてるのか
本当に、ロシアの一人の狂人の思惑だけでしょうか
裏があるとしたら、どんな裏があるんでしょうか
泣いている何万の人の陰で、笑ってる人間がいるんでしょう
怖い話です