たのしい夢日記

京都奈良寺社巡り・思い出・読んだ本…日々のあれこれを写真と共に。

みをつくし料理帖

2015-02-08 17:19:43 | 読んだ本について
自己啓発本は苦手だ。


大分前にもそう書いた事があるが、「こうするとこう良いよ」と言われても「ふ~ん」
何故か心に沁みることがない。

会議などでよく、この手の本を、「ためになる」推薦書のごとく紹介されるが、2冊くらい義理で読んだきり、それも中身はほとんど忘れている。
賛成してくれた同僚がいたが、彼女も同じ読書タイプの人。

読書は楽しみのもので、勉強のためには本は読まない。

というか勉強と思って本を読んでも全く「ためにならない」のだからしょうがない。

かと言って、決して「クソの役にも立たんわ」と思いながら読んだわけではなく、「なるほどなあ」と思いながら読むのだ。一応。しかし沁みとおっていないらしく、参考に何かを実行したりすることはないし、すぐ忘れる。


しかしながら、小説に書いてあり、物語の中で出てくるものについては、感情移入するので真似をしたくなるものだ。

この「みをつくし料理帖」は典型。

以前から書店で見かけて気になってはいたが、かなり長いつづきもの、つまらなかったらなんかもったいないし…と思いつつ、読み始めてみたら止まらなくなった。面白い。
ストーリーも面白いが、中で出てくる食べ物がよい。そのストーリーの中で「人を慰める」「励ます」「込み入ったものを解決する」「新たに挑戦する」等のために料理を作る設定、冷蔵庫も冷凍庫もビニールハウスもない時代の設定でもあり、新鮮な食材を旬の季節に食べる良さも感じられる。

系統としては「美味しんぼ」に通じるものがあるんだろうが、「社会批判」に当たるものは江戸時代なので「身分、立場批判」になるだろうか。


料理好きの同居人は、「食べ物の描写がうまい小説は良い小説だ」というポリシーを持っているので、試しに「面白いよ」と勧めてみたら私以上にはまった。7巻辺りを読んでいるうちに彼は5巻くらいまで追い上げて来たので焦った。

この本のいいところは作中の料理のレシピがついているところ。食べてみたいと思ったら作れる、というのが楽しい。これまでに「とろとろ茶碗蒸し」「里の白雪」などみな面白い名前がついているが、あれこれ試してみた。結構、どれもイケる。
江戸時代の庶民的な料理屋の設定なので、ややこしい食材でなく、普通に家で作れるものもある。



「みをつくし読んでから今まで食べてなかったもの好きになった」と同居人。

確かに以前なら、昆布の佃煮や、蕗の煮物など食べることはなかったが、最近は自分で作ってくれる。まあ、年齢も行ってきたこともあるんだろうけれど…。

今日は、この小説の中でかなり重要な位置を占めている「こぼれ梅」(みりんの搾りかす)をたまたま近くの高級めスーパーで見かけてつい買ってしまった。そうしょっちゅう使うものでもないんだけど…そう、困るのはコレ。
「出て来たよね、食べてみたいよね、一回は」と言って変わったものも買ってしまうのが…。




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