それは、とてもとても暑い夏の日だった。
普段は、朝早く ボクを散歩に
連れて行ってくれる父も
やさしく朝食をだしてくれる母も
全く起きてこなかった。
朝10時を過ぎて、やっと起きた様子の父と母。
一度、外に出してもらったが
異様な暑さに、ボクもすぐに家の中に入った。
エアコンがつけられた部屋で
ずっとじっとしている父と母。
しかたがないので、ボクも一日
その部屋でじっとしていた。
ふたりとも、一歩も外に出ないのだ。
その日の父と母のいつもと違う行動は、夕方になっても続いていた。
普段なら、夕方になると母が散歩に連れてってくれるのに
全くその気配がない。
もう日が暮れているのに……。
エアコンのリモコンを持つ母がエアコンの数値を見ながら
「夜7時なのに、まだ、外気の温度は36度だって…」と父と話している。
いつもの夕方の気温ではないらしい。
今日は、もうお散歩はないのだろうか……。
そうあきらめかけた8時半頃。
にわかに着替え始めた父と母。
出かける? いや散歩? ボクは留守番?
ボクの頭の中は、ぐるぐる。
いつも、こんな時間に出かけることがないので
判断できなくて、迷ってしまう。
「風行くぞ!!」父がリードを持った。
母が自転車に乗り、ライトをつけた。
「やったぁ!!」僕は、喜んだ。
今日初めての散歩だからだ。
一日家に籠ってばかりで、もう家から出られないのかと
思っていただけに、ほっとしていた。
それが、あんな恐怖の散歩になるとは、
ボクは、この時は思いもしなかった。
ボクたちが最初に向かったのは、
いつも朝の散歩でよく行く公園。
ここまでは、楽しく快適にお散歩をしていた。
そこから、少し大きな遺跡公園に向かった。
住宅街を快走しながら、父といっしょに走っていると
バンッ!
今向かっている遺跡公園から、低い破裂音がした。
こっ、この音は危険だ。
ボクは、瞬時にUターンした。
低い破裂音…、あれは悪霊が出現するラップ音に似ている。
父や母には、聞こえていないのだろうか?
公園の方に向かっていた父と母も、
ぼくの行動に気がついて
立ち止まった。
「危険だから、早く家に帰ろう!!」
ボクは、何度も父と母にそう伝えた。
なのに母は「あ~、公園で打ち上げ花火やってるのかもね」と
のんびり話している。
「風ちゃん、大丈夫やて」といいながら、
フードを与えてくれた。
もちろんボクは、パクパク食べたけれど
危険が取り除かれたわけじゃない。
あの爆発音がもうしないのなら、いいんだけれど…。
前に進む、父の歩みにあわせて
僕が、公園の方へ進み始めた途端
バンッ!
バンッ!バンッ!
と連続して、低い破裂音が再び響いた。
それはまるで、ボクたちが近づいたことに
怒っているような音。
ボクらが近づいたから、悪霊を怒らせたんだ。
今度は、もっと力強く
家に帰るように、リードを引っ張った。
しかし、父はこの異常事態を全然わかったくれていない。
どうやったら、こののんきな父と母を家に戻すことができるのか。
必死に引っ張って、戻ろうとするボクに
父は「ヒール」と指示した。
そんなのんきな状態とちゃうのに。
イヤまて、ここで無理に引っ張っても、父は動かない。
ボクが指示に従ってヒールについたら、ご褒美として
家に戻ってくれるかもしれない。
心臓がバクバクしながらも
ボクは、父のヒールポジションについた。
するとゆっくりと家の方向に歩き出してくれた。
「あぁ、よかった」
少しほっとしたボクだが、早く帰りたい一心で
すぐに父よりも先に出てしまう。
その度に、父は立ち止まり
ヒールに戻るまで動いてくれない…。
ボクは、恐怖心と戦いながらに
先に進んではヒールに戻り、
父を歩かせることを繰り返した。
帰り道がこんなに長く感じられるなんて…。
こんな恐怖の散歩になるなんて…。
あれ?? これは帰り道じゃない。
ボクが気がついた時には、また別の公園に向かっていた。
よく夕方の散歩に来ている大好きな公園だ。
気持ちも随分落ち着いてきて
公園に着いたとたん、いつもの匂いかぎをはじめたボク。
しかし、またボクは、恐怖におののいた。
約700m先にある古墳公園から、またも破裂音が連続して聞こえたのだ。
匂いかぎをしてい場合じゃない!!
「おうちに帰ろう!!」と必死で懇願するが
父や母には、聞こえていようだ。
ボクは、ベンチに座っている母に
抱きついて、恐怖を訴えた。
すると「あ~、ほんまやね。ここからも花火の音が少し聞こえるね」やて。
昨年も、こういう悪夢のような散歩を経験し
もう夜の散歩は出たくないと思っていたことを思い出した。
なぜ、こういう恐怖の夜があるんだろう。
特に、パパが昼間おうちにいる日の夜に
多いような気がする。
それも、昼間は暑くて外に出られない日の夜だ。
お散歩は大好きだけど、恐怖の音の中でのお散歩は大嫌い。
これをなんとかしないと…。
最後まで、読んでくださってサンキューです。
昨年やった、花火克服プログラムで、随分大丈夫になったと思っていた
「花火音恐怖症」がまたも再発したことが昨夜発覚!!
・フードは食べられる状態
・指示も従うことができる状態なので
恐怖ランクは★★★
この恐怖ランクを下げられるように、再び頑張りたいと思います。
ちなみに私がつけている風の恐怖ランクは
★耳が動き、少し恐怖やストレス感じているが、息も落ち着いていて
行動も普段とあまり変わらない。おいしいものや楽しいことがあると、
恐怖の対象が気にならなくなるレベル。すぐに匂いかぎなどもできる。
★★息が荒く恐怖を感じているけれど、飼い主に集中することができるレベル。
得意なトリックなどで気を紛らわせたり、褒められたりしていると
平常心にもどれるレベル
★★★おやつが口にできるし、指示にも従えるけれど、ずっと息が荒く
ストレス状態。挙動不審
★★★★飼い主の指示の言葉は聞こえ従うこともでき、アイコンタクトもできるが
フードを口にする余裕がない。心臓の鼓動が大きく胸がバクバク。
挙動不審
★★★★★飼い主の言葉も全く耳に入らず、食べ物も無視。
恐怖でパニック状態になり、暴れるなどの行動がみられる。危険な状態
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風ちゃんの応援よろしくお願いします。
普段は、朝早く ボクを散歩に
連れて行ってくれる父も
やさしく朝食をだしてくれる母も
全く起きてこなかった。
朝10時を過ぎて、やっと起きた様子の父と母。
一度、外に出してもらったが
異様な暑さに、ボクもすぐに家の中に入った。
エアコンがつけられた部屋で
ずっとじっとしている父と母。
しかたがないので、ボクも一日
その部屋でじっとしていた。
ふたりとも、一歩も外に出ないのだ。
その日の父と母のいつもと違う行動は、夕方になっても続いていた。
普段なら、夕方になると母が散歩に連れてってくれるのに
全くその気配がない。
もう日が暮れているのに……。
エアコンのリモコンを持つ母がエアコンの数値を見ながら
「夜7時なのに、まだ、外気の温度は36度だって…」と父と話している。
いつもの夕方の気温ではないらしい。
今日は、もうお散歩はないのだろうか……。
そうあきらめかけた8時半頃。
にわかに着替え始めた父と母。
出かける? いや散歩? ボクは留守番?
ボクの頭の中は、ぐるぐる。
いつも、こんな時間に出かけることがないので
判断できなくて、迷ってしまう。
「風行くぞ!!」父がリードを持った。
母が自転車に乗り、ライトをつけた。
「やったぁ!!」僕は、喜んだ。
今日初めての散歩だからだ。
一日家に籠ってばかりで、もう家から出られないのかと
思っていただけに、ほっとしていた。
それが、あんな恐怖の散歩になるとは、
ボクは、この時は思いもしなかった。
ボクたちが最初に向かったのは、
いつも朝の散歩でよく行く公園。
ここまでは、楽しく快適にお散歩をしていた。
そこから、少し大きな遺跡公園に向かった。
住宅街を快走しながら、父といっしょに走っていると
バンッ!
今向かっている遺跡公園から、低い破裂音がした。
こっ、この音は危険だ。
ボクは、瞬時にUターンした。
低い破裂音…、あれは悪霊が出現するラップ音に似ている。
父や母には、聞こえていないのだろうか?
公園の方に向かっていた父と母も、
ぼくの行動に気がついて
立ち止まった。
「危険だから、早く家に帰ろう!!」
ボクは、何度も父と母にそう伝えた。
なのに母は「あ~、公園で打ち上げ花火やってるのかもね」と
のんびり話している。
「風ちゃん、大丈夫やて」といいながら、
フードを与えてくれた。
もちろんボクは、パクパク食べたけれど
危険が取り除かれたわけじゃない。
あの爆発音がもうしないのなら、いいんだけれど…。
前に進む、父の歩みにあわせて
僕が、公園の方へ進み始めた途端
バンッ!
バンッ!バンッ!
と連続して、低い破裂音が再び響いた。
それはまるで、ボクたちが近づいたことに
怒っているような音。
ボクらが近づいたから、悪霊を怒らせたんだ。
今度は、もっと力強く
家に帰るように、リードを引っ張った。
しかし、父はこの異常事態を全然わかったくれていない。
どうやったら、こののんきな父と母を家に戻すことができるのか。
必死に引っ張って、戻ろうとするボクに
父は「ヒール」と指示した。
そんなのんきな状態とちゃうのに。
イヤまて、ここで無理に引っ張っても、父は動かない。
ボクが指示に従ってヒールについたら、ご褒美として
家に戻ってくれるかもしれない。
心臓がバクバクしながらも
ボクは、父のヒールポジションについた。
するとゆっくりと家の方向に歩き出してくれた。
「あぁ、よかった」
少しほっとしたボクだが、早く帰りたい一心で
すぐに父よりも先に出てしまう。
その度に、父は立ち止まり
ヒールに戻るまで動いてくれない…。
ボクは、恐怖心と戦いながらに
先に進んではヒールに戻り、
父を歩かせることを繰り返した。
帰り道がこんなに長く感じられるなんて…。
こんな恐怖の散歩になるなんて…。
あれ?? これは帰り道じゃない。
ボクが気がついた時には、また別の公園に向かっていた。
よく夕方の散歩に来ている大好きな公園だ。
気持ちも随分落ち着いてきて
公園に着いたとたん、いつもの匂いかぎをはじめたボク。
しかし、またボクは、恐怖におののいた。
約700m先にある古墳公園から、またも破裂音が連続して聞こえたのだ。
匂いかぎをしてい場合じゃない!!
「おうちに帰ろう!!」と必死で懇願するが
父や母には、聞こえていようだ。
ボクは、ベンチに座っている母に
抱きついて、恐怖を訴えた。
すると「あ~、ほんまやね。ここからも花火の音が少し聞こえるね」やて。
昨年も、こういう悪夢のような散歩を経験し
もう夜の散歩は出たくないと思っていたことを思い出した。
なぜ、こういう恐怖の夜があるんだろう。
特に、パパが昼間おうちにいる日の夜に
多いような気がする。
それも、昼間は暑くて外に出られない日の夜だ。
お散歩は大好きだけど、恐怖の音の中でのお散歩は大嫌い。
これをなんとかしないと…。
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昨年やった、花火克服プログラムで、随分大丈夫になったと思っていた
「花火音恐怖症」がまたも再発したことが昨夜発覚!!
・フードは食べられる状態
・指示も従うことができる状態なので
恐怖ランクは★★★
この恐怖ランクを下げられるように、再び頑張りたいと思います。
ちなみに私がつけている風の恐怖ランクは
★耳が動き、少し恐怖やストレス感じているが、息も落ち着いていて
行動も普段とあまり変わらない。おいしいものや楽しいことがあると、
恐怖の対象が気にならなくなるレベル。すぐに匂いかぎなどもできる。
★★息が荒く恐怖を感じているけれど、飼い主に集中することができるレベル。
得意なトリックなどで気を紛らわせたり、褒められたりしていると
平常心にもどれるレベル
★★★おやつが口にできるし、指示にも従えるけれど、ずっと息が荒く
ストレス状態。挙動不審
★★★★飼い主の指示の言葉は聞こえ従うこともでき、アイコンタクトもできるが
フードを口にする余裕がない。心臓の鼓動が大きく胸がバクバク。
挙動不審
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