日本人を調査する科学的方法については、血液型・骨・歯、そして遺伝子によるものがある、最近はミトコンドリアDNAが注目されているが、それぞれ一長一短があり、ミクロの分析についてはいいがマクロでは大雑把すぎる、また、その反対のケースもある。
人類の移動について確認するいい方法があった、それが、ヒト・ポリオーマウィルス=JCV、JCウィルスは人の体内にいて尿中に排泄される、そのサブタイプを追跡すると人類の移動や日本人のルーツが見えてくる。
そして、この調査は、比較的簡単に多量のデータを採集でき、比較することができる。
「ヒトの遺伝子を扱うのが本筋だが、これだけの集団からのデータが集まると、それなりの傍証になる」 ― 『サイアス』 98・4/17 徳永勝士東大教授 ―
傍証というには、あまりにも貴重なデータではないか。
そして、このデータの特質は、これまでの人類学の研究と、見事に一致する内容になっていること。
だが、どういうわけか、この研究があまり普及しない、マスコミが真剣に受け止めようとしない。
ともあれ、東大の医科学研究所のグループは、大変に貴重な「いい仕事」をしていた。