東京の下町と山間の古刹(こさつ)を行ったり来たり、
「そうか そうだったのか」
この男性のくずれそうなこころを、御前さまが支えていたのだ、
「そうだ そうだったのだ」
ちょっとはにかんだ少年のような顔、大人になりきれない「さびしい悟り」
「わたしの代わりに親友が死んだんです」
「たいへんでしたね」
「もうしわけなくて もうしわけなくて」
「わすれなさい おわすれなさい もう いいんです いいんですよ」
そして、
「いつでも来てください いつまでもいてください」
ニッポンのオトコとオトコ。二人の真実、
「やっと とけた」