「夢しずく」は、「キヌヒカリ」と「ひとめぼれ」の交配によって生まれた品種です。ほどよい粘りと優れた味わい、食欲をそそるふっくらでつやのある光沢が高い評価を受けています。
「夢しずく」の由来は、新世紀の佐賀米作りへの「夢」と、朝露に濡れる稲の新鮮なイメージを「しずく」という言葉で表現しました。
佐賀県の統一米袋のデザインは、佐賀県厳木町出身の風の画家中島潔さんのあたたかなイラストになっています。
(スズノブのデザインは、ススノブオリジナルとなっています)
http://www.saganet.ne.jp/jasaga/nosan/yumeshizuku.html
伊万里市黒川町の深山(みやま)地区の牟田(むた)集落
太平山(331m)や城古岳(404m)を有する山間地域
標高305m付近にある棚田で、湧水を利用して栽培
深山米部会は生産者19名、面積13.5ha(225筆)
という環境で、伊万里産こだわり米「夢しずく」は栽培されている。
取り組みとしては
①安心安全な農産物の生産
・佐賀県特別栽培農産物の認証
・稲わらすき込みの確実な実践
②おいしい米づくりを目指した栽培管理
・土づくり資材の散布
・適期・適量な施肥の実施
・生育ステージに合わせた、細やかな栽培管理の徹底
③こだわり米の商品化
・区分荷受けの実施
・適期収穫の実施・水分の均一化
・販売促進活動
となる
実はこのお米は、すでに1か所の米卸に流通している。
産地側としては、「深山こだわり米」として出荷しているのだが、米卸からの商品名は「佐賀県伊万里 特栽 夢しずく」となっている。
なぜか?
それは、産地・地域側からの提案・説明が弱すぎるからだ。
「佐賀県伊万里 特栽 夢しずく」の仕入れている多くの米屋が感じていた、今までの欠点であった玄米品質については、玄米色彩選別機の導入が決まっていて、これによって品質ブレのない玄米タンパク質含有率6.54%以下のお米が流通してくるようになるであろう。
栽培においては、圃場巡回をし、穂肥診断に基づく施肥量の指導、葉色診断に基づく区分荷受けを実施する。
この地区の問題点は、ブランド名の弱さ。
資料の中にも「深山こだわり米」や「深山夢しずく」といい方がある。
もっとも、そのことには気が付いているようで、ブランド米販売についての検討も始まっていた。
ブランド名にしたい「深山のイメージ」
①深山(みやま)
城古岳などを有する山間地の自然
②清流
山頂付近の湧水・ため池の水を利用
③星空
星の美しい観測地点(環境省 全国星空継続観測)
④その他、地域の名所旧跡など
を踏まえて、「深山清流米」としたブランド名やロゴ、米袋デザインなどを検討しているとのことだが、田舎の考え方というか、世間知らずというか、勉強不足というか、すでに「深山清流米」という言葉はあるので、新しくブランド米とするのであれば、今更使うべきものではないだろう。
それに、ブランドとして「深山」を売り込みたいと言っているのに、写真を見てもらえば判るように、「清流米」という言葉が先に来てしまっている。
これは、明らかにおかしい。
ブランドとは何か、何を消費者に売り込みたいのか、知ってもらいたいのかという部分が、まだ固まっていないという事だろう。